【レビュー】3Dプリンタ HICTOP 3dp-20

2013年頃から始まった3Dプリンタブームですが、ここ最近ではブームの終焉により縮小傾向にあるというメディア報道も目立つようになってきました。

しかしながら3Dプリンタ関連のオープンソースプロジェクトもある程度成熟し、ブーム最盛期の頃と比べれば3Dプリンタ本体の価格も落ち着いた感じもしたので、安価なReprapプロジェクトのクローン3Dプリンタを購入することにしてみました。

3Dプリンタ HICTOP 3dp-20を購入しました


「新機種」HICTOP 3Dプリンター Reprap Prusa i3 DIYキット未組立 最大印刷サイズ 300*300*400mm アルミニウム 0.2KGフィラメント付属 3dp-20 Creality CR-10

名前がややこしくてどれが型名なのかわかりにくいですが、3dp-20が型名のようです。長ったらしい名称はオープンソース3DプリンタReprapプロジェクトのPrusa i3に連なるクローン3Dプリンタである、という意味のようです。

この3Dプリンタを購入した理由は、最大造形サイズが300×300×400mmとこの価格帯の中で一番大きかった事、最小積層ピッチが0.05mmと性能面でも申し分ないことがポイントでした。

組み立ててみた

3dp-20は非常にシンプルに構成されており、Z方向に移動するバーをボルト締めするだけで完成してしまいます。あまりにも組み立てが簡単すぎるので配線の方が手間かもしれません。

 

梱包を開けたところ。殆どの部品が半組立状態となっており、縦方向に移動するバーをボルト止めして配線するだけで完成する

Z軸バーの組立①。裏返してM6ボルトで固定する。

Z軸バーの組立②.側面に補強用のT字金具を取り付けてボルトとナットで固定する。これで組立自体は完成する。

最後にコントローラとプリンタを配線して完成。コネクタ形状は全て同じで間違えやすいので、ケーブルのラベルを確認しながら適切な配線を行う

残念ながら組立中に付属しているボルトが1本欠品していることに気づきました。ボルト1本くらいなら動作に支障はないでしょうが、フレームの合成が下がると造形品質に影響してしまうので、手持ちのプラスネジのM5ネジで代用することにしました。

テストプリント

付属のSDカードにはPDFマニュアルと共にテストプリント用のgcodeデータが入っています。このデータを指定するとHICTOPのロゴマークがプリントされます。

なぜか記念すべき1発目の初回プリントの途中からずれてしまい糸くずだらけになってしまいました。これは脱調と呼ばれるモーターの座標軸がずれてしまう現象のようで、過負荷や振動などで発生することがあるようです。2回目以降は脱調しなくなったので、とりあえず気にしないことにしておきます。

途中から造形が崩れたので急いで停止させた。脱調と呼ばれる現象により造詣が失敗することもある

テストプリント中に気づいたことですが、底面の造形を綺麗に行うにはヒートベッドの高さ調整をしっかりと行う必要があります。ヒートベッドのガラスは過熱時に膨張して歪むのでその分も考慮したほうがいいでしょう。

STLフォーマットからプリント

テストプリントが上手くいったので次はSTLフォーマットの3Dモデル使ってプリントしてみます。STLとは3Dデータを表すファイルフォーマットの1つで、3Dプリンタでは3Dデータを表す標準フォーマットの1つになっているようです。3Dプリンタで実際に造形を行う場合はSTLフォーマットを元にGCODEと呼ばれる3Dプリンタを制御するコードに変換する必要があります。

3dp-20では付属のCuraと呼ばれるスライサーソフトを使ってSTLフォーマットをGCODEコードに変換します

造形の元となるSTLデータはCADソフトなどでモデリングするのが一般的ですが、今回は手早く済ませるために公開されているフリーの3Dオブジェクトを使います。今回は3Dオブジェクトの海外フォーラムの1つであるThingiverseから仏陀像の3Dモデルを造形してみることにしました。

プリントしている途中。Curaの造形設定はマニュアル指定のまま造形している。中身の空間は格子状に充填されている。

元がSTLフォーマットのデータも問題なく造形できた。今回造形した仏陀像は元のオブジェクトより大きく指定して高さ150mmほどにしたが、この3dp-20はさらに大きく指定して造形することもできる。

まとめ

まだまだ敷居の高い感じがする3Dプリンタですが、現在では3Dプリンタに関連したオープンソースプロジェクトもある程度成熟してきており、各種ツールも日本語化されています。またCADの知識が全くなくとも出力できる3Dデータも大量にあるため、誰でも簡単に3Dプリントを楽しめるようになっています。

3Dプリンタ自体は前々から購入しようと考えていて、当初目をつけていたのはMAESTRO ATOM2.0だったんですが、価格が30万と非常に高かったので購入を躊躇していました。品質自体はATOM2.0の方が高そうな気がしますが、今回購入したHICTOP 3dp-20は造形品質も高く、この価格帯としては大きな造形もできるので非常に満足しています。

組立も非常に簡単なので、手先の不器用な人でも楽に組立られるような3Dプリンタだと思います。「組み立てに自信がないけど完成品は高すぎる」なんて人にはおすすめの3Dプリンタです。