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2020年4月17日

EAGLEで自作ライブラリを作る:後編【3Dモデル Library.io編】

EAGLEで自作ライブラリを作る:後編【3Dモデル Library.io編】

回路設計を行う場合、電子回路を収めるケースとの干渉を避けたり、回路の最適配置を行うため、パターン図のデータをもとに基板の3Dモデルを生成して、筐体設計に繋げる場合があります。

基板の3Dモデルを作るには、部品ごとの3Dモデルが必要になります。これらの3Dデータはパーツライブラリの中に格納され、基板にガーバーデータの生成時に基板のデータと組み合わせて3Dモデルとして出力されます。

電子回路も3Dモデル化、設計効率化と小型化を実現

現在の電子回路設計は、メカ設計側(または回路設計側)が回路収納スペースの大まかな要求を行い、その寸法に合わせた回路設計を行う方式が主流です。

しかし「小さく・軽く・高機能で・効率的に」電子回路を搭載する製品設計を行うには、電子回路と機械設計側が協調した効率的な設計プロセスが欠かせません。

最近の設計ツールには様々な機能が搭載されており、個人規模の開発環境でも電子回路CADとメカ設計CAD間のデータ連携が強化されており、エレキ側の設計とメカ側の設計を活用した「エレメカ協調設計」も使用できるようになっています。

モデリングは省略して「GrabCAD」等のサービスを活用

電子部品の3Dモデルを作るには、データシートや実測などを行って3Dモデルを作成する必要がありますが、汎用的な形状の電子部品であればEagleのライブラリやWeb上のフリー3Dモデルを活用して、この工程を省略する事ができます。

今回使用する3Dモデルライブラリサイト「GrabCAD」プロのデザイナー、エンジニア、メーカー、学生などがCADデータを公開したり、意見交換するための無料プラットフォームです。

今回は電子部品の3Dのダウンロードに使用しますが、それ以外の様々な3Dモデルも配布されています。

外部リンク:GrabCAD: Design Community, CAD Library, 3D Printing

例:2SC1815自作ライブラリに3Dモデルを適応

今回は、3Dモデル適応の1例として2SC1815の自作ライブラリに3Dモデルを導入してみます。自作3Dモデルを関連付けて、3D CADに回路図をエクスポートするまでの一連の流れを解説します。

パッケージ名は電子部品のデータシートに記載されているので、データシートからパッケージの仕様やサイズを確認します。

大体の電子部品はパッケージ形状が業界で統一されている製品が多く、今回使用するトランジスタの2SC1815もパッケージTO-92と呼ばれる汎用パッケージが使われています。

①3DモデルSTEPデータを探す(自分でモデリングしてもOK)

先ほど紹介した「GrabCAD」からTO-92の3Dモデルを検索します。実際の実装形状に合わせて様々な3Dモデルがあるので、どの様に部品を実装するのか想像しながら3Dモデルを決定します。

3Dモデリングに自信がある方や、少し特殊な実装を行う場合、特殊形状のパッケージを使う場合などには、自前で3DモデリングしてSTEP形式でエクスポートすればOKです。

3Dモデルの形式は、STEP形式のデータがあるものを選びます。

Eagleのtransistorライブラリの中にTO92パッケージは存在するので、今回は少し変わった形状のTO92モデルを使用する。3Dモデルを使えばDIP部品の実装形状まで自由に変更できる。
モデルの単体ページをスクロールすると「Download Files」ボタンがあるのでクリックする

②Library.ioにライブラリをアップロード

3Dモデルを入手したら、Eagleの自作ライブラリに取り込んでフットパターンとの関連付けを行います。

ここで注意点ですが、Eagleパーツライブラリと3Dモデルの関連付けはローカル環境ではなく、クラウド環境のAutodeskオンラインパーツライブラリLibrary.ioで行う必要があります。

なお、Library.ioにアップデートしたライブラリをEagle側で操作した場合には、再度この作業を行って同期をとる必要があります。

2SC1815が登録されたパーツライブラリを例に解説
[Library]メニューから[Create managed library…]を選択する
[Create managed library]ウィンドウが開くので、右下の[Create]ボタンをクリック
アップロードが完了すると、完了の通知とアップロードしたライブラリのLibrary.ioアドレスが表示される。[View on Web]ボタンを押してLibrary.ioにアクセスする。

③STEPファイル(3Dモデル)をアップロード

Library.ioではブラウザ上でライブラリの確認や編集ができる。
Library.ioの[3D Models]タブをクリックして[Upload 3D Model]ボタンをクリックしてSTEPファイルをアップロードする。

④Packagesと3Dモデルを関連付け

[Packages]タブをクリックして、自作ライブラリの[TO92]パッケージをクリックする
TO92パッケージの選択画面が開くので、右下の[Edit]ボタンをクリックしてパッケージ編集を行う
3Dモデル未定義の状態では、四角形の3Dモデルが自動適用されるので、このモデルを削除する。モデルを選択して右の[Package Inspector]内の[Remove 3D Model]ボタンをクリックする
右上の[Add]メニューから、先ほどアップデートしたSTEPデータを選択する
3Dモデルが挿入されると、[Package Inspector]で位置調整できる
位置調整は[Package Inspector]での数値入力の他、モデル上にある3色のバーでも調整できる。
なお、3Dモデルの接点とフットパターンがずれている場合、モデル修正やフットパターン修正が必要になる。
位置調整が完了したら、右上の[Unsaved]ボタンを押して、[Version History]メニューを表示させる。[Create aversion]ボタンを押して、このバージョンを保存する。
保存が完了すると新たなバージョン[Version3]が生成される(この数値は保存回数ごとに増える)。保存が完了したらこのウィンドウを閉じる。
パッケージの選択画面に戻ると3Dモデルが適応されているのが確認できる。サーバーやキャッシュの状態によっては画面が更新されない場合もあるので注意。その場合は次の工程に進む。

⑤ローカル側のEagleでモデル・ライブラリ更新

Library.io側での操作が終わったら、Eagleに戻ってLibrary.io上のデータと同期します。

3Dモデルを適用したパッケージを右クリックして[Update to latest version]を選択する。

自作ライブラリを使って回路基板の3Dモデルを出力する

ここまで完了したら、ライブラリに3Dモデルが適応できたのでガーバーデータの3Dモデルを出力すればパーツも3D化されて出力されます。

ここでは、3Dモデルの適応確認と、Fusion360への出力方法を確認します。

自作ライブラリを適用して、パーツを追加する。
自作ライブラリの2SC1815を回路図に張り付ける。
ボード設計画面に切り替えて、ボード内に2SC1815を配置する。

Fusion360に3Dモデルをエクスポート

Eagle9.3.0くらいまではEagle単体でも3D出力できたはずですが、現在のバージョンのEagleでは3Dモデルがの出力ができないようです。

Eagleで作った回路パターンの3Dモデルの出力は、Fusion360の連携機能を使って3Dモデルを出力します。

右のFUSION360タブをクリックして、3Dデータの出力を行う。
[Create new Fusion360 design]を選択して[Next]ボタンを押す。
パーツ毎の3Dモデル適応画面かくにんする。3Dモデルが適用できていればチェックマークが表示される。[Push]ボタンを押して、出力先のプロジェクトを選択する。

Fusion360で3Dモデルを開いて確認する。

指定したFusion360プロジェクトに基板の3Dモデルがエクスポートされるので、Fusion360を開いてプロジェクト内の回路3Dモデルを開きます。

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