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接地電位の異なる回路で信号を伝送する、絶縁して回路通信を行う【逆引き回路設計】

接地電位の異なる回路で信号を伝送する、絶縁して回路通信を行う【逆引き回路設計】

フォトカプラによる絶縁

電位差が大きい場合や、基準電位が異なる回路間で信号伝達を行う場合に使用する回路です。電源が異なっていたり、ノイズ源から分離したい場合などにも使用します。

フォトカプラ内のLEDと受光素子によって光による伝達に置き換えられているため、電気的に完全に絶縁されています。

通信にも使用できますが、汎用フォトカプラでは概ね数kbps程度の通信速度が実用範囲内となります。I2CやSPIなどより早い伝送レートを必要とする場合にはTLP2362やTLP2368に代表される高速フォトカプラを採用します。

同相出力が必要な場合

基本回路では入力に対して出力信号が反転してしまいますが、出力側をエミッタフォロアに変更すれば入力側と同相の状態で出力を得る事が可能です。

汎用フォトカプラの場合は、フォトトランジスタ内にベース配線が無く、ベース電流は常にコレクタ側から供給されるため、エミッタフォロワでもトランジスタを飽和させることが可能です。

信号伝達を行わない場合はフォトリレーを使う

単純なON/OFFの切り替えであれば「フォトリレー」の使用も検討します。フォトリレーは数Aの電流を直接駆動できる電子部品で、メカリレーから置き換えられる比較的新しい電子部品です。

価格はフォトカプラより若干高くなりますが、フォトリレーでは負荷を直接駆動させる事が可能で、細かな回路設計も不要となるためアプリケーションによってはフォトカプラを使用する場合よりも安価で省スペースな回路構成が可能となります。

フォトカプラの回路設計例

フォトカプラを使用した回路を設計では「ダイオード側の電流制限抵抗」と「トランジスタ側の電流制限抵抗」の2つの抵抗を決定する必要があります。それぞれの値の決定には入力側・出力側の仕様フォトカプラのデータシートを参考に設計します。

今回は秋月電子で入手できる汎用フォトカプラ「TLP785」を使用して設計します。

ダイオード側の設計例

フォトカプラのダイオードを発光させる順方向電流の最大定格は60mAとなっていますが、マイコンやICの出力側の制限もあるため実際の設計仕様としては10mA前後に収める必要があります。

フォトカプラのダイオードは概ねVF1.0V前後となりますが、確実に動作させるためにデータシート上の最大値を設計の基準値とします。設計例としてTLP785を採用する場合では、VF最大値が1.3Vとなるため下記のように計算を行います。(5V回路上で使用するものと仮定します)

\begin{align}
5V-1.3V=R\times 5mA\newline
\newline
R= 740Ω
\end{align}

フォトトランジスタ側の設計

フォトトランジスタ側では出力制限抵抗を決定します。この抵抗は、フォトトランジスタがON状態となったとき十分に低い電圧を出力するために必要となります。

出力側の”L”レベルを認識できるレベルまでVCE電圧を落とせれば良いので、フォトカプラのデータシートに記載されているIC-VCE特性図を参考に抵抗を決定します。

今回はダイオード側の順方向電流を5mAとかなり厳しくしたので、あまり余裕のない回路構成となっていますが。推奨動作条件である16mAで設計すれば余裕の持った回路設計が可能となります。

IC-VCE特性図を確認にする。出力側を10V回路とする場合は、始点をVCE軸の10Vとする。終点をIC軸の最大電流値と設定して直線を描き、ダイオードの順方向電流の交点がトランジスタがオンになったときのVCEの電圧値となる。
RLを500Ωとした場合(左図)には、トランジスタがONの状態でもVCEが4V程度となってしまう。(右図)1kΩにすれば0.6V程度になり”L”信号となるが、より確実な”L”信号とするならもう少し低くしたい所。なお、実際の計算には負荷側のインピーダンスも計算に加える必要がある。
電流制限抵抗をより高くすればVCEをより低くすることができるが、その分出力端子の内部抵抗が高くなるため注意が必要となる。

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