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2020年9月3日

応用情報技術者試験(AP)に合格した時の勉強法

応用情報技術者試験(AP)に合格した時の勉強法

毎年春秋に行われる応用情報技術者試験ですが、筆者も2015年秋試験に挑戦し一発合格することができました。今回は受験時点での筆者の情報処理スキルや合格するまでに行った勉強法などを紹介します。

応用情報技術者試験(略号AP)とは?

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応用情報技術者試験(略号AP)とは独立行政法人 情報処理推進機構が推進する情報処理技術者試験の一つです。

この試験は「高度 IT 人材となるために必要な応用的知識・技能をもち,高度IT 人材としての方向性を確立した者。」としてレベル3に相当し、高度情報処理技術者試験(レベル4)の登竜門的な試験でもあります。

応用情報技術者試験を合格すると2年間に限り高度情報処理技術者試験の午前Ⅰ問題が免除されます。(高度情報処理技術者の取得を考えているなら免除は重要です)

受験者数は年間10万人ほどで、合格率は毎年約20%ほどのようです。(→ 情報処理技術者試験:統計情報

 

習得しようと思ったきっかけ

筆者の情報処理スキルや勉強環境など

By: Matt McGee

大学は電子情報系の学部にいましたが専門分野を電子系に絞ったこともあり、応用情報処理技術者の受験時点では情報処理系の資格は何も持っていませんでした。

それでも情報処理に対する基礎知識簡単なプログラミングはできましたし、ある程度情報技術について関心はありました。

勉強時間は学生時代であれば勉強に時間を割くこともできますが、社会人ということもあり勉強時間は限られています。仕事の業務内容も応用情報の試験とは関係ないものばかりがほとんどなので、資格の勉強にはなりません。

筆者の状況をまとめると、「情報系学部出身」「専門は電子系」「勉強時間は平日退社後または休日のみ」という条件下で応用情報技術者試験に挑戦しました。

 

勉強方法

試験半年前 ~ 一か月前まで

情報処理に対する基礎知識は大学で勉強していましたが、大学を卒業して数年くらい経って忘れてしまっていたので再学習することにしました。

そのため、過去問や午後問題に取り組む前に基礎知識の覚え直しと問題の全体的な把握から始めることにしました。

参考書には成美堂出版の応用情報技術者合格テキスト’14年版を使いました。学習時間は1単元を目安に1日1~2時間ほど使い、参考書の内容をノートに写し書きして、章末の過去問などを解いていました。

が、この期間の勉強は点数にあまり影響しなかったと思います。応用情報の出題範囲は広い割に問題数は少ないので、参考書だけで広く浅く勉強すると大抵の場合撃沈します。実際、後述の午前の過去問勉強を始めたときは点数がほとんど取れませんでした。

参考書については各出版社様々なものが出ていますが、実際はどこも大差はないと思います。参考書は完全な好みで選べばいいと思っているので、別途過去問のCD-ROMが付属した参考書や見やすいフルカラー印刷のものなど、おまけ要素が気に入ったものを選ぶといいでしょう。ちなみに私が成美堂出版の参考書を選んだのは赤シートと用語小冊子がついていたためでした。

参考書を使う利点としては新問題の対策が上げられます、新技術や新しく使われるようになった用語などは過去問ではカバーできないので軽く目を通すくらいはしておきましょう。

 

一か月前 ~ 試験まで

試験一か月前には参考書の写し書きも終わったので、ここからは過去問の学習に入ります。

過去問の学習には応用情報技術者試験ドットコムWebアプリ過去問道場を使いました。応用情報の午前試験問題は過去に出題した問題がそのまま出ることもあるため過去問勉強は必須です。

一か月前からは毎日100問をめどに試験日まで過去問に取り組みます(もっと前から過去問に取り組むべきでした)。ここで午前過去問題に費やした勉強時間は大体30時間ほどです。

んで、過去問勉強の一発目がコレ↓

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参考書だけの勉強に頼るとこんな結果になります。半年近く毎日1時間以上勉強したのにこんな結果しか出せないことにかなりガックリと来ましたが、参考書だけの勉強だと実際こんなものです。

 

過去問に取り込んで10日後くらいがコレ↓。毎日過去問をやりこめば点数は着実に上がっていきます、というか問題を覚えます。

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そして試験日直前の過去問の結果↓。このように毎日過去問をやりこめば一か月くらいで八割くらい取れるようになります、これくらいになれば午前試験は突破できる可能性があります

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午後問題対策

午前試験問題は過去問だけでほぼ対策できますが、午後試験問題は出題分野を選んだり出題傾向の把握などをしておく必要があります。

結局は午後問題対策も過去問頼みになってしまいますが、試験一か月前からだと残り時間も限られているので素直に過去問を解いていくのが効率的です。

午後問題の参考書にはパーフェクトラーニング過去問題集を使用しました。午後問に費やした勉強時間は15時間ほどだったと思います。

午後問題はH27秋季試験から出題構成が変わったため、問題対策の自由度が上がったと思います。私はストラテジ系とマネジメント系を中心に勉強し、テクノロジ系は組み込みシステム開発とシステムアーキテクチャを集中的に勉強しました。

午後問題に関しては情報処理スキル・情報系の大学の出身・業務経験等によって勉強時間が大きく変わってくるものと思います。試しに適当な年度の過去問題を解いてみて簡単に解けてしまったなら午後問題に時間を費やす必要はないのかもしれません。

選択問題に対してヤマを張るのはやめましょう、必須問題の情報セキュリティを含め7項目くらいは解けるようにしておくのが理想です。

ちなみに、応用情報午後に組み込みシステム開発を選ぶ人は少ないと思いますが、プログラムが得意(特にハードウェア寄り)な方なら割とアタリな問題だと思っています。また、組み込みシステム問題は知識よりも論理的判断を問われる問題が出ているので、予備知識がなくても答えられる問題が必ず何個か出ています。

また、データベースもSQLがあるため敬遠されがちな問題ですが、過去問題とほぼ同じ傾向の問題が出題されます。SQL環境を構築して一から覚えなおす時間がなかったので私は手を付けませんでしたが。

 

まとめ

以上のような勉強法で応用情報技術者試験を突破しました。

結果は午前68点の午後64点くらいだったと思います。ちょっと際どいの点数でしたがとりあえず一発合格できたので良しとします。

午後がギリギリでしたが事前に勉強したシステムアーキテクチャの出題が勉強範囲外だったので「組み込みシステム」「ストラテジ」「ネットワーク」「システム監査」と選択したところ、ネットワークがほぼ撃沈してしいました。他の問題で平均15点取っていたために何とか合格できたようです。勉強していない項目をやるくらいなら試験時間ギリギリまでプログラミング問題と格闘してたほうがいい点数が出たかもしれません。

というわけで、応用情報技術者試験合格についてまとめると

勉強開始時期:半年前から
勉強時間:約195時間(午前問180時間+午後問15時間)
参考書:成美堂出版 応用情報技術者合格テキスト’14年版, パーフェクトラーニング過去問題集参考サイト:Webアプリ過去問道場

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験と異なり、学習分野も幅広くマネジメントなど業務的な問題も出てくるようになるので一筋縄ではいきません。

しかし、業務が情報処理系の方だったり、情報系大学卒の方であれば1~2か月前から過去問を毎日解くだけで合格できるくらいの難易度なのかもしれません(合格点はギリギリでしたが200時間も勉強する必要なかったかもしれません)。まずは午前の過去問を7割取れるようになるところから始めましょう。

とりあえず応用情報技術者を取得して午前Ⅰ免除になったので、次のステップとしてエンベデットシステムスペシャリスト(ES)取得に向けて勉強中です。

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