VOLTECHNO

ガジェットとモノづくりのニッチな部分を伝えるメディア

2020年4月19日

電動工具のアースとは、3Pプラグや二重絶縁について解説

電動工具のアースとは、3Pプラグや二重絶縁について解説

AC電源の電動工具には3Pプラグの製品がありますが、3本目のピンの意味や二重絶縁の2Pプラグとの違いを把握していない方も多いと思います。

本記事では、3Pプラグの意味や二重絶縁について簡単に解説します。

3芯目のコードは感電から人を保護するために必要

AC電源で動作する電動工具にはコンセントのプラグの形状が2Pのものと3Pのものがあります。2Pプラグの電動工具は二重絶縁に対応した製品で、3Pプラグの電動工具は電気を流す2芯とは別に3芯目の端子があります。

3Pプラグの3本目の端子はアースと呼ばれます。アースは電動工具が故障した時に漏電から作業者を保護するために接続するもので、また、3本目のプラグを接続したからと言って電動工具の性能や機能などが向上することはありません。

アースが作業者を感電から守る仕組み

正常な状態の電動工具であれば、アースを接続しなくても作業者が感電する事はありません。しかし、劣化や過負荷などで電動工具の絶縁に異常が発生すると、電動工具は漏電する事があります。

昔の電動工具は、金属製のハウジングに収められた電動工具がほとんどでした。金属製のハウジングでは、電動工具内の電源コードの被覆が破けて中の心線が露出して金属のハウジングに接触することによる、ハウジング越しの人体への感電が発生場合がありました。

その漏電による感電を防止するのがアースです。アースを接続していれば金属製のハウジングに電気が流れていたとしても、人体より抵抗の低いアースへ電気が逃げるため、人体への感電を最小限に抑える事ができます。

3Pプラグを使用しないで電動工具を使用しても良いか

電動工具内部で被覆の露出やモーターコイルの切断などが発生していなければ問題ありませんが、電動工具は粉じん・鉄粉・油等の舞う過酷な環境下で使用されることも多く、二重絶縁構造ではない3Pプラグの製品であれば接地(アース)極付きコンセントに接続するのが推奨されます。

漏電してしまうと作業者が感電する危険があるため、3Pプラグの非二重絶縁の製品は必ず接続するようにします。

二重絶縁品にアースは不要

通常の「基礎絶縁」に対して、基礎絶縁が故障した場合の保護になる「補助絶縁」を追加したものを「二重絶縁」と言います。

二重絶縁に対応した電動工具は、金属のハウジングに代わり絶縁体のプラスチックモールドを使用することでハウジングを介した人体への感電を防いでいます。

工具先端の金属部などでは、シャフトに絶縁物を巻くことでモーターコイルとシャフト部分を電気的に絶縁しています。ブラシレスモーターの場合などは、電気が流れるインバーター部と回転するローター部が接触していないので元々絶縁された構造となっています。

二重絶縁の電動工具は人体に触れる部分が絶縁体や絶縁処理をされているため、アースを接続する場所がなく、接続する必要もありません。接続できる部分があったとしても人体に触れる部分は絶縁されているためあまり意味がありません。

最近ではAC電源の電動工具を禁止する現場も

最近の作業現場では、AC電源で動作する電動工具自体を使用禁止としている現場もあるようです。

ここ数年で電動工具の性能向上やコードレス機種の増強なども進み、AC電源の電動工具を使用しなくても同じ作業は行えるようになり、確かに漏電の発生やコードを原因とする労災の防止としては一定の効果は出ると考えられます。

しかし、バッテリーの電動工具と言えども最近は36Vへの高電圧化も進み、42V(死にボルト)と呼ばれる感電死の危険性がある電圧まで高まってきています。

作業性などではAC電源の電動工具に及ばない製品も多く、消耗品であるバッテリーの経費をどのように処理するかなどの問題もあるので、まだまだ課題は多いと言えます。

Return Top