電動工具を製造・販売するパナソニック株式会社エレクトリックワークス社は、2023年12月1日に充電マルチツール EZ1G31を発売する。EXENA Lシリーズ10.8Vバッテリーに対応し、グリップ周りが12%スリム化、167mmに重さが550g軽量化した1.45kgの軽量コンパクトボディを実現する。希望小売価格は27,280円(税込)
目次
パナソニック 充電マルチツール EZ1G31
電動工具を製造・販売するパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社は、2023年12月1日に充電マルチツール EZ1G31を発売します。
EZ1G31は、EXENA Lシリーズ10.8Vバッテリーに対応するマルチツールです。18Vモデル比較でグリップ周りが12%スリム化、167mmに重さが550g軽量化した1.45kgの軽量コンパクトボディを実現しています。
対応ブレードはOISで互換構造によりSTARLOCKブレードにも対応します(STARLOCK PLUS、STARLOCK MAXは非対応)。六角レンチを使わずに取付・交換が出来るので手間がかかりません。
同時発売の新3.8Ah電池搭載によって作業量が必要な場面でも安心して使うことができ、同バッテリーはUSB 5V出力機能も搭載します。
販売仕様は、10.8 V電池セットのEZ1G31H10D-Bと本体のみのEZ1G31X-Bで販売します。
- EZ1G31H10D-B 充電器・バッテリー付属 希望小売価格64,900円(税込)
- EZ1G31X-B 本体のみ 希望小売価格27,280円(税込)
製品仕様 (18Vモデル EZ46A5比較)
製品名 | EZ1G31X | EZ46A5 |
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外観 | ||
ブレード規格 | OIS | OIS |
振動角 | – | 3° |
無負荷振動数 | – | 18V:6,000~20,000min-1 14.4V:6,000~18,000min-1 |
モータ | ブラシレス | – |
バッテリー | 10.8V | 14.4V/18V |
重量 | 1.45kg (10.8V-3.8Ahバッテリ装着時) |
2.0kg (18V-5.0Ahバッテリ装着時) |
寸法 | 676×176×164mm | 740×176×164mm |
本体価格 | 27,280円(税込) | 37,200円(税抜) |
販売年月 | 2023年12月 | 2019年9月 |
製品の特徴
「10.8Vバッテリー&ブラシレスモータ搭載のコンパクトマルチツール」
EZ1G31は、EXENA Lシリーズ10.8Vバッテリーに対応するマルチツールです。
小型軽量な10.8Vバッテリーとブラシレスモータの搭載により、18Vモデル比較でグリップ周りが12%スリム化、グリップ周り167mmの全周と重さ550g軽量化の1.45kgの軽量コンパクトボディを実現しています。
工具を使わずブレード取付・交換が可能
六角レンチを使わないツールレスでブレード取付・交換が出来るので手間がかからずスピーディー
新型の3.8Ah大型バッテリーも登場
10.8V-3.8Ahの高容量バッテリーも同時発売します。作業量が必要な場面でも安心して使える容量を実現しており、10.8Vバッテリーでもパワフルな作業を可能にします。
さらに、バッテリー本体にUSB 5V出力機能を搭載。出力4WまでのUSBコネクタでスマホやminiQuの給電用途にも使用できます
新製品の発売予告時点では少し微妙に見える製品
個人的な印象ですが、発売前の新製品予告として振動数や振動角など製品仕様を含む基本的な情報をほとんど開示しておらず、何のためにプレスリリースを出したのかよくわからない製品となっています。
僅かに開示された情報の競合他社品比較でも差別化要素に乏しいため、逆にパナユーザー離れが起きても不思議ではないとさえ考えており、EXENA Lシリーズは展開が始まったばかりで販売店でもほとんど見かけないシリーズであることも考慮すると、パナソニックの企画層はまじめな拡販戦略に取り組んでいないとさえ思ってしまいます。
市場的な評価としては、競合となるHiKOKIのスライド10.8Vモデル CV12DAが製品仕様・バッテリー仕様共に割と優秀な製品なのですが、実店舗で展示されているのを見かけたことが無く、ネットレビューもほとんど投稿されていません。個人的な印象として10.8Vマルチツール自体、そこまで数の出ないジャンルの製品なのだと考えています。
昨今のマルチツールのトレンドはスターロックMAX対応のワンタッチ、高出力仕様が主力なので、コンパクトクラスなマルチツールが市場的にどこまで売れるかは未知の製品と言えます。一応、国内電動工具ブランド唯一の10.8Vブラシレスモータ搭載機種なので、そのあたりの使い勝手でどこまで良くなっているかが気になるところです。
また、もう一つのウリとなる新バッテリー搭載の5V USB端子に関しては、出力性能的に「あればマシ」程度の最大出力4W仕様であり、シリーズレギュレータによる低コストで実現したものと考えています。これはかなり苦慮して精一杯の付加価値を付けたのを感じています。
製品的な評価は販売が始まってから再度評価したいと思いますが、前回のUSB PDアダプタ EZ9ZD1Xの時も含む辛辣な意見として、パナソニックの電動工具事業は、実態のないブランディングや適当な広報活動による拡販戦略はそろそろ区切りにした方が良いと思っています。既存のパナソニックユーザーに引き続き愛好してもらえることを考え、地に足についた製品開発に落ち着いてほしいところです