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2024年3月12日

マキタ 今後の新製品・販売候補製品をチェック【2023年秋編】

マキタ 今後の新製品・販売候補製品をチェック【2023年秋編】

本記事は、株式会社マキタ及び関連会社が保有する産業財産権の情報を解説・紹介するものであり、新製品発売や企業動向を保証するものではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。

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18V充電式シリーズ 機能拡張アダプタ

18Vシリーズの電動工具の機能を拡張するアダプタに関する特許です。

工具本体とバッテリーの間にアダプタを挟むことで、工具の動作を拡張できるようです。拡張する機能としては、ドリル使用時のキックバック状態を検出して工具の動作を遮断させる動作などが想定されています。

アイデアとしては良いのかもしれませんが、この手の拡張アクセサリは使い勝手が悪化する致命的な欠点があり、価格的にも高くなることが見えるため普及は難しいと考えています。

近い顛末としては、ゲーム産業で例えるところのセガ スーパー32Xなオチが見える気もするので、普及性と安全性確保を両立するなら下手に古い製品を拡張する方面は諦め、素直に加速度センサ全製品標準搭載を進めた方が良いと考えています。

80Vmax 充電式ハンマ

2021年に出願していた80Vmax(?)シリーズの充電式ハンマの続報です。

本製品は、28~30mm径の6角シャンクを採用する大型の充電式電動ハンマと予想される製品です。

前回の特許意匠図と比べバッテリーを覆う面積が増えおり、防じん性能を挙げたデザインとなっています。あとは細かい部分のデザインも変更されているため、製品開発自体は試行錯誤しながら継続的に行われているようです。

電源方式は特許から読み取ることはできませんが、40Vmaxだとバッテリー1本で動かしたときに重量バランスが崩れてしまうため、2本装着が必須の80Vmaxになるのではないかと予想しています。

40Vmax 充電式ウォールチェイサー

日本ではあまりなじみのない電動工具 ウォールチェイサーの40Vmaxモデルです。

ウォールチェイサーとは、石材に溝を付ける切削工具の一種です。2枚以上のダイヤモンドカッターを装着して回転させることで一回の作業で幅の広い溝を付けることができます。

40Vmaxの高出力性能と大容量バッテリー仕様を活かした製品になりそうですが、通常の充電式グラインダーでもコンクリート筋付けが1充電作業量10mほどなので、ウォールチェイサーを充電式モデルにしても5mくらいの作業量しか確保できないのではないかと想定しています。

作業態勢の関係上バッテリー位置も本体上部にあるようなので、重量面でも厳しい製品になりそうです。

多段連結式充電システム構想

充電器を連結し、複数多種類のバッテリーに対応できる充電システムの構想です。

特許内にはUSB PD給電を受けて動作する想定についても記述があるため、専用ACアダプタの他にUSB PD充電器による動作も想定しているようです。

個人的な意見としては、USB PDは拡張規格のPPSがあるので、連結構造によるDCDCコンを入れることはコスト増の要因になりかえって邪魔になるのではないかと考えています。PDに対応する想定があるなら、普通に複数口のType-Cコネクタを備えるUSB PD充電器を使って充電する用途が無難でしょう。

汎用給電規格のUSB PDに関するアダプタを作るのであれば、初手製品の段階で余計なことは一切行わず、最大48V-5Aで動作するEPRへの対応と定電流動作を含む拡張規格であるPPSを搭載するシンプル回路なUSB PDマキタ充電アダプタを作ってくれればそれで十分だと思っています。

マキタ 土間スラブ用 充電式鉄筋結束ロボット

以前紹介した、土間スラブ用の充電式結束ロボットの続報です。

鉄筋結束ロボットは建築業界における密かな技術革新分野となっていて、昨今の職人不足や低賃金化の対応として世界各国の電動工具メーカーやベンチャー企業で開発が進んでいる製品です。日本国内においては、建ロボテック株式会社(香川県)のトモロボが先行しています。

トモロボはマックスの鉄筋結束機を後付けする方式であるため、専用設計であるマキタ鉄筋結束ロボットに一瞬で追いつかれるとも思ったのですが、大容量ワイヤー供給システムNTTとの遠隔操作実証などの分野で先行が進んでおり、技術的な面で先行優位の状況は続くものと想定しています。

メカ開発的な方面はともかくとして、マキタはIT分野に関わる製品開発が致命的なまでに弱い印象なので、クラウドやIoT領域に進出されると、例え本製品の開発が完了しても市場的な優位性を見出すことは難しくなるのではないかと想定しています。

マキタ 18V充電式トルクレンチ

トルクセンサを内蔵する充電式トルクレンチです。

電動工具側で締付トルクを検出できるので、別途トルクレンチを用意する必要が無く快適な締付トルク管理作業を行えるのが特徴です。

また無線通信機能やNFC(近距離無線通信)も備えているので、スマホによるプリセットや作業帳簿などを自動で付けるような機能にも対応できそうです。

個人的には、Milwaukeeが2019年に発売したM12 Fuel Motorized Digital Torque Wrenchのような一般ユースでも使える電動トルクレンチを期待しているのですが、製品外観的にはマキタが産業向けに販売している電動トルクレンチ DFL650Fが同じような形状をしているので、そちらの特許出願に過ぎないのかもしれません。

Milwaukeeが2019年に発売したM12 Fuel Motorized Digital Torque Wrench(日本未発売)
欧米地域のマキタで販売している18V 3/8″ Square Drive Precise High Torque Angle Wrench DFL650FZ
これは工場などの産業向け製品なので一般向け販売は行われていない。

40Vmax 充電式ベルトサンダ

マキタは40Vmaxバッテリーで動作する充電式のベルトサンダの開発予定があるようです。

この分野では、HiKOKI SB3608DAが独壇場の製品でしたが、ついにマキタも製品開発を始めたようです。

特許意匠図を見る限りバッテリーとハンドルの位置が気になるところですが、このままのハンドル位置だとバッテリー着脱に干渉してベルト端部よりも前面に出ているのが作業の邪魔になるので、流石にこの部分は可動ハンドルになっているようです。

製品全体の意匠図は40Vmaxバッテリー仕様として描かれているのですが、特許内の解説で描かれている図20のバッテリーは18Vバッテリーなので、もしかしたら18V仕様も同時発売する構想があるのかもしれません

<商標> 40V新ロゴ

マキタは2022年9月に新しい商標 40Vを出願しています。

本来、このロゴは40Vmaxを表していたロゴでしたが、max部分を削除して新たに出願した意図は不明です。

推測としては、互換バッテリーによる類似表記の防止、将来帝に定格電圧4Vや5Vのバッテリーが登場しmax表記が不要になった時の対応策と予想されます。

海外表記である”XGT”で統一しておけばよかったのでしょうが、国内競合HiKOKI マルチボルトの手前色々と複雑な事情があったのだろうと思っています。

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