電動工具を製造・販売するパナソニック株式会社エレクトリックワークス社は、2024年10月にEXENAシリーズの充電ドリルドライバー EZ1DD3を発売する。従来モデル EZ1DD2比較で締付トルクが最大30%アップしており、大径穴下穴あけ作業や連続穴あけも止まりにくくなった。希望小売価格は38,500円(税抜)
目次
パナソニック 充電ドリルドライバー EZ1DD3
電動工具を製造・販売するパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社は、2024年10月に充電ドリルドライバー EZ1DD3を発売します。
EZ1DD2は、2023年に発売したEZ1DD2の後継モデルの充電式ドリルドライバーです。
従来モデル比較で作業能力が向上しており、ホールソーによる穴あけ能力は約15%向上、木材への穴あけ能力は約30%向上、圧着やノックアウトパンチの能力も向上しており、各種アタッチメントを装着できる「ONE ATTACH」システムの対応によって、ケーブルカッターや圧着などの電設作業を効率よく作業できます。
販売仕様は、18V-5.0Ahバッテリーと充電器が付属するJ18Dと本体のみのXで展開します。
- EZ1DD3J18D-B バッテリー充電器ケース付属 希望小売価格100,400円(税抜)
- EZ1DD3J18D-R バッテリー充電器ケース付属 希望小売価格100,400円(税抜)
- EZ1DD3X-B 本体のみ 希望小売価格38,500円(税抜)
- EZ1DD3X-R 本体のみ 希望小売価格38,500円(税抜)
製品仕様 (従来モデル EZ1DD2比較)
製品名 | EZ1DD3 | EZ1DD2 |
---|---|---|
外観 | ||
最大トルク | 18V時:(高速)15・m / (低速)35N・m 14.4V時:(高速)14N・m / (低速)34N・m |
18V時:(高速)11N・m / (低速)30N・m 14.4V時:(高速)10N・m / (低速)29N・m |
先端形状 | 六角6.35mm | 六角6.35mm |
回転数 | 18V時:(高速)1,800min-1 / (低速)530min-1 14.4V時:(高速)1,450min-1 / (低速)430min-1 |
18V時:(高速)1,800min-1 / (低速)530min-1 14.4V時:(高速)1,450min-1 / (低速)430min-1 |
バッテリー | 14.4V/18V | 14.4V/18V |
重量 | 1.8kg | 1.75kg |
寸法 | 143×254×66mm | 133×253×64mm |
本体価格 | 41,800円(税抜) | 38,500円(税抜) |
販売年月 | 2024年10月 | 2023年02月 |
製品の特徴
「マイナーチェンジで締結穴あけ性能が向上」
EZ1DD3は従来モデルのEZ1DD2から作業能力が向上しており、ホールソーによる穴あけ能力は最大Φ80mmからΦ110mmに向上しました。
またHighモードの木材への穴あけ能力は約30%向上しており、米松φ27 × 40mm、穴あけ作業時の比較では作業量が約60%向上しています。
EZ1DD2比較でアタッチメント装着時の能力も向上
ドリルドライバーの能力が向上したことで、「ONE ATTACH」システム装着時の作業能力も向上しています。EZ1DD3では圧着能力やノックアウトパンチの作業径も向上しています。
「ONE ATTACH」システムはキイレスチャックやアングルアタッチメントなど穴あけ用の作業のほか、ケーブルカッターや振動ドリルなど電設作業に必要とする作業を全て1本の電動工具で対応できます。
ドリルロック時停止機能を新搭載
穴あけ作業時、不意の噛み込みなどで手首をひねったり、モーターが焼付く心配を軽減します。
※ドリルロック時停止機能は全ての負荷に対して機能を保証するものではありません。
ビット装着構造で6.35mm六角ビットに対応
6.35mm六角ビットを装着できるビット方式に変更し、ビットを軽く押し込むだけの「新ワンタッチビットロック」を採用。頻繁にビットの交換が必要な作業をスムーズで快適にします。
電子クラッチ機能と状態表示で確実な作業
作業や部材に応じた締付トルク設定が可能。
締付作業時に、「回転数」・「トルク段数」の設定を組み合わせて、締付力をコントロール。高速回転での焼き付きや部材の破損を防ぎ、締付完了時、約2秒間緑色に点灯し、正常な締付を目視で確認することができます。
タップ作業をスムーズにする回転制御
タップ立ての途中で正転から逆転への切り替えにスイッチ操作を不要にするアシスト機能を搭載。
「AUTO切粉切り用」では正逆切替と回転数を切り替えて半回転逆転停止機能する機能を搭載しており、快適にネジ山を作ることができます。
マイナーチェンジだが性能アップで作業能力が増えたのは嬉しい
今回のEZ1DD3については、前モデルのEZ1DD2から僅か1年ちょっとでの新型であり、モデルチェンジには少し早い印象があります。
製品仕様的にはEZ1DD2をそのまま性能向上した形となっており、EZ1DD3は上位モデルのような展開を行っている訳でもなさそうなので、パナのドリルドライバーを新しく買うのであればEZ1DD3で良いかもしれません。EZ1DD2については性能的には劣るものの、実際の電設の作業性としては十分な能力を持っており微妙に値下がり傾向があるようなので、EZ1DD3の販売が進んだあたりでEZ1DD2の処分セール等が始まるタイミングで安く買えるかもしれません。
少し話は逸れますが、パナソニックEW社は電動工具事業に対する興味が完全に薄れてしまった印象があります。
2021年頃から展開を始めたEXENA戦略は華々しく行われたものの、今回のEXENAの3代目モデルにあたる充電ドリルドライバ EZ1DD3に関しては製品シリーズの Pseriesの名前も関しておらず、ニュースリリースやYouTube動画の配信も行っていないひっそりとした製品展開になっています。
パナの電動工具事業それ自体は電設資材とその取扱点の関係上からまだまだ続くものとは思いますが、国内電動工具市場におけるパナソニック電動工具の立ち位置は、既存のパナソニック電動工具ユーザーに対する細々とした製品展開のみとなり、あとはゆっくり縮小していく状態に至ったのではないかなと思っています。