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2021年6月21日

SnapFresh BBT-POB04 充電式インパクトドライバをレビュー&チェック

SnapFresh BBT-POB04 充電式インパクトドライバをレビュー&チェック

海外電動工具ブランドSnapFreshから充電式インパクトドライバ BBT-POB04を提供頂きました。

「製品分解写真を掲載したり良いレビューは書かないかもしれないけども良いか?」と確認したところ、「問題ない」との回答を頂いたので、今回は海外低価格電動工具ブランドの製品がどのようなものか見てみます。

SnapFreshとは?

SnapFreshは2019年に設立された電動工具ブランドです。

中国を拠点に設立されたブランドで最初に米国の電動工具市場に参入、その後ドイツ・イタリア・フランス・スペイン・イギリス、そして日本にも事業拡大も進め、ネット通販サイトを中心に展開を行っています。

SnapFreshは共通の電動工具用バッテリーによる製品展開行われ、バッテリーで使いまわせる充電式工具を各種展開しています。

日本市場ではインパクトドライバ・レシプロソー・ブロワの3製品が共通バッテリーで使用できるようになっており、今後も精力的な製品展開が行われる予定です。

輸入事業者はトヨバンク株式会社

SnapFresh電動工具を取り扱う輸入事業者はトヨバンク株式会社(兵庫県姫路市)です。

サポートは海外事業者のSnapFreshが行っていますが、電気用品安全法および製造物責任法上の責任者はトヨバンク株式会社です。このようなサポートを担う企業と法令責任を負う企業の分離は海外輸入販売品に多く見られます。

初期不良対応や一年保証対応はSnapFresh側で対応されますが、製品の品質欠陥に起因する重大な人的・財的損害が発生した場合、製造物責任法上の求償を求める相手はSnapFresh側ではなくトヨバンク株式会社になる点に留意しましょう。

使用感は至って普通、サイズ相当のインパクトドライバ

早速、SnapFreshの充電式インパクトドライバ BBT-POB04を見てみましょう。

海外ブランド電動工具や国内ホームセンタープライベートブランド電動工具はノウハウやフィーリングなどの部分を除く技術的な面で言えば、10年前くらい前の国内電動工具メーカーと同等の水準に達しています。

このBBT-POB04もそれらの電動工具と同じく、DIY用途であれば十分実用に耐えうる仕様を備えています。国内メーカーの製品で例えるなら、2010年代の初頭に発売されたマキタ M695D日立工機 FWH14DSALに近い仕様の製品です。

プロフェッショナル用途だと耐久性に少し難がありますが、DIYや軽作業用途であれば十分に使える仕様を備えています。

使い方やパワーについても、他社の同サイズ低価格帯のインパクトドライバと大きな違いはありません。

品名BBT-POB04
最大トルク150N・m
最大回転数2,200min-1
最大打撃数3,000min-1
動作電圧20V
重量2.2kg
寸法7.0×18.5×22.0cm
付属品バッテリー・充電器・ソフトケース・フック
付属ビットプラス:#1, #2
ポジドライブ:#1, #2
マイナス:4mm, 6mm
ソケット:6mm, 8mm, 10mm, 12mm

もうすこし細かい部分まで見てみる

インパクトドライバそのものの使い勝手は他社や国内電動工具ブランド低価格品と同じ感じの製品です。

そこで、今回の記事では法令適合や製品品質の面に着目して検証を進めてみることにします。

パッと見だと低価格ながら品質の良さそうな電動工具に見えますが、細かい部分まで見ると価格相応と感じる部分も多く見受けられます。

バッテリーパックはPSE適合、全セル監視もあり

最初に確認するのはリチウムイオンバッテリーのPSEマークの有無です。

リチウムイオンバッテリーを搭載する機器は、2019年2月1日から電気用品安全法(PSE法)の規制対象となり、「PSEマーク」を表記する製品以外の製造・輸入・販売は禁止されています。

バッテリー裏側のラベルにはPSEマークと輸入事業者の表記を確認できました。電気用品安全法のPSEマークの表記基準に問題ありません。

バッテリーを開封して保護基板を確認すると、全セルの電圧を監視するパターンとリチウムイオン監視IC等の電子部品を確認しました。過充電等に対する保護機能を搭載していると推測されます。

オペアンプ, FET, サーミスタ, シャント抵抗, IC(マイコン?)等のリチウムイオンバッテリーパックに求められる最低限の電子部品は搭載されている。

保護動作は未確認ですが、マキタ互換バッテリーに採用されている保護基板よりは良い保護機能が搭載されていると考えられます。

バッテリー電圧の20V表記について

SnapFreshのバッテリー電圧は20Vと記載されていますが、リチウムイオンバッテリーの実効電圧は1セル3.6V-3.7Vです。この1セル4Vの表記は米国市場に準じた表現です。

20Vは満充電電圧を表しており、これは他社の18Vリチウムイオンバッテリーの満充電電圧も同様です。実際の動作電圧が高いわけではないので注意しましょう。

リチウムイオンバッテリーの充電直後の電圧は4.0V前後になる。米国では満充電電圧を表すこともあるが日本では実効値の3.6V表現が一般的。
参考:HiKOKI 2020年総合カタログ

付属のビットはサイズ不適、使用は非推奨

BBT-POB04のアンビル穴はビットくびれ長12mmに対応する深さです。そのため国内で販売されているビットをそのまま使用できます。

ですが、付属しているビットのくびれ長9mmの短いビットなので注意しましょう。

(上)SnapFrash付属ビット、(下)anex 龍靭ビット

付属のビットを装着してねじを締め付けると、スチールボールがビットを受けて、ビットが外せなくなったりスチールボールが変形する原因になります。

押し込み力が必要なコーススレッドの締結作業では別売りのビットを使用しましょう。

モータの整流火花は少し大きめ

ブラシモータは原理上、ブラシの部分から火花が発生します。

BBT-POB04に搭載するモータは、無負荷時でも3~4号程度の整流火花が発生します、国内ブランド電動工具のモータと比較すると火花が大きく、コンミテータの粗度は悪いのかもしれません。

この辺りは、低価格な中国生産品であるのとコピーモーターの価格性を考えれば妥当な部分です。

大きい整流火花の発生はカーボンブラシの寿命に影響を与えますが、DIYで使うなら実用上の寿命に問題はないでしょう。ウッドデッキを4~5回作るくらいの寿命はあると考えられます。

ただし、整流火花が大きいことに加えハウジングのモーター風穴が大きいので、モータに異物が浸入しやすいドリルビットを使用した穴あけ作業などは控えた方が良いでしょう。また、グラインダやチップソーカッターを使った鉄工作業場の近くに置くと、鉄粉が入り込んでモーター始動不良の原因に繋がります。

モータの品名はRS-775S。モータ品名の記載はマブチモータ機種表示に準じている。

ハンマケースの保持強度に懸念点

ハンマケース固定部分のネジを一本抜いてみると、ねじそのものが細く、かかっているネジ山の数も5山程度と浅い印象を受けました。

モーターの寿命より前に壊れるとするなら、このハンマケースを固定しているネジ山部分になると予想されます。

DIY向けの製品なので、タイヤ交換あたりの負荷なら問題ないと思いますが、ソケットレンチを付けて単管をガンガン締め付けたり足場を組み立てたりする作業に使用するのは避けた方が良さそうです。

ハウジングのエラストマ二層成型部分は価格相応

射出成型機で成型したそばから部品を組み込んで組み立ててラインに流しているのでしょうか。ハウジングのエラストマ同士がくっついていて、ハウジングを開ける時にもう片方のエラストマに引っ張られて剥がれてしまいました。

エラストマそのものの密着も全体的に少し甘く、境界部分に少し爪を食い込ませただけで剥がれてしまいます。直射日光の当たるところや温度変化の大きいところで保管すると、エラストマが剥がれる可能性もあります。

エラストマそのものもマキタ・HiKOKIとの比較すると若干硬く、手に持った時に硬さを感じます。ただし硬くても実際の使用には問題ありません。

良くも悪くも価格相応、コストパフォーマンスは優秀

重箱の隅を突くようなレビュー内容になってしまいましたが、今回のSnapFreshブランド電動工具を総括すると「DIY向けなら問題ない」と評価できます。

製品の細かい点まで見てしまえば価格相応な点はいくつかあるものの、ねじを締付ける作業だけを考えるなら概ね問題ない製品と考えられます。製品のコストパフォーマンスだけを考えるなら優秀な電動工具ブランドです。

海外ブランドの電動工具で問題となるのは、性能的な面ではなく、法令への不適合や消費者保護の軽視・アフターサポート不備のようなコンプライアンス的な部分が大きな割合を占めます。

SnapFreshブランドの電動工具は、電気用品安全法も概ね正しく運用されており、輸入事業者も明記されているため、万が一の製品の品質欠陥に起因する重大な事故が発生した場合でも対応することは可能です。

アフターサポート面に関しては、メール対応による新品交換のみで修理部品等も一切提供が無いため「トラブルを知識や行動力でカバーできる方」「国内メーカーほどのアフターサービスが不要な方」「故障したら割り切れる方」におすすめな電動工具ブランドと言えるでしょう。

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