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PLAやABS以外の特殊フィラメントで3Dプリンタをもっと楽しく!特殊フィラメント8選!

PLAやABS以外のフィラメントで3Dプリンタをもっと楽しく!

FDM方式の3Dプリンタで使われるフィラメントといえば、PLAやABSが一般的ですが、この2種類の他にも3Dプリンタ用のフィラメントは販売されています。

3Dプリンタブームも落ち着いた2010年代後半からは、様々な樹脂材料を採用したフィラメントが販売されるようになり、今では通常の射出成型のプラスチック製品にはない材料のフィラメントも存在しています。

特殊フィラメントの種類とは

特殊フィラメントはPLA、ABSに分類されないフィラメントの事を指しますが、その分類は大きく分けて2種類に分けられます。

1つはPLAやABS樹脂ににフィラーと呼ばれる充填剤を混ぜ合わせることで、その混ぜ込んだ素材の特性を持たせたフィラメントです。

そしてもう1つがPLAやABS以外の樹脂材料を使ったフィラメントです。これらのフィラメントについて詳しく説明していきましょう。

フィラ―配合フィラメント

特殊フィラメントのなかでも一般的なのが、樹脂にフィラ―(充填剤)を添加したフィラメントです。

フィラ―とは、マイクロサイズやナノサイズの物質材料の事で、プラスチックにフィラーを添加することで強度や耐熱性といった新しい性質を持たせることが可能になります。射出成型の分野でも広く使われる技術になります。

このフィラメントではPLA木粉や金属粉など特殊な素材を配合したものがこれに当てはまり、成型自体は母体となったプラスチックの特性を持つため、成形条件もそのプラスチックと同じ設定で成型できるのが特徴です。

その一方で、フィラーを配合したフィラメントはプラスチック以外の物性も持つため、造形時にノズルが詰まりやすいという特性があるようです。

エンジニアリングプラスチックフィラメント

ナイロンやTPUなど、機械的強度が高く耐熱性などにも優れた樹脂を使用したフィラメントがこれに当てはまります。

本来、FDM方式の3DプリンタはPLAやABSなどの積層造形に適した樹脂があって初めて普及したものですが、それ以外の樹脂での造形は非常に難易度が高く、エンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂はノズル詰まりやベッド密着などでトラブルが起こりやすく、あまり一般的な樹脂ではありません。

しかしながら、現在では3Dプリンタでも使用できるようなエンジニアリングプラスチックのフィラメントも販売されています。ですが、これらは造形温度に一般的なフィラメントよりも高い温度が要求され、熱収縮性も高い材料が多いため、使用できる3Dプリンタも限られてきます。

しかし、これらの樹脂はPLAやABSの持たない摩耗性や耐熱性を有しているため、一度造形してしまえば高い耐久性を期待することができます。

木質フィラメント


AFINIA(アフィニア) 純正スペシャルPLAフィラメント 木質 100m

特殊フィラメントの中で最も有名と言えるのか『木質フィラメント』でしょう。

この木質フィラメントは木材のフィラーを樹脂に添加しており、3Dプリンタで造形すると木材のような質感を得ることが出来ます。また、造形時に木材フィラーが焼けるため、温度を調整することで色の調整もできるようです。

その一方で添加されている木材は有機物であるため、ノズルが詰まりやすいとと言う話もあるようです。

金属フィラメント


サインスマート(SainSmart)銅金属1.75mmフィラメント 3D印刷用、0.5kg / 1.1lbs

金属フィラメントといっても、針金を溶かして造形するわけではありません。フィラーとして金属粉が配合されており、金属に近い質感を持たせることができるフィラメントです。

このフィラメントは70%~80%程の金属粉が配合されており、造形した後に研磨することで金属に近い光沢を得ることができます。

金属粉が混ざっているためフィラメント自体の重量も非常に重く、重量感のある造形を行うことが出来ます。金属フィラメントも様々な種類があり、銅色・銀色・金色など様々なバリエーションがあります。

その一方で、金属粉がノズルを削る、テーブルが移動する方式の3Dプリンタではテーブルのモーターに負荷が掛かるなどの懸念がありそうです。

蓄光フィラメント


3Dプリンタ用オランダ製高級PLAフィラメント1.75mm colorFabb GLOWFILL グロウフィル 暗闇で光る 蓄光素材を配合した特殊フィラメント 750g

フィラメントに蓄光材料を配合したのが『蓄光フィラメント』です。このフィラメントは暗い所でぼんやりと光る特性を持ちます。薄く造形してLED照明のカバーなどに用いると面白い造形品ができるかもしれませんね。

プラスチックとしてのベースはPLAのものが多いようで、3Dプリンタによる造形も比較的簡単に行うことが出来ます。

母体となっているPLAは紫外線によって劣化する樹脂ですので、蓄光するからと言って太陽光には当てないほうがいいかもしれません。

ナイロンフィラメント


Nylon ナイロンフィラメント  3Dプリンター用 フィラメント ABS 材料 1.75mm径 1Kg Makerbot / Reprap / UP /Afinia / Ultimaker / MUTOHなどプリンター対応  (黒色(BLACK))

耐摩耗性に優れるエンジニアリングプラスチックの代表と言えばナイロンです。ナイロンは靭性・摩耗性など優れた耐久性を持つため樹脂歯車などに採用されています。

ナイロンは熱収縮性が高く、融点の温度調整も高精度で行わなければならない樹脂材料で、3Dプリンタでの造形は非常に難しいものになります。また、ナイロンは吸湿性も高いため保管場所にも気を払わなければなりません。

しかし、一度造形してしまえば高い耐久性を持つ樹脂材料です。造形さえしてしまえばメカ部品やギヤなどの可動部品にも使用できるレベルになってくるでしょう。この辺はいつか検証したいですね。

TPUフィラメント


サインスマート(SainSmart)小さなスプール1.75mm TPUフレキシブル3Dフィラメント250g / 0.55lb、寸法精度±0.05mm、ショア95A、ブルー Blue

TPUとは”熱可塑性ポリウレタン”と呼ばれる軟質樹脂の事です。ゴム弾性を持つプラスチックの名称としてエラストマーとも呼ばれます。

伸ばしたり捩じったりしても、割れや曲がりが発生しないため、3Dプリンタのスマホケースの造形によく利用されているフィラメントです。

デュアルノズルのエクストルーダーを搭載した3Dプリンタであれば、通常の硬質樹脂を組み合わせることで、射出成型でも造形難易度の高い2層成型を3Dプリンタで実現することが出来るでしょう。

ポリカーボネートフィラメント


SHINA 高い靭性とふっくらした色の透明な 3Dプリンタフィラメント 1.75mmポリカーボネート材料 3Dフィラメントカラーブラック

最も安定性の高い熱可塑性のプラスチックがポリカーボネートです。プラスチックの特性としては透明性・衝撃性・耐熱性・難燃性などに優れた非常に優秀な物性を持っています。身の回りで使用される製品としてはCDのディスク材料などが有名です。

ポリカーボネートは優秀な物性を持つが故に、3Dプリンタでの造形難易度は非常に高いものになると推定されます。

ノズル温度250℃~270℃、ヒートベッド温度80℃以上と非常に高い温度を要求されるため、この設定条件を満たす3Dプリンタから探す必要があります。また、テーブル密着性も弱く、温度による反りも発生するので専用の密着シートの使用が推奨されています。

非常に造形難易度が高いフィラメントですが、ポリカーボネートは一度造形さえできてしまえば耐久性に優れたプラスチックになるので、実用用途では最も現実的なプラスチックと言えるでしょう。

ポリプロピレンフィラメント


SHINA PP 1.75mm 3Dフィラメント、黒、3Dプリンタ用の1kg、ポリプロピレン(PP)低密度のガラス入りポリプロピレン

樹脂材料の中で最も身の回りに溢れているのがポリプロピレンです。PPと呼ばれる名称で普及しているポリプロピレンはおもちゃやスポーツ製品、タッパーなど身の回りにあるもののほとんどがPPで成形されています。

ポリプロピレンはプラスチックとして優れた汎用性を持ち、吸水性が低く薬剤耐性に強いため、トレーや容器などの液体に関連する用途で良く使われます。

3Dプリンタで使えるポリプロピレンフィラメントはフィラーとしてガラス繊維やカーボンが配合されているようで、それによってPPが持つ熱収縮性の問題を解決させているようです。

まだまだフィラメント自体の数は少なく一般的ではありませんが、プランターや水周りのパイプなど使用するのであれば最適なフィラメントと言えるでしょう。

PVBフィラメント


Polymaker 3Dプリンター用PVBフィラメント PolySmooth 1.75 mm (ホワイト)

Polymekerが販売するPVB樹脂を使用したフィラメントがPolySmoothです。

このPVBフィラメントは有機溶剤に溶解する樹脂材料で、アルコールで表面を溶かすことで積層跡を綺麗に消すことが出来るフィラメントです。

専用の表面処理機であるPolysherも販売されているため簡単に表面処理を行うことができます。フィギュアなど、見た目重視の造形で最適なフィラメントになります。

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