ミスミが2016年から展開するモノづくりサービス「meviy」が注目を集めています。3D CADの設計データから直接見積もり発注を実現しているのが特徴で、従来の二次元図面を必要としていたサービスに比べ大幅なリードタイム短縮を実現しています。
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モノづくりを加速させる部品加工サービス『meviy』
ミスミグループと言えば、自動車関連業では標準部品を扱うメーカーとして、一般的な製造業では工具やサプライ品を扱うワンストップ購買業者として有名です。そして2016年から新たに始まったのが、デジタルモノづくりを推し進めるモノづくりプラットフォーム「meviy」です。
meviyは紙カタログやWeb購買に続く第3世代の購買メディアとして位置付けており、3D CADデータから直接見積もり、発注を完結させる事でより素早い部品調達の実現を特徴としています。
特に、試作や1品物の製品に関しても2D図面化などの手間が無くなり、非常に短いリードタイムでの部品発注を実現できるのは大きな利点となります。
[RP] ラピッドプロトタイピング
試作開発や、単品の製品設計に対応したサービスが「ラピットプロトタイピング[RP]」です。3D CADデータから直接部品の発注が可能で、従来のパーツ毎に分ける「バラシ」や「2D図面作図」が不要になり製品開発サイクルの大幅な短縮を実現できます。
材料も幅広い種類に対応し、金属ではステンレスからアルミ銅まで対応、樹脂では22種類もの材料に対応し、様々な製品の試作に対応します。
[FA] 板金部品、切削プレート
FA用メカニカル部品では、板金加工や切削プレートの製造に対応しており、3Dデータだけで見積もりと発注が可能で、最短1日での出荷も可能としています。
板金部品は通し穴からタップ穴、薄板用のバーリングタップにも対応しており、ねじ止めの部品としても表面処理や塗装にも対応しています。切削プレートではブラウザ上での公差指定や穴加工の指定に対応しており、タップ穴やヘリサートなどが選択できるようになっています。
[DM] 金型部品
金型部品では1型分のピンのまるごとアップロードが可能で、マイクロオーダー単位の自動公差で入力にも対応しています。
meviyでは、部位と加工方法を自動で認識し、結果をフェース毎に色分けして表示されるので加工の確認も簡単です。
ミスミ meviyが目指すのは「時間価値」の提供
これまで、複雑な形状の部品調達ではユーザーとサプライヤーの間での入念な打ち合わせや修整が必要になり、その密接なやり取りを「品質向上」として積極的に行っていました。これを3Dデータとアルゴリズムによる自動判定に置き換えた点は、全く新しいモノづくりの形が始まったと言えるでしょう。
特に、設計に3D CADを使用していたとしても、製造側及び設計図面の管理体制として2D図面が重宝されている場合も多く、2D図面化の手間や加工指定の追記、図面修正の手間なども加わる事で図面の完成まで膨大なリードタイムが発生します。
Meviyでは従来の調達手法から、価格や納期を自動化する事で「時間価値」を創出できる点をアピールしており、今後も増加するであろう製品開発スケジュールの短縮方法として市場の大きな需要を満たす存在となりそうです。
今後もMeviyではユーザーの要望やニーズを組み込んだ対応サービスの発展を予定しており、「機能向上」「納期短縮」「商品拡大」などを進めていくようです。
meviy(メヴィー)| 3DCADデータアップロードで即時見積、最短1日出荷 | ミスミ