目次
圧着で配線を繋げる時に用意するもの
- 圧着ペンチ
- 圧着端子
- ワイヤストリッパー
- 熱収縮チューブまたは絶縁テープ(必要に応じて)
圧着のメリット | 信頼性が高く作業時間も短い |
圧着のデメリット | 対応する圧着端子と圧着工具が必要で作業に慣れが必要 |
圧着接合ははんだ付けよりも信頼性に優れる
圧着と聞くと頼りなく感じてしまいますが、圧着ははんだ付けよりも信頼性に優れ、実際の作業現場では信頼性と作業性の良さから圧着が多用されています。
圧着端子は銅で作られているので、導線に多用されている銅と熱膨張率が等しく、接合時の熱による材料劣化が無いので信頼性の高い接続を行うことが可能です。
ちなみに、はんだでコーティングした導線への圧着や圧着した部分にはんだを流し込むのは厳禁です。
はんだを流せば接触抵抗の面では有利なりますが、実用上有意義な差は無く、逆に熱膨張率の違いで圧着が緩くなったり面接触から点接触になって接触不良を起こしたりと長期的な信頼性が低下する原因に繋がります。
圧着作業の品質は工具次第、
作業回数が多い場合には専用の圧着工具を推奨
圧着は手軽な接合方法ですが、その作業品質は圧着作業に使う作業者とペンチに大きく依存します。
複数の圧着端子に対応する電工ペンチは圧着以外にもストリッパーやボルトカッターとしても使える便利な工具ですが、ダイスの形状の差異が大きく作業者次第で圧着加減も変わるため圧着工具としては簡易的なものに留まります。
圧着は力を加えるほど接合強度も上がるように考えてしまいますが、過度に圧接してしまうと導線が必要以上に変形して千切れやすくなり、かえって引き抜き強度が低下してしまいます。
専用品の圧着ペンチはテコの原理で圧着を行う構造なので圧着力のブレが少なく、正しく使うことで適切な圧着ができます。
ただし、専用工具を使用しても歪みや錆によって圧着品質が落ちる場合があるので、道具の管理は怠らないようにしましょう。
圧着の配線接合方法を解説
圧着で配線を接続する場合、使用する圧着端子によって工程が少し変わります。今回は「絶縁被膜付き圧着端子」と「裸圧着端子」の2種類を解説します。
絶縁被膜付圧着端子の使い方
ストリッパーで配線の被膜を剥きます。配線を剥く長さは圧着端子に応じて調整します。
圧着端子を圧着ペンチの絶縁端子用の口に挟み込みます。圧着端子の穴に配線を差し込んだらペンチを握って圧着します。
反対側も同じように配線を差し込んで圧着しましょう。
被覆が破れていないことを確認して、両端を軽く引っ張って抜けないことを確認したら作業完了です。
裸圧着スリーブの使い方
熱収縮チューブを使用する場合ではあらかじめチューブを通しておきます。
ストリッパーで配線の被膜を剥きます。
圧着端子を圧着ペンチの裸端子用の口に挟み込みこんで、圧着端子の穴の両端にそれぞれ導線を差し込んで圧着します。
圧着が完了したら両端を軽く引っ張って抜けないことを確認します。
絶縁テープか熱収縮チューブで圧着箇所を絶縁して作業完了です。