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3DプリンタでABSフィラメントを反らずに造形するたった1つの方法

3DプリンタでABSフィラメントを反らずに造形するたった1つの方法

ABSフィラメントの造形は変形する

ABSフィラメントで反って割れた造形品
ABSフィラメントで造形した名刺ケース。何も対策せずにそのままABS造形を行うと写真のように反りが発生して割れてしまう。

3Dプリンタでは様々な材料を使うことが出来ますが、その中でもPLAフィラメントABSフィラメントが代表的です。3Dプリンタに初めから付属しているフィラメントはPLAのものが多く、「なんだ、3Dプリンタの造形は変形するって聞くけどそうでもないじゃん」って感じた人も多いと思います。

そして、付属していたフィラメントをすべて使い終わった後、ABSフィラメントの造形に挑戦してみたら、PLAフィラメントには無かった造形物の変形に頭を悩ませてしまった方も多いでしょう。

ABSフィラメントの造形はとにかく反りやすいため、変形をどのように抑えて造形するかがポイントになります。

ABS造形が反ってしまう原因

ABSフィラメントの反りラフト造形
上が歪みの少ないラフト、下が温度が足りず反ってしまったラフト。ヒートヘッドから剥離もしてしまったため、ノズルに接触して焼けてしまっている。

ABSでの造形が変形してしまう原因は、ABS樹脂そのものの物性にあります。

ABS樹脂は機械的性質のバランスが良く、汎用性で優れた特性を持っています。そのため、身の回りのプラスチック製品はほとんどがABS樹脂を使っています。

しかし、プラスチックとして優秀なABSでも3Dプリンタの造形には大きな欠点があります。そのABSフィラメントの欠点とは、収縮率成型温度が高い事です。ABSはPLAよりも収縮率が高く、成型温度が高い特性を持つため、造形直後は正常な形をしていても、冷えるに従い少しづつ収縮して全体が歪んでいってしまいます。。

このような歪みに対して、ヒートヘッドの密着力を強くして反りを防ぐ方法もありますが、大型の造形を行っている場合では、造形の中間部分で割れてしまうことも多く、根本的な対策にはなりません。

では、ABSによる造形で変形を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。

造形中の温度を上げれば収縮の影響は少なくなる

3dp-20の状態画面

3Dプリンタを使ったABSの造形では、ヒートベッドを搭載した3Dプリンタの仕様が推奨されています。しかし、実際の造形ではヒートベッドを搭載していてもABS造形時に反りが発生してしまいます。

ABSを綺麗に造形するためには、ヒートヘッドだけではなく造形時の室温を上げる必要があります。

ここでは造形時の室温と表現していますが、簡単に言ってしまえば3Dプリンタ造形時に室温を上げれば良いと言うことです。

造形中の温度を上げればABSは綺麗に造形できる

ABS造形時の反りを減らす方法自体は簡単で、ノズル・ヒートベッド・そして室温、この3つの温度を上げれば反りを減らすことができます。

ただ、室温については70℃以上であることが好ましく、3Dプリンタの置いてある部屋を高温にすることはなかなかできません。そこでどうすればいいのかと言うと、3Dプリンタを断熱材で囲うことで造形時の高音を維持できるようにします。

3Dプリンタを断熱して温度を保つ

3DP-20を断熱材スタイロフォームで囲ったところ。周りを覆うだけで造形中の温度が上がり、ABSが反らなくなる。

ABSフィラメントでの造形では3Dプリンタを断熱材で囲い、高い室温を保つことで、造形品の反りを改善させることができます。

特に、安価な製品に多い開放タイプの3Dプリンタでは劇的に反りを抑える効果があります。


スタイロフォーム (普通目)小サイズ(300×360×厚さ100mm) SF-22

3Dプリンタを囲う断熱材は、発泡スチロールなどでも十分な効果がありますが、ヒートベッドの発熱量だけで十分な造形温度を維持するためには、スタイロフォームと呼ばれる断熱材を使用するのがオススメです。スタイロフォームは家の断熱材としても使われていて、ホームセンターなどでも購入することができるため入手性は十分です。

スタイロフォームはABS造形に耐えうる十分な断熱性を持ち、カッターなどで簡単に切断できるため、非常にオススメです。

断熱材は3Dプリンタを囲うように配置します。制御回路が外付けになっている3Dプリンタの場合、熱が籠って回路が破損して断熱材の外に配置します。

密閉前と密閉後のABS造形品の違い

画像は、断熱せずそのまま造形したものと、断熱して造形した名刺ケースの比較です。造形に使ったGCODEは同じものを使用しています。

画像から見てもわかるように、反りが大幅に減少しており、中間部の割れも発生していません。

このように断熱材で造形時の温度を高く維持することで造形物の急激な変形を抑え、反りや割れが発生しない程度の変形に留める事ができています。

結論:ABSフィラメントで造形に3Dプリンタの密閉は必須

断熱材で3Dプリンタを断熱したABSフィラメント造形
断熱材で覆って造形した名刺ケース。反りや割れが発生しなくなり、ゆがみなども少ない。積層面の強度も高く簡単には割れない。

このように、安価な開放タイプの3Dプリンタでも断熱材で囲うことで、安定したABSの造形ができるようになります。

ポイントとして、ヒートベッドが設定温度に到達してからもそのまましばらく置いて、3Dプリンタの温度を十分高く維持してから造形を始めると良いでしょう。

断熱材を使う注意点としては、開放タイプの3Dプリンタは密閉された高温の環境で部品の早期劣化を招いてしまう可能性があります。

初めから造形部が密閉されている3Dプリンタなら問題ないのでしょうが、開放タイプのプリンタはモーターやベルトなどは高温に耐えられない場合もあり、早期の寿命に至ってしまう可能性もあるので注意しましょう。

ヒートベッドとの密着性を上げるのも効果あり

温度を上げる他には、ヒートベッドと造形物の密着性を上げるのも効果的です。

ヒートベッドと造形物を密着させるのにはトンボのシワなしPITが有名で、これを予めガラス板に塗っておくことでフィラメントの食いつきが良くなり、ラフト造形などの反りやすい形状でもしっかりと密着させることができます。

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