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目次
壁にネジを打ち込むために用意するもの
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- 石こうボード用アンカー
- ドライバー
なぜ壁にそのままネジを打ってはいけないのか?
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一般的な住宅の壁紙裏には石こうボードが張られています。石こうボードは耐火性に優れた建材でコストも安くて加工しやすい特徴を持ちますが、硬くて崩れやすいので穴あけやネジの打ち込みに対して脆い欠点があります。
石こうボードはめり込み特性が無いので釘やネジを打ちこんでも保持する力がほとんどありません。たとえネジを打ち込んでもボロボロ崩れてすぐ外れてしまいます。
そこで石こうボードとの密着性を高めてネジを確実に保持するボードアンカーが必要です。
ボードアンカーの打ち込み方・選び方を解説
石こうボードにアンカーを打ちこむ場合、注意しなければならないのが「場所」と「厚み」です。
石こうボードの裏側にはボードを張り付けるための下地に当たる場所があり、この場所だとアンカーを打ち込むことができません。ただし、下地があれば直接ねじを打ち込めるのでアンカー自体不要で、アンカーを使うよりも確実にネジを打ちこむことができます。
壁の裏の状態については下地センサーを使うことで下地の有無を確認することが可能です。
厚みに関してはアンカーごとに対応した厚みがあるので、壁紙の裏の石こうボードの厚みを確認しなければ確実な施工ができません。
石こうボードは9.5mm,12.5mm,15mm,21mmの4種類の厚みがあります。一般的な住宅では12.5mm厚が使われ、最近の住宅ではキッチンなど防火性が重視される場所で15mmが使われます。商業施設の場合には2枚張りなどもあるので、可能であれば石こうボードの厚みを確認しておきましょう。
またアンカーの種類にも形状や用途に応じたさまざまな種類がありますが、それぞれ以下のような特徴があります。
カサ式 | 引き抜き強度が高い 壁の厚みを確認する必要がある |
ねじ込み式 | 装飾性の高いタッピングネジを使用できる 一定以上の厚みがあれば良く、GL工法の壁にも使用可能 |
ちなみにアンカーを打ち込む作業解説の画像ではマキタの充電式インパクトを使用していますが、慣れていない方はハンドドライバーでの手作業を推奨します。
カサ式
カサ式は本体が金属なので耐久性が高く、石こうボード表面と裏面で同時に挟み込んで固定するので引き抜き強度に優れているアンカーです。石こうボードにアンカー打つなら多くの場合カサ式を使うのがおすすめです。
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金属のカサ式アンカーは先端が鋭く爪もついているので、下穴を開けずにそのままアンカー打ち込みが可能です。カサ式の作業例では若井産業のらくらくボードアンカーを使用します。
ネジを打ちこみたいところに先端を当てて、1~2回転/秒くらいの回転数でゆっくりと石こうボードを削りながら押し込んでいきます。
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石こうボードを貫通したら、さらに軽く押し込んで壁に爪を立てて固定した状態でさらにネジを回し続けます。
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ネジを回し続けることで、壁の裏ではアンカーの変形が発生してボードを挟み込むように縮んでいきます。
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締め込みを続けて、回転がある程度固くなってきたところで作業を完了します。この時力いっぱい回してしまったりインパクトで打撃を加えてしまうと壁を破壊してしまうので注意しましょう。
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アンカー打ちが完了した裏側はこんな感じになります。表面と裏面で挟み込んでいるのでしっかり保持できます。
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試しにマキタインパクトTD001G (1kg) + 大型バッテリーBL4050F (1.5kg)をぶら下げてみます。吊り下げ強度にも問題なくしっかりとネジ固定ができています。
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ねじ込みタイプ
ねじ込みタイプは大きなネジ山で石こうボードに食い込むタイプのアンカーです。石こうボードの厚みに気を付ければ、GL工法(コンクリート面へのボード直張り)の壁にも対応できるタイプです。
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ネジ形状のアンカーを打ち込むだけのシンプルなアンカーで、タッピングネジ(木ネジ)を使用するのが特徴です。ネジ径さえ合えば幅広いネジが使用できるので、装飾性の高いネジを使う場合にも最適です。
この作業例では和気産業のカベロックを使います。
ねじ込みタイプの場合、あらかじめ下穴をあけておきます。アンカーの種類によっては下穴なしでそのまま使用できる製品もあるのでパッケージを確認しましょう。
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ねじ止めしたい場所にアンカーを当てて、そのままねじ込みます。
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壁面の高さと同じところまでアンカーをねじ込めたら作業完了です。対応する太さのタッピングネジをアンカーの穴に打ち込みます。
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ねじ込み式を使った時のボード裏面はこんな感じ。
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こちらもマキタインパクトTD001G (1kg) + 大型バッテリーBL4050F (1.5kg)をぶら下げてみます。数キロある重量物をぶら下げてもガタツキなくしっかり固定できています。
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ねじ込み式のボードアンカーは、ボードアンカーに適切な太さのタッピングネジを2cmほど打ち込まないと保持力を発揮しないので、厚みのある固定物を取り付ける場合や付属ネジ以外のねじを使う場合には注意しましょう。