VOLTECHNO(ボルテクノ)

ガジェットとモノづくりのニッチな情報を伝えるメディア

2021年3月31日

EAGLEでPCB Part Libraryを使用する方法

EAGLEでPCB Part Libraryを使用する方法

ワンクリックでパーツライブラリを入手できるPCB Part Library

プリント基板を設計する時、新たに使用する電子部品がEDAの標準ライブラリに搭載されている事はほとんどありません。そのため、新しい電子部品を採用する時には電子部品のデータシートや寸法図を参照してライブラリ作成を行う必要があります。

数点のライブラリ作成であればさほど時間もかかりませんが、数十個ものライブラリ作成や独特な形状の電子部品を作る場合には非常に手間のかかる作業となります。

そこで活用されるのが、SamacSysが提供するフリーの電子部品CADライブラリ提供サービス”PCB Part Library”です。

“PCB Part Library”は各種電子部品のCADデータが参照できるようになっており、EDAのライブラリにインポートする事で部品ライブラリ作成の手間を無くす事ができます。

SamacSys PCB Part Libraryに対応するEDA一覧。このサービスを使用すればシンボルの関連付けやフットパターンの作成を行わなくてもワンクリックで対応できるようになる。

AUTODESK EAGLEでPartLibraryを使用する方法

今回はAUTODESKのプリント基板設計CAD “EAGLE” でPCB Part Libraryを使用する方法について解説します。PCB Part Libraryを使用するにはユーザー登録が必要となりますが、本記事ではこの部分を省略します。

また、EAGLEでPCB Part Libraryを使用するには2通りの方法があり、EAGLEプラグインのEAGLE library pluginを使用する方法とLibraryLorderを使用する方法がありますが、本記事ではEAGLE library pluginを使用する方法について解説します。

※本記事はAutodesk EAGLE Windows版 Ver,9.5の情報となります。

プラグインのインストール

①Autodeskのサイトへアクセスして「Learn about the new EAGLE library plugin from SamacSys | Autodesk」のページからプラグインをダウンロードします。
プラグインダウンロードリンク→ Download the plugin zip file.
②ダウンロードしたらZIPファイルから「Windows Installer」フォルダを取り出します。 解凍すると中身のインストーラの拡張子が”.ex_”になっているので”.exe”にリネームします。 リネーム後はインストーラを起動して、EAGLEのインストールフォルダを指定してセットアップを完了させます。

EAGLEへライブラリインポート

EAGLE library pluginをインストールするとSchematicの操作画面右側に”PCB Library”のアクセスボタンが追加されます。
ボタンを押すとSamacSysのプラグイン画面が開くので、初回起動時にはLogin/SettingsタブをクリックしてSamacSysアカウントのログインを行います。
ログインが成功したら、ウィンドウ下部にあるSearch keyword(s)欄から電子部品の型名を入力します。ここでは秋月電子でも入手できるTOSHIBAの表面実装パワーMOSFETの”2SK4033″を追加してみます。検索結果の中から”Symbol” “Footprint”がYesになっている項目を選択して”Add Library”ボタンをクリックします。
ダウンロードしたデータは”SamacSys_Parts”と呼ばれるライブラリファイルに格納されますが、新しく追加されたライブラリの場合だと有効化されていないので、Library Managerを開いてライブラリの有効化を行います。
Library Managerを開いたら”Available”タブをクリックします。Browseボタンをクリックして、SamacSysのプラグイン画面のLogin/Settingsタブに記載されたライブラリフォルダにアクセスして”SamacSys_Parts.lbr”を選択します。 Browseでライブラリを開くと一覧に読み込んだライブラリが表示されるので、選択してUseボタンをクリックします。
追加したパーツはADDウィンドウで”SamacSys_Parts”を選択すると配置できます。後から追加したパーツもSamacSys_Partsライブラリ内に蓄積されます。
Schematicで部品を追加するとこのようになります。シンボルがFETではなくカスタムブロックになっています。PCB Part Libraryで提供されるシンボルはほとんどがカスタムブロックなので、必要な場合にはシンボルの再割り当てで修正します。
Board画面でのフットパターンも正しく配置されている。
Return Top