VOLTECHNO

ガジェットとモノづくりのニッチな部分を伝えるメディアサイト

電気工事士の資格を取ろう!~技能試験合格の手引き~【電工取得ガイド③】

電気工事士の資格を取ろう!~技能試験合格の手引き~【電工取得ガイド③】

電気工事士の実技試験では、焦らずに確実に作業を行う必要があります、3つのポイントを抑えて確実に合格していきましょう。

  • 不合格になる欠陥例を覚える。
  • 複線図のルールを覚えて正しく描けるようにする。
  • 練習でも試験本番でも急がずに一つ一つ丁寧に作業する。

技能試験は簡単ではない

私は技能試験で1度不合格になってしまいました。解答速報で自己採点して合格見込みであることは分かっていて、対策できる時間は十分ありましたが、筆記試験に合格したことで気が緩んでしまっており本格的に動き始めたのは技能試験日の二週間ほど前になってからでした。

それに当時は「技能試験などそれほど難しくないだろう」と軽視してしまっていたのです。ですが蓋を開けてみるととんでもない。はっきり言って筆記試験よりも苦労してしまいました。

筆記試験に合格したと安心しきっていては後になって大変になってしまいます。気持ちを切り替えて早めに技能試験対策を始めるようにしましょう。

候補問題1周分では技能試験対策として不十分

初回の技能試験では候補問題1周分の練習量で挑みました。試験では比較的簡単な部類に入る「端子台で代用のタイムスイッチ回路を含む電灯回路」が出題されました。

一応試験時間40分中、35分ほどで作りあげることはできましたが、緊張してしまったこともあってかなり急いでの作業でした。

ミスが無いか確認していたら試験時間が残り時間1分半を切っているところで端子台の白線・黒線が逆になっていることに気が付きました。

急いでネジを緩めて線を挿し変えて閉める。このときにネジ穴を締めすぎてなめてしまう(ネジ穴の凹が潰れてドライバーがかみ合わなくなる)という大きなミスをしてしまいました。「ネジが緩すぎて心線が抜け落ちてしまうと欠陥になる」というのも念頭にあったのですが、慌てて締め過ぎてしまいました。そのまま試験終了の合図。一ヶ月後に届いたのは不合格通知でした。

個人的には一周分の練習量では急いで40分以内に完成させるのがやっとで細かいところまで目を配りながら作業ができなかったことが敗因だと思いました。

そして次回の受験(筆記試験免除)で真面目に3周分の練習をして技能試験に再挑戦することになります。

2回目の実技試験では3周分の練習を積んで合格

このときの出題問題も前回とよく似た「端子台で代用のタイムスイッチの回路を含む電灯回路」でした。落ち着いて急がずに一つ一つ丁寧に作業を進めて30分ほどで完成させることができました。そのままミスも見つからず試験終了。2度目の受験でようやく合格することができました。

前回の出題と似ていたというのはラッキーではありましたが、3周分も練習すれば「何が来ても大丈夫だ」という自信が芽生えてくるので、それが大事なのだと思いました。

技能試験を二度受験して分かったことは本番ではかなり緊張するということです。

周りの工具を扱う音に圧倒されたり、緊迫した試験会場の空気から手が震えたりして必ず練習のように上手くいきません。

1周分の練習量でも合格できる人は勿論いるとは思いますが、思いもよらぬミスをして不合格になってしまう可能性も大きいでしょう。

2周、3周と練習していけば作業スピードが上がって、その分一つ一つ丁寧に作業することができるようになります。技能試験日までの残りの期間、コツコツと練習をこなして合格率を高めていきましょう。

技能試験対策する上で大切なこと

  • 不合格になる欠陥例を覚える。
  • 複線図のルールを覚えて正しく描けるようにする。
  • 練習でも試験本番でも急がずに一つ一つ丁寧に作業する。

以上のことを念頭に置いておいて下さい。

技能試験の練習方法

①. 「技能試験すぃーっと合格」と「実演指導DVD」を使って勉強する

まずは工具の扱い方、ケーブルの剥き方、器具への結線の仕方など基本的なところから勉強していきましょう。

欠陥例にもよく目を通して覚えておくのが大事で、「この作業ではあれに気を付けなければ」と注意しながら作業できるようになります。これがとても大事です。(「欠陥の判断基準」は電気技術センターのホームページでも公開しているのでそちらも確認してください。)

テキストとDVDを1,2周ほどして大まかな要領を掴めたら次に行きましょう。

実際にケーブル剥きや輪作りの練習をするのは候補問題を練習した後、使用済みのケーブルを使うようにしましょう。無駄に材料を使わなくて済みます。

②. 複線図を正しく書けるように練習する

複線図とは配線の行先を分かりやすく描いた図のことです。具体的には

  • 白線(設置側)を電灯とコンセントに繋ぐ
  • 黒線(非設置側)をスイッチとコンセントに繋ぐ
  • 最後に電灯とスイッチを繋ぐ

というルールに従って配線をなぞっていきます。

試験では問題となる配線図と施工条件を元に複線図を描いて、その複線図を参考にしながら作業を進めます。なので、複線図を間違えてしまうとその時点でアウトなのです。

最初のうちは難しく感じてしまうと思いますが、慣れると簡単に描くことができるようになります。

常に試験本番を想定して「素早く」「間違いなく」描けるように繰り返し練習しましょう。

「すいーっと合格」に付属されている複線図の練習帳がかなり便利です。練習帳には直接書き込まず、ノートに書いたほうが何度も使えて便利です。

③. 1周目|参考書で確認しながら一つ一つ丁寧に組み立てる

【α】「技能試験すぃーっと合格」の後半のページに実際に試験を模した問題があるのでそれを使って候補問題の複線図を描いて、参考書を確認しながら施工条件の通りに組み立てる練習をする。

「描いた複線図に間違いはないか?」「引掛シーリングへの結線は何mm被覆を剥くのか?」「圧着するリングスリーブの大きさは?刻印は?」など、最初の内は分からないことばかりなので参考書で一つ一つ確認しながら作業を進めて下さい。

  • ランプレセプタクルの輪作りに関して


HOZAN(ホーザン) VVFストリッパー P-958

ペンチかVVFストリッパーかどちらでやるかは自由ですが、VVFストリッパーの方が先端が細くて作業性に優れています。

手で曲げようとせずに、手首と肘を使って自然に回すようにすると余分な力が加わらず上手くいきます。最初のうちは難しいですが繰り返し練習していくうちに上手くなるので、ここでは不格好でも結線できれば次へ進んで下さい。

作業に取り掛かる前に施工条件は毎回必ず読むようにして下さい。ここでの施工条件は想定なので試験本番では違ったものが出ますが、条件の意味が理解できていないとつまずいてしまいます。柔軟に対応できるように施工条件は必ず読んでから作業に取り掛かるようにしましょう。

まず最初に取りかかる際に、出鼻からケーブルの採寸・切断で間違えやすいので念のため注意点としてここでも書いておきます。

  • VVFジョイントボックスは試験では省略されるが、接続部分は100mmほど余分に必要。

電源側からジョイントボックスまでのケーブルが150mmとされていた場合、100mmほど余分に250mm必要。(Lの字にケーブルを曲げる)

2つのジョイントボックスをまたいでいるケーブルが150mmとされていた場合、200mほど余分に350mm必要。(コの字にケーブルを曲げる)

問題に書いてある寸法をそのまま切断してしまうと間違いです。切断する前に「ボックスで接続されているか?」「何mm余分に必要なのか?」確認するようにしましょう。

 

【β】完成したら欠陥例と見比べて、ミスが無いかどうかを確認する。ミスした箇所があったら忘れないようメモを取って、次の問題では間違えないように気を付ける。間違いから学ぶことが技能では何より大切

【γ】確認が終わったら完成した問題を分解する。次に練習を始めるときにバラしから始まるのは面倒になってしまい、やる気を失ってしまう。モチベーションを維持する意味でも分解までやっておいたほうが良い

このときにバラした使用済みのケーブルで輪作りや被覆剥きを必要に応じて練習しましょう。このときに、わたり線で使う電線も少し用意しておきましょう。

最初のうちはここまでやるのに1時間半以上かかります。慣れてくれば40分~1時間程度でこなせるようになるので頑張りましょう。

これを平日に一つ、休日に二つのくらいのペースでこなすのがやっとですが、それでも一ヶ月程度あれば三周分位は練習することができます。練習材料の在庫と試験日までの日数を逆算して計画を立ててコツコツ進めるようにしましょう。

④. 2周目 ―40分以内でミスの無いように作業する―

2周目からは複線図の描き始めから完成、確認終わりまで時間を計り、40分以内で出来るようになるように練習しましょう。40分以内といっても急いで作業してミスが増えてしまっては元も子もないので、あくまでも丁寧に作業しましょう。

また2周で試験に臨む方は試験本番のように集中して作業に取り掛かりましょう。

40分以内に完成させるポイント

  • 作業工程で迷わないこと

一つの作業をしながら次に何をどうするかを考えて手が止まらないようにします。

どうしても作業工程で迷ってしまうという方はもう一度「技能試験すいーっと合格」と「実演指導DVD」で問題がある箇所を復習してみましょう。

  • 同じ作業は一度にまとめて終わらせてしまう

回路の一部を終わらせてから、また一部を…というやり方に比べて

「ケーブルを切る作業」→「被覆を剥く作業」→「器具との結線作業」→「電線接続作業」

という風に、回路全体で順を追って作業することができればかなりの時間短縮ができます。

ただし効率的に作業ができる一方で、最初に全てのケーブルを用意するのでうっかり使うケーブルを間違えてしまったりするリスクも増えます。ケーブルを切ったら回路の形に並べて置いておくなど工夫し、剥く前にも「これはどこのケーブルなのか」をもう一度確認して間違えないように注意して下さい。

  • ミスをしないこと

手直し可能なミスであれば最後に直せばいいのですが、そもそもミスをしないことに越したことはありません。1周目の練習でミスをしてしまったところ、間違えやすいところは大体把握できたと思いますので、2周目ではミス無しを目指してください。

以上のことを念頭に置いて二周目の練習に取りかかってみて下さい。

2周の練習量で受験させる方へ

2周の練習量で受験される方は試験前には、基本となる「複線図の描き方」と「間違えたことのある箇所の確認と練習」をすることをオススメします。

下記~技能試験対策まとめ~も参考にしていただけると幸いです。

⑤. 3周目―試験本番前の最終確認―

ここまでやられた方は既に要領は分かっているかと思いますが、最後の確認で試験本番のつもりで取り掛かって下さい。

「まだ40分で完成させられない候補問題がある」「苦手な作業がある」など問題点がはっきりしている方はそれらを優先的に練習して克服するようにして下さい。

特に問題点を感じていない方も苦手なところはないか、欠陥なく組み立てられているか最後まで確認を怠らないように。まだ認識できていなかった穴があってそこから不合格に繋がってしまう可能性もあります。最後まで気を抜かずにいきましょう。

試験前にはもう一度、基本となる「複線図の描き方」と「間違えたことのある箇所の確認と練習」をすることをオススメします。

技能試験対策まとめ

技能試験試験本番での心構えになりますが、技能試験本番で大切なことは

リラックスする」「自分のペースを貫く」「確認を怠らない」ことです。

試験の前日は十分に睡眠を取り、万全の状態で試験に臨みましょう。一夜漬けや寝不足でボーっと頭ではケアレスミスしてしまう可能性が高いです。

また、試験本番では緊張します。「急がなければ間に合わないかもしれない」「合格しなければ後がない」などと自分を追い込むほど深みにはまってしまいます。周囲に圧倒されずに自分をしっかり持ってペースを貫くことが大事です。

決して急ぐ必要はありません。「早く組み立て終えて確認時間を長めに取ろうとする」よりも「少しくらい時間がかかっても一つ一つ確認しながら間違いなく組み立てる」心持ちの方が圧倒的に良いです。

完成してからの確認も怠らない様にしましょう。

皆さんのご健闘をお祈り致します。

Return Top