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2021年9月29日

ユーティリティナイフとは?工具の特徴を解説

ユーティリティナイフとは?工具の特徴を解説

現場で使えるタフなカッター「ユーティリティナイフ」

製品はMilwaukee FASTBACK™ Folding Utility Knife(48-22-1501)。日本非売品

ユーティリティナイフとは、欧米地域で普及している現場作業用ナイフの総称です。

日本ではオルファ式の刃折式カッターナイフが広く普及していますが、欧米では台形形状のブレードを丸ごと交換する方式のユーティリティナイフが普及しています。

刃折式のカッターナイフよりも耐久性に優れ、ブレードが厚く本体も頑丈にできているので、カッターナイフよりも荒い用途に使用できるのが特徴です。

刃先は3cm程度しか露出しないので安全性も高い。折り畳めるタイプのユーティリティナイフは携帯性にも優れるが、不用意に持ち歩いていると職質で取締の対象になる場合もあるので注意。

ユーティリティナイフに使うブレードは耐久性と粘り強さを両立しているので、紙以外にもカーペットや樹脂素材の切断にも対応します。

ユーティリティナイフのブレードは耐久性に優れているので、普通の力で折れたり変形することはない。刃を横から押し付けてもしなやかに曲がる。

ユーティリティナイフのブレードは、前後を入れ替えることで2回使用できます。切れ味はカッターナイフの1.5倍くらいの間は維持できるので、よほどの切れ味が必要でなければブレード交換を意識しなくても問題ありません。

ブレードは差し込み部分にあるロック解除のボタンを押し込むと外れる
固定レバーを押し込んだ状態で引っ張るとブレードが外れる。
ユーティリティナイフのブレードはこんな形状

刃の耐久性を生かしてボード窓抜き作業にも

ユーティリティナイフは耐久性に優れたカッターなので、ボードの窓抜き作業のような荒めの切断作業にも使用できます。

作業例として、ユーティリティナイフを使った石こうボードの窓抜きの方法を解説します。

ユーティリティナイフの刃を全部出して、墨線に刃先を合わせます。

ハンマーでユーティリティナイフの背を叩きながら、線に合わせて切り進めます。

線の終端まで切れたら、ナイフを挿し直して同じ作業を繰り返します。

全ての線に切れ目を入れたら、端材を取り出して作業完了です。

作業例では15mm厚の石こうボードを使っているため刃長が足りず切断口が少し汚くなってしまいましたが、12.5mm厚ボードなら綺麗に窓抜きできます。

作業では石こうボードを使用していますが、時間をかければ合板でも同じような窓抜き作業ができます。

ネックは替えブレード
大型ホームセンターやネット通販がおすすめ

このユーティリティナイフはカッターナイフ以上に便利に使える製品ですが、替え刃の入手性が悪い欠点があります。

ユーティリティナイフの替え刃は規格化されているので、刃とカッターでメーカーが異なっていても相互装着が可能ですが、ユーティリティナイフの替え刃そのものが一般的なホームセンターや金物屋での取り扱いが無く、大型ホームセンターや海外ブランドの工具を置いているプロショップでしか取り扱いがありません。もちろん種類も少なく、カッターナイフコーナーの隅にパッケージが黄ばんだ状態で陳列されていることがほとんどです。

国内でユーティリティナイフを使用するなら、ネット通販でブレードを購入するのがおすすめです。Amazonあたりで「SK5 blade」と検索すれば見つかるので、自分に合ったブレードを選ぶと良いでしょう。

ユーティリティナイフの本場アメリカでは特殊コーティングブレードやカーペット用の特殊刃など多種多様な替えブレードが販売されている。

ロマン溢れる現場用のカッター

ユーティリティナイフは各社凝ったデザインの製品を販売しており、通常のカッターナイフ以上に個性を出せるのがポイントです。

もちろん、コストや替え刃の入手性に関しては折刃式のカッターナイフには適いませんが。実用的には違いを感じることも無く、がっしりしたボディで本体の耐久性も高いので長年使い続けることができ、替え刃もネット通販で数を用意しておけば困ることもほとんどありません。

普段の代わり映えしないカッターナイフを使っている方などは、ちょっとした個性を出すためにユーティリティナイフを使ってみるのもおすすめです。

ユーティリティナイフまとめ

ユーティリティナイフ

替刃式の現場用カッター

良い点
  • 本体と替え刃の耐久性が高い
  • 窓抜きなどの現場作業にも対応できる
  • ブレードの種類が豊富で交換可能
悪い点
  • 国内入手性が悪い
  • 刃先が3cm程度しか出ない
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