京セラインダストリアルツールズ株式会社(本社:広島県福山市)は、2024年11月12日にポータブル電源 DPS2400を発売する。安全性が高く自然放電が少ないリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し最大2,400Wの高出力と2,150.4Whの大容量で長時間の使用が可能となり幅広い用途に使用できる。本体希望小売価格は372,000円(税別)
目次
京セラ ポータブル電源 DPS2400
京セラインダストリアルツールズ株式会社は、2024年11月12日にポータブル電源 DPS2400を発売します。
DPS2400は、2,150Whの電池容量と1端子定格出力1,200W×2を備えるポータブル電源です。
安全性が高く自然放電が少ないリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載しているので、定格出力が高い家電製品や電動工具など、さまざまな機器での使用が可能です。
パススルー充電機能にも対応しておりポータブル電源を充電しながら電化製品への給電も可能で、EPS機能の搭載によりパススルー充電中に停電になった場合でも自動的にバッテリー給電に切り替わるEPS機能にも対応します。
並列運転による出力電力・電池容量アップにも対応しており、別販売部品によるソーラーパネル接続も可能なので現場作業からアウトドア、災害用途まで幅広い用途に対応します。
販売仕様は、本体のみのDPS2400で販売します。します。
- DPS2400 本体のみ 希望小売価格372,000円(税抜)
製品仕様 (京セラポータブル電源シリーズ比較)
製品名 | DPS2400 | DPS600 | DPS1000 | DPS1800 |
---|---|---|---|---|
外観 | ||||
電池容量 | 2,150.4Wh | 509.6Wh | 1,019Wh | 1.601.5Wh |
定格出力 | 2,400W | 600W | 1,000W | 1,800W |
バッテリー仕様 | リン酸鉄 | リチウムイオン | リチウムイオン | リチウムイオン |
AC出力仕様 | AC100V 50Hz/60Hz | AC100V 50Hz/60Hz | AC100V 50Hz/60Hz | AC100V 50Hz/60Hz |
USB Type-A | 5V-2.5A, 9V-2.0A, 12V-2.0A×4 | 5V-2.1A×2 | 5V-2.1A×2 5V-2.5A, 9V-2.0A, 12V-2.0A×2 |
5V-2.1A×2 5V-2.5A, 9V-2.0A, 12V-2.0A×2 |
USB Type-C | USB PD 100W×2 (最大100W) |
USB PD 65W×2 | ||
シガーソケット | 12V-10A | 12V-8A | ||
DCジャック | × | 12V-5A | ||
ワイヤレス充電 | 15W×2 | 15W | ||
重量 | 30.5kg | 5.9kg | 10.5kg | 12.8kg |
寸法 | 445×290×315mm | 280×193×181mm | 340×236×215mm | 340×236×215mm |
本体価格 | 372,000 | 140,000円(税別) | 240,000円(税別) | 300,000円(税別) |
販売年月 | 2024年11月 | 2023年11月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
製品の特徴
「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載の2.4kWhポタ電」
DPS2400はリン酸鉄リチウムイオンバッテリー (LFPバッテリー)を搭載するポータブル電源です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは、リチウムイオンバッテリーの種類の1つで、コストが安くて安定性に優れている特徴から近年のEVやAGV、ポータブル電源などを中心に採用が進んでいるバッテリーです。
最大出力2,400Wと大容量2,150.4Whのバッテリーの搭載により、定格出力が高い家電製品や電動工具など、さまざまな機器での使用が可能です。
多種多様な出力端子を搭載
DPS2400は、最大20AのAC100V出力のほか、24AのAC100V引掛型コンセントやUSB PD 100W・USB Type-A端子を搭載しており幅広い機器の動作に対応します。
さらに、本体上部にはワイヤレス充電×2を備えているのでスマートフォンを置くだけでの充電にも対応します。
パススルー充電対応で充電しながら機器を使用できる
ポータブル電源を家庭用コンセントから充電しながら、その他の電化製品に給電できるパススルー充電機能を搭載しています。
ポータブル電源を常に満充電に保つことができ、コンセントが1鹿しか無くても複数の機器への充電も可能です。
EPS機能搭載でパススルー中に停電しても自動的に切り替わる
パススルー充電中に停電になった場合でも、自動で給電元がポータブル電源に切り替わり、電化製品の稼働をそのまま続けられるEPS機能を搭載しています。
出力と容量を向上する並列運転に対応
別売の並列接続ケーブルを接続すれば2台の京セラポタ電を使って出力と電池容量を約2倍にアップできます。(画像はDPS1200のものです)
ポタ電有力ブランドの製品に近づいた電動工具メーカーのポタ電
今回のDPS2400に関しては、良くも悪くも有力中国ブランドの水準に結構近づいた仕様を備えるポータブル電源になっていると評価しています。
京セラブランドの価格の高さはネックなのですが、バッテリー容量やUSB Type-C端子の出力仕様がようやく100W搭載になったりと、製品仕様的には市場品水準の製品になったのではないかと思います。
電動工具用途におけるポータブル電源の実用性についてですが、バッテリー容量それだけを評価すれば意外と悪くない製品だったりします。例えば、2000W出力仕様を備えるマキタバッテリーを挙げるとBL4050F(180Wh)あたりになります。そこから標準小売価格を基準に1Whあたりの単価を算出するとマキタBL4050Fは217円になるのですが、DPS2400(2,150Wh)の場合は173円となり、マキタ40Vmaxバッテリーよりも容量的には安くなります。
このことから、大容量バッテリーを必要とする場合においては36V高出力バッテリーを複数本数買うよりも、ポータブル電源を1台買った方がバッテリー容量的にはコスパが良くなる可能性があります。
とは言え、実際にはポータブル電源の運搬が手間だったり、コスパで語るのであればエンジン発電機が圧倒的だったり、充電式電動工具のブラシレスモーターと電源コード式ユニバーサルモーターとの効率の差があったりで、実際には全く見合わない可能性もあるのですが、AC100Vの汎用性も無視はできないのでその辺りは活用シーンによりけりでしょうか。
ちょっと困惑しているのが、あまり見かけることのないAC100V端子を一基搭載しているところです。形状的に恐らくNEMA L5-30だとは思うのですが、筆者の見識では日本国内だとインテリジェントPDUくらいしかこの端子を使う機器を見たことが無いので、工具向けのポータブル電源でどんな製品の接続を想定しているのか全くの未知です。
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2023年4月発売