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電子回路基板(プリント基板)を作ってみよう!
ちょっとした試作や小規模の電子回路ならユニバーサル基板で済ませる事もできますが、回路規模が大規模化してきたり表面実装部品を使おうとするとプリント基板を作った方が早く済むことが多いです。
今までは回路基板を作ろうとした場合、生基板や感光基板を使ったエッチング作業が定番でしたが、現在では基板製造(PCB)サービスも安くなり、個人でも簡単に市販製品レベルの電子回路を手に入れる事ができるようになりました。
基板製造(PCB)サービスとは小ロットでもプリント基板製造を受注してくれるサービスで、最小ロット10枚くらいからプリント基板の製造を受け付けてくれるところが多いようです。
FusionPCBで基板を発注してみた
FusionPCBとは中国深セン市にあるSeeedStudioと呼ばれる会社の基板製造(PCB)サービスです。基板製造の条件によっては国内PCBメーカーの1/10という価格で作ることが出来ます。
日本語にも対応していて、fusionpcb.jpから日本語対応サイトにアクセスできます。
ガーバーデータが出力できるCADならなんでも対応
プリント基板の設計図であるガーバーデータの作成には電子回路CADのDesignSpark PCBを使用しました。
ガーバーデータとは「ガーバー」や「ガーバーフォーマット」などと呼ばれ、プリント基板のパターンやドリル穴の位置などを指定するためのファイルです。量産用の電子回路基板には必ずと言っていいほどこのガーバーデータが使われており、業界標準の形式とも言えます。
個人が使うガーバーデータを出力できる有名どころのCADとしてはEAGLE、KiCAD、Quadceptなどがあり、Fritzingなどでもガーバーデータの出力ができるそうです。ちなみにP板.comが提供しているCADLUS Xはガーバーデータの出力機能が付いていないので注意しましょう。
FusionPCBに発注する際のデザインルールは『製造のためのプリント基板設計ガイド』に記載されています、この資料はちょっと前まで英語版しかなかったんですけど日本語版になって読みやすくなりました。(DesignSpark PCBを使う場合は初期設定のままでも特に問題ないようです。)
FusionPCBに発注するにあたり、プリント基板のガーバーファイルは以下のように名前を変える必要があります。これらのファイルをzipでまとめれば完成です。
というわけでFusionPCBで発注してみた
ガーバーデータが出来たらfusionpcb.jpで発注をします。
現在FusionPCBは100mm×100mm, 2層基板10枚で$4.9に値下げしており、一枚当たり約50円という超格安な価格で基板を作ることが出来ます。
現品を確認してみる
注文してから到着するまでは、約11日ほどでした。他サイトさんのFusionPCBの注文レポートを見てると、製造完了してから発送するまで時間がかかったりシンガポールを経由したりして非常に時間がかかるという報告もありましたが、今回はすぐに届いたようです。
DHLを使用した場合はTrackingナンバーが発行されるので、配達の状況や通関の状態などがわかるようになります。
梱包状態
基板はどんな感じ?
まとめ
FusionPCBは国内のPCB製造サービスと比べると非常に低価格であり、品質面も特に問題なさそうなので個人規模・小ロット生産などには非常に使いやすいサービスだと思います。むしろ低価格すぎて送料の方が高くなってしまうのでそっちで尻込みしてしまうくらいです、注文する場合は1種類よりも何種類か作ってからまとめて発注したほうがいいかもしれません。