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2021年9月7日

ビットが外れなくなった時の修理法(ビットの抜き方)【電動工具】

ビットが外れなくなった時の修理法(ビットの抜き方)【電動工具】

インパクトドライバを使っていると、ビットが噛み込んで外れなくなることがあります。

今回はビットが取れなくなるメカニズムの解説と、取り外しのテクニックを紹介したいと思います。

ビットはどうやって固定されている?

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電動ドライバのビット固定部はどこのメーカーでも同じような構造をしています。ビットの固定に使われる重要な部品はアンビル・スリーブ・スチールボールの3つです。

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写真は電動ドライバーに差し込んだ時にビットが抜けないようにするための溝。この溝がビットを固定するキーポイント

ビットを固定するためのメカニズムを簡単に説明すると、まずビットを刺すとアンビル内部のスチールボールがビットの溝に入り込みます。そして入り込んだスチールボールをスリーブで押さえつけけることによって、ビットのくぼみに入ったスチールボールが浮き上がらなくなり、ビットが抜けないよう固定されます。

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ビットの窪みにスチールボールが入り込んで、スリーブで上から押さえつけることによってビットは抜けなくなる。
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ビットを抜くときはスリーブをずらすことで固定されたスチールボールがビットのくぼみから浮くようになり、ビットも抜けるようになる。

ビットが取れなくなる原因

まず第一にビットを噛み込まないようにするには、粗悪な格安ビットを使わないことです。

特に、低価格なビットなどはよく噛み込む傾向があります。また高級ビットであっても、錆びていたり大きな傷の入ったビットを使用するとビットが取れなくなる事があります。

ネット上では「ビットが抜けなくなった」という質問に対して、様々なビットの取り外し方の解説が見つかります。ですが、ベストな方法があるといういうわけでもありません。ビットが外れなくなる原因にも様々な理由があります、外れなくなった原因に対して最も適切な方法で取り外すのが一番なのです。

ビットが抜けなくなる原因には様々な理由がありますが、今回はビットが抜けなくなる要因の多くを占める、アンビルとビットの噛み込みスチールボールとビットの噛み込みという2つの原因について解説していきます。

 アンビルとビットの噛み込み

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最も多いのはアンビルとビットのカジリです。この噛み込みは、六角が当たる部分とアンビルが強く噛み込んでしまうために、ビットが抜けなくなります。

このタイプのビット噛み込みは、変形したビットを使った・アンビルの中に異物が入り込んでいた・アンビルが変形していたなどが原因で発生します。

取り外し方

この噛み込みはビットの角とアンビルの角が噛み込んでしまうためにビットが抜けなくなってしまっています。そのため、噛み込んだビットを外すには噛み込んだ方向と逆の回転を加える必要があります。

具体的な方法として、適当な廃材打ち込まれた木ネジを緩めたりビットをバイスで固定して逆回転方向に軽く打撃させる事で簡単に外れます。

バイスでビットを挟んで打撃させる場合、強い打撃を加え続けるとバイスの口金が痛むので注意しましょう。ビットを固定するものがない場合ペンチやプライヤでもOKです

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写真は参考図。写真では口金にゴムがついているが実際はゴムのついていない金属むき出しの状態で挟むのが望ましい。この状態で逆回転打撃を行うとビットが取れる。あまりにも強く打撃させ続けるとバイスが痛む(口金が傷つく)ので注意。

ビットとスチールボールの噛み込み

次に多いのはビットとスチールボールの噛み込みです。

海外サイズのビット・空気工具用ビット・折れたビット(両頭ビット)等の使用、ビットとアンビルの相性などを理由に発生します。

この噛み込みの原因は、スチールボールとビットの窪みの位置関係が良くない事に起因します。

本来、ビットはアンビルの底で受けているのですが、ビットのくびれの位置が異なるとスチールボールでビットを受ける事になってしまい、スリーブを動かしてもビットが抜けなくなってしまうことがあります。

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適切なサイズのビットであれば、アンビルの奥でビットを受けるため噛み込みは発生しない。
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海外サイズのビットは奥までビットが突き当らない、そのためスチールボールでビットを受けることとなる。ビットが押し付けられるとスチールボールの噛み込みや変形を生じる。

実はビットのサイズは2種類存在しており、一般的に電動工具で使われるビットは産業用Aタイプと呼ばれるビットです。使用している電動ドライバーに適合しないビットを使っているとスチールボールとの噛み込みが発生してしまいます。

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一般的なビットサイズ。国内で流通しているビットはほぼ全てこのサイズ。ベッセルでは産業用Aタイプとも呼ばれる
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海外で主流のビットサイズ。日本のビットよりくぼみの位置が外側なのが特徴。国内でも空気工具などで使われる。ベッセルでは産業用Bタイプと呼ばれる

適切なビットを使っているのに噛み込んでしまう場合は、ビットの変更を検討したほうがいいでしょう。両頭スクエアビットなどはビットメーカー各社でくぼみの位置が異なるため、使用するドライバーによっては噛み込みが発生します

また、スリムビットなどでも形状の違いなどで噛み込む場合があります。

この噛み込みが発生する場合、無理して使い続けるとスチールボールやスリーブを痛めてしまい、最悪の場合ビットが固定が出来なくなります。一度スチールボールが変形してしまうと修理が必要になるので注意しましょう。

噛み込むビットかを見分ける方法

原理上、奥までビットを差し込んだ時に、アンビルでビットを受けることが出来ればスチールボールによる噛み込みは発生しません。

使えるビットか確かめるには、スリーブをずらしたままビットを奥まで差し込んで、元の位置にスリーブが戻れば大丈夫です。

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上が産業用Aタイプの片頭トルクスビット。下が産業用Bタイプの片頭トルクスビット。くびれの位置が異なる。

さて、この2種類のビットをそれぞれ取り付けてみるとどうなるでしょうか?

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日本サイズのビットは奥まで差し込んでもスリーブが元の位置に戻る。
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海外サイズのビットは奥まで差し込むと、入り込み過ぎてスリーブが元の位置に戻らない。このビットでも作業はできるがスチールボールを痛めてしまうため推奨できない。

海外サイズのビットは奥まで入りすぎてしまうのでビットが適切な位置に収まりません。こうなってしまうビットはできるだけ使わないようにしましょう

また、産業用Aタイプのビットでも、ビットメーカー各社で寸法が微妙に異なるため、スチールボールの噛み込みが発生してしまう事があります。

下の写真は日本製のスクエアビットとプラスの両頭ビットですが、スクエア側を差し込んで使うとスチールボールが噛み込んでしまいます。

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ホームセンターで購入したプラス・スクエア両頭ビット。メーカー不明

くぼみの位置が悪いのか単に日立工機のインパクトとは相性が悪いのか、奥まで入りすぎてスチールボールに当たってスリーブが浮き上がってしまいます。

日立工機のWH18DDL2。このプラス-スクエアビットとの相性は悪い。
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マキタのTD148D。こっちはビットを奥まで差し込んでもちゃんとした位置で固定される。

取り外し方①(簡単な方法)

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スチールボールが噛み込んでしまった場合、ハンマーなどでビットを色んな方向から軽く叩くことで、スチールボールがずれてビットが取れる場合があります。

叩きすぎたり力を入れすぎたりすると電動ドライバーが壊れてしまうので、取れなくても程々のところで止めましょう。

この方法でも取れない場合は、次の方法で先端を分解する必要があります。

取り外し方②(スチールボールを取り出す方法)

①の方法でビットが抜けない場合、ビットの固定部分を分解して取り外しを行います。

スチールボールの取り外しにはトメワプライヤーがあると便利ですが、マイナスの精密ドライバーでも分解することが出来ます。

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①マイナスドライバーでトメワを外す。
スリーブも取り外せるようになるのでバネごと取り外す。この時スチールボールが落ちるので無くさないように。
③スリーブを外すとこの状態になる。スチールボールは落ちやすいので無くさないように。この時点でもビットが取れない場合はハンマーでたたいてビットを取り出す(取り外し方①と同じ要領)。
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④ビットが取れたらスチールボールを穴に戻してスリーブをはめてバネ・ワッシャ・トメワを元通りに組み合わせて完成。

まとめ

ビットを固定するスチールボールやスリーブは、普通に使っている分には消耗することはありませんが、形の合わないビットなどを使うとすぐに摩耗します。

もちろん、スリーブ・スチールボールなどの部品を自力で用意することが出来れば、自分で直してもOKです。

電動ドライバーの場合6.35mmのビットであれば殆どのビットを刺すことが出来てしまうため、気付かずに海外のビットや空気工具用のビットを使っている方もいるんじゃないでしょうか。

もし、海外メーカーのビットを使っていて、どうしても使いたい場合には、ビットのサイズを合わせるビットピースが販売されています。海外仕様のインパクトを手配するより遥かに安く済むので、検討してみては如何でしょうか。

また、ビットが噛み込んでしまったからと言って、アンビルの穴(ビットの入る部分)に粘度が低く洗浄力の高い潤滑油は注油してはいけません。ハンマケース内部のグリスを洗い流してしまう事になるため、アンビルのカジリやハンマ摩耗の原因となってしまう事があります。

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