2013年頃から始まった3Dプリンタブームですが、ここ最近ではブームの終焉により縮小傾向にあるというメディア報道も目立つようになってきました。
しかしながら3Dプリンタ関連のオープンソースプロジェクトもある程度成熟し、ブーム最盛期の頃と比べれば3Dプリンタ本体の価格も落ち着いた感じもしたので、安価なReprapプロジェクトのクローン3Dプリンタを購入することにしてみました。
目次
3Dプリンタ HICTOP 3dp-20を購入しました
Creality CR-10とHICTOP 3dp-20は同じ3Dプリンタなので各パーツや消耗品などが共通です。CR-10は海外で非常に人気の3Dプリンタで、さまざまな情報をコミュニティから入手できます。
この3Dプリンタを購入した理由は、最大造形サイズが300×300×400mmとこの価格帯の中で一番大きかった事、最小積層ピッチが0.05mmと性能面でも申し分ないことがポイントでした。
2021年現在では、3DP-20(CR-10S)の後継モデルCR-10 V2が販売されています。。
組み立ててみた
3dp-20は非常にシンプルに構成されており、Z方向に移動するバーをボルト締めするだけで完成してしまいます。あまりにも組み立てが簡単すぎるので配線の方が手間かもしれません。
残念ながら組立中に付属しているボルトが1本欠品していることに気づきました。ボルト1本くらいなら動作に支障はないでしょうが、フレームの合成が下がると造形品質に影響してしまうので、手持ちのプラスネジのM5ネジで代用することにしました。
テストプリント
付属のSDカードにはPDFマニュアルと共にテストプリント用のgcodeデータが入っています。このデータを指定するとHICTOPのロゴマークがプリントされます。
なぜか記念すべき1発目の初回プリントの途中からずれてしまい糸くずだらけになってしまいました。これは脱調と呼ばれるモーターの座標軸がずれてしまう現象のようで、過負荷や振動などで発生することがあるようです。2回目以降は脱調しなくなったので、とりあえず気にしないことにしておきます。
テストプリント中に気づいたことですが、底面の造形を綺麗に行うにはヒートベッドの高さ調整をしっかりと行う必要があります。ヒートベッドのガラスは過熱時に膨張して歪むのでその分も考慮したほうがいいでしょう。
STLフォーマットからプリント
テストプリントが上手くいったので次はSTLフォーマットの3Dモデル使ってプリントしてみます。
STLとは3Dデータを表すファイルフォーマットの1つで、3Dプリンタでは3Dデータを表す標準フォーマットの1つです。3Dプリンタで造形を行う場合はSTLフォーマットから更にGCODEと呼ばれる3Dプリンタを制御するコードを生成する必要があります。
3dp-20でCuraと呼ばれるスライサーソフトを使ってSTLフォーマットをGCODEコードに変換します
造形の元となるSTLデータはCADソフトなどでモデリングするのが一般的ですが、今回は手早く済ませるために公開されているフリーの3Dオブジェクトを使います。今回は3Dオブジェクトの海外フォーラムの1つであるThingiverseから仏陀像の3Dモデルを造形してみることにしました。
まとめ
まだまだ敷居の高い3Dプリンタですが、現在では3Dプリンタに関連したオープンソースプロジェクトもある程度成熟してきており、各種ツールも日本語化されています。またCADの知識が全くなくとも出力できる3Dデータも大量にあるため、誰でも簡単に3Dプリントを楽しめるようになっています。
組立も非常に簡単なので、手先の不器用な人でも楽に組立られるような3Dプリンタだと思います。「組み立てに自信がないけど完成品は高すぎる」なんて人にはおすすめの3Dプリンタです。
現在ではCR-10後継機種のCR-10 V2 が販売されており、そちらはZ軸のボールねじが2本になることで造形の安定さが増し、フィラメント切れ防止のセンサーが追加されています