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ブラシモーターのON・OFFを操作する【逆引き回路設計】

ブラシモーターのON・OFFを操作する【逆引き回路設計】

モーターを駆動させる回路

図の回路は、入力部に電圧をを加えた時にモーターが回転する回路です。

基本的な動作原理はリレーやLEDを点灯させる回路との大きな違いはありません。GND側にN型トランジスタを使用する駆動回路を「ローサイドドライバ」と呼ぶ場合もあります。

モーターの消費電力によっては、マイコンの出力とトランジスタ1つだけでは駆動能力が不足する場合もあるため、ダーリントントランジスタやFETなど、マイコンの出力でも大きな電流を駆動できるトランジスタを採用します。

ブラシモーターは原理上コイルを内蔵しているため、電源OFF時には大きな誘起電圧が発生してトランジスタが破損する可能性があります。この保護としてモーターと並列に還流ダイオードを追加して対策を行います。

ダイオードの電流容量はモーターに加わる電流と同等以上のスペックのものを採用します。

トランジスタを使用する場合の設計

BJTトランジスタを使用する場合は、モーターの負荷電流よりも多く電流が流れるよう余裕を持って多めのベース電流を加える設計にします。

モータ負荷電流の仕様を100mAと決めたら、トランジスタの増幅率hfeが100の場合、ベース電流を1mAとするのではなく、2~3倍余裕を持った2mA~3mAを設定します。

アプリケーションの設計例としては、5V出力のマイコンで増幅率hfeが100のトランジスタを使用するのであれば、ベース抵抗としてR1には約1.5kΩの抵抗を採用します。

\begin{align}
5V=(R1\times 3mA)+0.7V\newline
\newline
1433Ω= \frac{5V-0.7V}{3mA}
\end{align}

R2はマイコンの出力がハイインピーダンスになった場合の保護として使用する抵抗で、Raの5倍から10倍程度の値の抵抗を使用するのが一般的です。動作や効率に問題が発生する場合には調整を行います。

FETを使用する場合の回路設計

MOSFETで駆動回路を構成する場合は、MOSの特性に注意する必要があります。

マイコンの5V出力などでパワーMOSFETを十分に駆動させるには、低い電圧でもONにできる低電圧駆動品のFETを使用するか、もう一段バッファ回路を追加して、十分に高い電圧でFETを駆動させる必要があります。

FETを使用する場合は、データシートを確認し、低いVGSでも十分なIDを駆動できるか、オン抵抗はどれくらいになるか等を十分に検討する必要があります。

左図:TOSHIBA 2SK2232 右図:TOSHIBA TK20A60U
MOSFETは耐圧やオン抵抗など各種特性が大きく異なる。2SK2232ならマイコンによる5V駆動も可能だが、TK20A60Uは最高600Vの耐圧を持ちAC-DCコンバータなどに採用されるFETで、マイコンによる直接駆動を想定していない。
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