【電動工具紹介】鉄を切る道具(3):切断速度が速くて面も焼けない【チップソーカッター】

丸のこや草刈機に使われるチップソーですが、鉄を切断できる鉄工用チップソーというものがあります。チップソーカッターはディスクグラインダーよりも早く鉄を切断することができます。

鉄を切る道具(1):幅広い用途に使える【ディスクグラインダー】
鉄を切る道具(2):鉄パイプやアングル材を切断するならこれ【高速切断機】
鉄を切る道具(3):切断速度が速く面も焼けない【チップソーカッター】
鉄を切る道具(4):パイプ切断や解体作業に最適【セーバーソー】
鉄を切る道具(5):切断音も切りくずも少ない【バンドソー】
鉄を切る道具(6):板金加工や窓抜きに!【ニブラ】
鉄を切る道具(7):板金切断の専用工具!【シャー】
鉄を切る道具(8):寸切ボルト専用カッター!【全ネジカッター】

チップソーカッターとは?

高儀 EARTH MAN チップソー切断機 165mm CS-100TA高儀 EARTH MAN チップソー切断機 165mm CS-100TA

チップソーカッターとは名前の通り、チップソーという円盤状の丸のこ刃を取り付けて、切断を行う電動工具のことです。

チップとは刃の部分に取り付けられた超硬チップ(タングステンカーバイトでできた固い金属)のことです。この超硬チップというものはダイヤとサファイヤの中間ぐらいの硬度を持ち、非常に硬く、摩耗に強いという性質を持っています。

超硬チップの付いたチップソーはただの丸のこ刃よりも切断性能に優れ、寿命が長いという特徴を持っています。チップソーは形状や超硬チップの種類などによって、木工用・鉄工用・非鉄金属用など様々な種類があります。

 

チップソーカッターと丸のことの違いは?

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チップソーカッターと同じような工具に丸のこという電動工具があります。丸のこは主に木を切る工具で木工用のチップソーを取り付けて使用します。

鉄工用チップソーを取り付けるチップソーカッターと、木工用チップソーを取り付ける丸のことの違いとは何でしょうか?

同じチップソーを使用する工具なのに、用途が分けられている理由には「耐久性」「機能の違い」という理由があります。

チップソーカッターは耐久性を持たせるため、刃物カバーの部分に金属部品が使われていたり、耐熱性の樹脂が使用されています。なぜ、このような構造になっているかと言うと、鉄という材料は切断時に大量の熱を発生するためです。そのためチップソーカッターは耐熱性の部品が使われています。

また、機能的な面では、チップソーカッターは鉄が焼けることを防ぐために、丸ノコより回転数が低く設定されています。(丸ノコ約5000回転/分に対してチップソーカッターは大体4000回転/分程度です)、他にも鉄工作業に不要な機能が省かれているなど、機能的な面で差別化が図られています。

構造的にはチップソーカッターも丸のこも同じようなものなので、丸のこでも鉄工用チップソーさえ取り付けてしまえば鉄の切断は可能です。しかし、道具の寿命を考えると丸ノコでの鉄工作業はお勧めはできません(保護カバーは真っ先に溶けるでしょうし、アルミベースは鉄で傷ついて精度が落ち、高すぎる回転数によってチップソーは早期消耗します)

 

どんな作業に最適?

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チップソーカッターの用途は、ディスクグラインダーや高速切断機とほとんど変わりません。チップソーで鉄を切断する利点としては、火花が少ない・切断が早い・切断時の音が少ない(あくまで切断砥石と比べた場合)などが挙げられます。

チップソーカッターはその利点を生かして、工場現場などでは火花が飛び散ってはいけない作業場でのパイプ・アングル材・板金の切断。建築現場などでは、金属サイディングの切断などによく使われているようです。しかし、鉄工用のチップソーは切断砥石よりもディスク一枚当たりの単価が高いため、チップソーカッターでなければいけない場合を除けば、グラインダーで鉄を切ることがほとんどです。

鉄の切断は可能ですが、焼き入れ鋼はチップソーでは切断できないので注意してください。

ちなみに、切断砥石での切断は、火花が出るように力を加えるのがポイントでしたが、チップソーカッターはできるだけ火花が出ないように切断するのがポイントです。必要以上に火花を出すと、材料に焼きが入ってしまい、超硬チップが早期摩耗してしまいます。もちろん、力を加えすぎてモーターに過負荷をかけるのも厳禁です。

 

どんなチップソーカッターを選べばいい?

チップソーカッターにも様々な種類があります。モーターの違いや、取り付けられるチップソーの径の違いなどいろいろありますが、今回はチップソーカッターの形状の違いについて解説します。

定置型


高儀 EARTH MAN チップソー切断機 165mm CS-100TA

高速切断機と同じくスタンドとバイスがついているタイプです。使い方や用途も高速切断機とあまり変わりません。切断速度が速く精度も高いです。(高級モデルほど精度が高くなります)

定置型はコンセントに繋ぐタイプものがほとんどですが、マキタからはコードレスタイプの定置型チップソーカッターも販売されています。

ハンディ型

日立工機 18V コードレスチップソーカッター 充電式 蓄電池・充電器別売り CD18DBL(NN) 本体のみ

丸ノコと同じ形状をしたチップソーカッターです。安全カバーやベースがついているため、ディスクグラインダーより安全に鉄を切ることができます。木工用のチップソーをつければ、簡易丸ノコにもなります。

ハンディ型チップソーカッターの場合、電源コードの接続や配線取り回しなどがなくなるコードレスのものがおすすめです。

ハイブリット型

定置型とハンディ型の両方で使えるようにしたのがハイブリット型です。(ハイブリット型というのは当サイトの造語です)

日立工機から販売されているCD14DFLは本体とスタンドが着脱可能となっています。

そのため、必要に応じて定置型とハンディ型の2種類の切断方法が選べます。また、定置型として使う場合でも電源を接続する必要がないので現場を頻繁に移動する際などでは非常に重宝します。

 

 

おススメのチップソーは?

鉄工用チップソーは販売店などに聞いても「これだ!」というメーカーを聞きません。あまりどこの物でも大差はないようです。おすすめ等あればいつか書き足します。

鉄工用チップソーのサイズはハンディ型が125mm、定置型が165mm、190mmが一般的です。

チップソーは切断砥石の様に自生作用がないため、超硬チップが消耗した時点で切断できなくなります。超硬チップを研いで再利用する方法もありますが、手間がかかるため一般的には新品のチップソーを買いなおした方がいいようです。

 

チップソーカッターまとめ

使える材料 鉄・ステンレス
使える形状 金属棒・パイプ・アングル材・板金
適さない形状 ワイヤー
利点 ディスクグラインダーより安全・切断が速い・火花があまりでない
欠点 チップソーの単価が高い・消耗が早い
総合評価(最大★5) ★★★☆☆

 

鉄を切る道具(1):幅広い用途に使える【ディスクグラインダー】
鉄を切る道具(2):鉄パイプやアングル材を切断するならこれ【高速切断機】
鉄を切る道具(3):切断速度が速く面も焼けない【チップソーカッター】
鉄を切る道具(4):パイプ切断や解体作業に最適【セーバーソー】
鉄を切る道具(5):切断音も切りくずも少ない【バンドソー】
鉄を切る道具(6):板金加工や窓抜きに!【ニブラ】
鉄を切る道具(7):板金切断の専用工具!【シャー】
鉄を切る道具(8):寸切ボルト専用カッター!【全ネジカッター】