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2024年8月15日

HICTOP 3dp-20(CR-10) 3Dプリンタ、300x300x400mmの大型造形対応【レビュー】

HICTOP 3dp-20(CR-10) 3Dプリンタ、300x300x400mmの大型造形対応【レビュー】

2013年頃から始まった3Dプリンタブームですが、ここ最近ではブームの終焉により縮小傾向にあるというメディア報道も目立つようになってきました。

しかしながら3Dプリンタ関連のオープンソースプロジェクトもある程度成熟し、ブーム最盛期の頃と比べれば3Dプリンタ本体の価格も落ち着いた感じもしたので、安価なReprapプロジェクトのクローン3Dプリンタを購入することにしてみました。

3Dプリンタ HICTOP 3dp-20を購入しました

Creality CR-10とHICTOP 3dp-20は同じ3Dプリンタなので各パーツや消耗品などが共通です。CR-10は海外で非常に人気の3Dプリンタで、さまざまな情報をコミュニティから入手できます。

この3Dプリンタを購入した理由は、最大造形サイズが300×300×400mmとこの価格帯の中で一番大きかった事、最小積層ピッチが0.05mmと性能面でも申し分ないことがポイントでした。

2021年現在では、3DP-20(CR-10S)の後継モデルCR-10 V2が販売されています。。

組み立ててみた

3dp-20は非常にシンプルに構成されており、Z方向に移動するバーをボルト締めするだけで完成してしまいます。あまりにも組み立てが簡単すぎるので配線の方が手間かもしれません。

梱包を開けたところ。殆どの部品が半組立状態となっており、縦方向に移動するバーをボルト止めして配線するだけで完成する
Z軸バーの組立①。裏返してM6ボルトで固定する。
Z軸バーの組立②.側面に補強用のT字金具を取り付けてボルトとナットで固定する。これで組立自体は完成する。
最後にコントローラとプリンタを配線して完成。コネクタ形状は全て同じで間違えやすいので、ケーブルのラベルを確認しながら適切な配線を行う

残念ながら組立中に付属しているボルトが1本欠品していることに気づきました。ボルト1本くらいなら動作に支障はないでしょうが、フレームの合成が下がると造形品質に影響してしまうので、手持ちのプラスネジのM5ネジで代用することにしました。

テストプリント

付属のSDカードにはPDFマニュアルと共にテストプリント用のgcodeデータが入っています。このデータを指定するとHICTOPのロゴマークがプリントされます。

なぜか記念すべき1発目の初回プリントの途中からずれてしまい糸くずだらけになってしまいました。これは脱調と呼ばれるモーターの座標軸がずれてしまう現象のようで、過負荷や振動などで発生することがあるようです。2回目以降は脱調しなくなったので、とりあえず気にしないことにしておきます。

途中から造形が崩れたので急いで停止させた。脱調と呼ばれる現象により造詣が失敗することもある

テストプリント中に気づいたことですが、底面の造形を綺麗に行うにはヒートベッドの高さ調整をしっかりと行う必要があります。ヒートベッドのガラスは過熱時に膨張して歪むのでその分も考慮したほうがいいでしょう。

STLフォーマットからプリント

テストプリントが上手くいったので次はSTLフォーマットの3Dモデル使ってプリントしてみます。

STLとは3Dデータを表すファイルフォーマットの1つで、3Dプリンタでは3Dデータを表す標準フォーマットの1つです。3Dプリンタで造形を行う場合はSTLフォーマットから更にGCODEと呼ばれる3Dプリンタを制御するコードを生成する必要があります。

3dp-20でCuraと呼ばれるスライサーソフトを使ってSTLフォーマットをGCODEコードに変換します

造形の元となるSTLデータはCADソフトなどでモデリングするのが一般的ですが、今回は手早く済ませるために公開されているフリーの3Dオブジェクトを使います。今回は3Dオブジェクトの海外フォーラムの1つであるThingiverseから仏陀像の3Dモデルを造形してみることにしました。

プリントしている途中。Curaの造形設定はマニュアル指定のまま造形している。中身の空間は格子状に充填されている。
元がSTLフォーマットのデータも問題なく造形できた。今回造形した仏陀像は元のオブジェクトより大きく指定して高さ150mmほどにしたが、この3dp-20はさらに大きく指定して造形することもできる。

まとめ

まだまだ敷居の高い3Dプリンタですが、現在では3Dプリンタに関連したオープンソースプロジェクトもある程度成熟してきており、各種ツールも日本語化されています。またCADの知識が全くなくとも出力できる3Dデータも大量にあるため、誰でも簡単に3Dプリントを楽しめるようになっています。

組立も非常に簡単なので、手先の不器用な人でも楽に組立られるような3Dプリンタだと思います。「組み立てに自信がないけど完成品は高すぎる」なんて人にはおすすめの3Dプリンタです。

現在ではCR-10後継機種のCR-10 V2 が販売されており、そちらはZ軸のボールねじが2本になることで造形の安定さが増し、フィラメント切れ防止のセンサーが追加されています

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