VOLTECHNO

ガジェットとモノづくりのニッチな部分を伝えるメディア

2020年12月29日

【工具コラム】電動工具のアースとは、3Pプラグや二重絶縁について

【工具コラム】電動工具のアースとは、3Pプラグや二重絶縁について

AC電源の電動工具には3Pプラグの製品がありますが、3本目のピンの意味や二重絶縁の2Pプラグとの違いを把握していない方も多いと思います。

本記事では、3Pプラグの意味や二重絶縁について簡単に解説します。

3芯目のコードは感電から人を保護するためのアース

AC電源で動作する電動工具にはコンセントのプラグの形状が2Pのものと3Pのものがあります。2Pプラグの電動工具は二重絶縁に対応した製品で、3Pプラグの電動工具は電気を流す2芯とは別に3芯目の端子があります。

3Pプラグの3本目の端子はアースと呼ばれます。アースは電動工具が故障した時に漏電から作業者を保護するために接続するもので、また、3本目のプラグを接続したからと言って電動工具の性能や機能などが向上することはありません。

アースが作業者を感電から守る仕組み

正常な状態の電動工具であれば、アースを接続しなくても作業者が感電する事はありません。しかし、劣化や過負荷などで電気系統に異常が発生すると、電動工具は漏電する事があります。

昔の電動工具は、金属製のハウジングに収められた電動工具がほとんどでした。金属製のハウジングは、電動工具内の電源コードの被覆が破けて中の心線が露出し、金属のハウジングに接触したときにハウジング越しの人体への感電が発生する欠点がありました。

その漏電による感電を防止するのがアースです。アースを接続していれば金属製のハウジングに電気が流れたとしても、人体より抵抗の低いアースへ電気が逃げるため、人体への感電を最小限に抑える事ができます。

3Pプラグを使用しないで電動工具を使用しても良いか

電動工具内部で被覆の露出やモーターコイルの切断などが発生していなければ漏電の問題ありませんが、電動工具は粉じん・鉄粉・油等の舞う過酷な環境下で使用されることも多く、二重絶縁構造ではない3Pプラグの製品であれば接地(アース)極付きコンセントに接続するのが推奨されます。

漏電してしまうと作業者が感電する危険があるため、3Pプラグの非二重絶縁の製品は必ず接続するようにします。

二重絶縁品にアースは不要

通常の「基礎絶縁」に対して、基礎絶縁が故障した場合の保護になる「補助絶縁」を追加したものを「二重絶縁」と言います。

二重絶縁は、コイルの絶縁被膜と別の絶縁構造を搭載した機能の総称です。人体が触れる部分が全て絶縁されているため、高い安全性を持ちます。

電動工具では、プラスチックモールドアマチュアシャフトへの絶縁モールドの搭載によって2重絶縁を実現しています。なお、ブラシレスモーターは、ローターに電気が流れない構造なので元々絶縁されている構造です。

二重絶縁の電動工具は人体に触れる部分が絶縁処理されているためアースを接続する必要がなく、そもそも接続する場所自体がありません。

最近はAC電源の電動工具を禁止する現場も

最近の作業現場では、AC電源で動作する電動工具自体を使用禁止としている現場もあるようです。

ここ数年で電動工具の性能向上やコードレス機種の増強なども進み、AC電源の電動工具を使用しなくても同じ作業が行えるようになり、漏電の発生やコードを原因とする労災の防止には一定の効果が出ると考えられます。

しかし、バッテリーの電動工具と言えど最近は36Vへの高電圧化も進み、42V(死にボルト)と呼ばれる感電死の危険性がある電圧まで高まってきています。

作業性などではAC電源の電動工具に及ばない製品も多く、消耗品のバッテリー経費をどのように処理するかなどの問題もあるので、まだまだ課題は多いと言えます。

この記事を書いた人

VOLTECHNO編集部
VOLTECHNOはガジェットや電動工具・モノづくりのニッチな情報を伝えるウェブメディアです。
Return Top