【電動工具紹介】木を切る道具(3):木材切断の万能工具!金属も切れる【マルチツール】

マルチツールは最近開発された一番新しい形の電動工具です。マルチツールは今までの電動工具で行いにくかった作業を、簡単に行うことが出来る工具です。

主に切断作業に使われる電動工具ですが、先端のブレードを変えれば剥離や研磨などにも活用できます。

マルチツールとは?


BOSCH(ボッシュ) 18Vバッテリーカットソー GMF18V-EC

マルチツールとは名前の通り、1つの工具で切断・剥離・研磨などの様々な作業を行う事の出来る電動工具です。2014年頃にBOSCHから発売され、その後にマキタ日立工機などからも発売されました。

通常の電動工具は主に回転運動や振幅運動によって作業を行いますが、マルチツールは振り子運動による振動によって作業を行います。振動による作業はキワ切りや窓抜き・シーリング材の除去に適しており、いままで手作業でしかできなかった作業がマルチツールで済むようになりました。

イメージ的には超音波ナイフの周波数が低くなり出力が大きくなったものと考えてもらえればいいと思います。

替えのブレードも様々な材質・形状のものがあり、木工・金属・タイルなど様々な材料に対して適切な作業を行うことが出来ます。

また、マルチツールは回転工具などにありがちなキックバックや巻き込みが発生しないため、非常に安全性の高い電動工具となっています。

BLACK&DECKERからも同名マルチツールという電動工具が発売されていますが、それは別の工具なので注意しましょう。

マルチツールでできることは?

上の写真はマルチツールの代表的な作業例ですが、マルチツールはその名の通り1つの工具で様々な作業を行うことが出来ます。これ以外にもブレードを交換するだけで様々な作業に活用することが出来ます。次の項目ではマルチツールならではと言える作業について解説していきます。

切断(角切り抜き・窓抜き・キワ切り)

切断用のブレードを取り付けると木や金属の切断が出来ます。

マルチツールで切断作業は入隅やキワの切り込み・窓抜き作業などに適しており、床と同じ高さで切れ込み作業ができるなど、今迄の電動工具では行いにくい作業ができるようになっています。

また、窓抜き作業もセーバソーなどと比べて小型で開けやすく、小さな穴を空けるのに適しています。

一見、万能に見えるマルチツールでの切断ですが、丸のこやレシプロソーなどに比べると切断能力は大きく劣っているため、主に造作や内装の合わせ作業などに使われます。

剥離(コーキング剥がし・シーラー剥がし・ボンド除去)

今まで剥離作業に使う工具と言えば剥離機(クリーパー)のみでしたが、マルチツールは剥離作業も行うことが出来ます。

マルチツールの場合、他の工具と異なり振動によって作業を行うため、スクレーパータイプのブレードを使えば、相手材を傷つけずに接着剤を剥離させることが出来ます。

研削(接着剤削り・タイル目地削り)

マルチツールはディスクグラインダーと同じように研磨作業も行うことが出来ます。

研磨作業時の使い方はグラインダーとほぼ変わりませんが、マルチツール独特のブレード形状は角やスミの部分までしっかりと研磨できるのが特徴です。また、振動による研磨であるため削りすぎるという事がありません。

サンドペーパーでの研磨も三角形の頂点の部分をうまく使えば、角の部分までしっかり研磨することが出来ます。

タイルの切り込み作業時にもグラインダーよりも粉塵が飛び散らないため、清掃の手間も少なく済みます。

マルチツールの主なメーカーはBOSCH・マキタ・日立工機

2017年の日本での主要な電動工具メーカーではBOSCH・マキタ・日立工機の3社がマルチツールの取り扱いを行っています。

この3社はOIS規格というBOSCH規格のマルチツールブレードを採用しているため(BOSCH最新モデルは除く)ブレードが共通となっています。

BOSCH GMF18V-28


BOSCH(ボッシュ) 18Vバッテリーマルチツール(カットソー) GMF18V-28

マルチツールを考案したBOSCHのコードレスマルチツールです。

GMF18V-28の特徴は、後述するSTARLOCKブレードに対応している事と、簡単にブレードの取付・取外しができるスナップインシステム、そして別売りアクセサリーが豊富な事です。

別売りアクセサリーには、切り込み深さを調整できる深さゲージアダプターと、削り屑を吸じんすることのできる吸じんアダプターがあります。

もう一度念のためですが、このGMF-18V-28はSTARLOCKブレードに対応しており、現行のOIS規格のブレードを取り付ける事が出来ないので注意しましょう。

マキタ TM51DZ


マキタ 充電式マルチツール 本体のみ 18V TM51DZ

マキタのTM51DZは特徴となる機能は搭載されていないようです。一応、集じんアタッチメントの取り扱いがある程度です。

日立工機 CV18DBL


日立工機 18V コードレスマルチツール 充電式 蓄電池・充電器別売り CV18DBL(NN) 本体のみ

日立工機のマルチツールCV18DBLの特徴は変速を自動で行う自動変速モードの搭載と、全長が307mmと他社のマルチツールより小さいことです。

ただ、日立工機のマルチツールには集じんアダプター等のアクセサリーがありません。

ブレードはOISという名前で規格化

マルチツールのブレードはOISという名前で規格化されており、パッケージにこのロゴが表示されているかOIS互換と書いてあれば、どのマルチツールにもブレードを取り付ける事が可能です。

また、マルチツールの類似工具にテレビ通販などで見かける「カッティングソー」という製品があります。マルチツールとカッティングソーのブレード形状は非常に似ていますが、取り付け部分の形状が異なるため注意しましょう。

また、海外製のブレードはメーカーによって取り付け形状が異なっているため、海外通販などでブレードを買う時は注意が必要です。

今では純正以外のOISブレードもあるので価格もお手軽


EZARC 12点マルチツール 替刃 セットマキタ 日立 ボッシュ カットソー 先端工具

マルチツールという電動工具が発売されて間もないころは、メーカー純正のアクセサリしかなく、ブレード1枚当たりの単価も高く中々手が出しにくい消耗品でした。

現在では、様々なメーカーからOIS規格互換のブレードが販売されるようになり、価格も十分に安くなりました。それでも、切断砥石程気軽に使えるものではないですが、何本か使い潰してもそこまで痛い出費にはならなくなったと思います。

ただ、ウェブ通販のレビューページなどを見ていると、たまにブレードの耐久性が低いものもあるようなので、使い方などに注意が必要です。

後継のSTARLOCKブレードも展開中(BOSCHのみ)

発売されて間もないマルチツールですが、既にOISの後継となるSTARLOCKブレードが展開されています。このSTARLOCKブレードは、現行のOISブレードとは一部互換性がありません。

STARLOCKはマキタ・日立工機のマルチツールと互換性があるようですが、最新のBOSCHマルチツールではOISに対応していないようです。また、STARLOCK PLUSとSTARLOCK MAXについてはOISと互換性がなく、STARLOCK専用のマルチツールと必要とします。下図がBOSCHから提供されている互換表です。

また、STARLOCKの拡張であるSTARLOCK PLUSとSTARLOCK MAXは性能が大幅に向上しており、切断スピードが大幅に向上しているようです。特にSTARLOCK MAXについては全ネジや鉄筋切断まで可能だそうです