目次
ハンディチェンソーとはコンパクトサイズの電気チェンソー
ハンディチェンソーとは、片手で使用できるコンパクトサイズの充電式チェンソーです。
ハンディチェンソーは一般的なチェンソーと同じく、多くの刃を持つソーチェーンを高速回転して枝や木材構造物を切断する工具です。
片手で操作できるサイズにもかかわらず、ソーチェーンの高速回転により優れた切断性能を実現しており、庭木の剪定やDIYの解体作業など従来手ノコギリを使用して時間を要していた切断作業も短時間で効率良く完了できます。
リチウムイオンバッテリーによって動作するので電源やガソリンも必要無いので、庭の隅々から電源のない場所でも使用することができます。また、重量が軽いために操作性にも優れており、高所での作業や狭いスペースでも作業できます。
手軽に使用できるハンディチェンソーですが、一般的なチェンソーと同じくキックバックやプッシュバック、引っ掛かりなど危険な現象も発生する電動工具なので、適切な安全装備の着用、チェンソーの正しい取り扱い方法の学習、定期的なチェンソーのメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
ハンディチェンソーは、ここ数年の間に登場した新しい充電式電動工具
ハンディチェンソーは、2020年前後から普及し始めた比較的新しいカテゴリの電動工具です。
日本での普及に関しては、Amazonや楽天などの通販サイトで中国ブランド製の充電式ハンディチェンソーが発売されたことがきっかけです。その後、その手軽さが評価され、輸入商社や園芸機器メーカーが日本ブランドのOEM製品として販売を始めました。そして最近では、大手電動工具メーカーや園芸機器メーカーも自社ブランドの製品開発を進めています。
中国ブランドの製品が市場に先駆けて登場したことから、比較的低価格な製品が多くを占めていますが、プロ用途向けの製品も最近になって増えてきています。
コンパクトサイズでもチェンソーなので保護具は必須
ハンディチェンソーはコンパクトサイズで手軽に使用できる製品ですが、一般的なチェンソーと同じくキックバックやプッシュバック、引っ掛かりなどが発生し易く危険性も高い電動工具です。そのため、チャップスや耐切創グローブなどを装着して可能な限り安全に努めるようにしましょう。
ちなみに、個人での使用では保護具の装着は必須ではないものの、チェンソーを使用して業務に携わる全ての作業者に対してはこれらの保護具装着が必須となっています。
レシプロソーのオススメピックアップ
京セラのDIY向け新定番ハンディチェンソー BHCS-1810L1
家庭向け用途での手軽さと価格の安さ、そして信頼性を兼ね備えているのが京セラの充電式ハンディチェンソー BHCS-1810L1です。ハンディチェンソーとしての基本的な性能を備えながらも、高いチェンスピードと取り回しの良い1.5kgボディを実現しているのが特徴です。
製品としての信頼性も旧リョービ電動工具を引き継ぐ京セラブランドの製品であるため、安心して使える国内ブランド低価格品な点でも魅力的な製品です。
製品名 | BHCS-1810L1 |
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最大切断長さ | 100mm |
チェンスピード | 10m/s |
チェーン形式 | 1/4P11-28E |
モータ | ? |
オイル自動給油 | × |
オイルタンク | – |
電源方式 | 18V |
重量 | 1.5kg |
寸法 | 392×84×248mm |
本体価格 | 14,800円(税別) |
販売年月 | 2024年02月 |
プロ向け対応、ハンディサイズでも圧倒的切断能力 MUC150D
マキタの高性能充電式ハンディチェンソーが MUC150Dです。本機はガイドバー100mm仕様のMUC101Dを150mm仕様にした拡張モデルです。ブラシレスモータとオイル自動給油による優れた切断能力を持つハンディチェンソーの決定版となるモデルです。
マキタブランドによる流通量も多いためアクセサリも豊富で、腰に装着できる純正ホルスタ(A-76314)やサードパーティのカービングバーなどもあるため、プロ用途にも幅広く対応する最適解なハンディチェンソーとなっています。
製品名 | MUC150D |
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最大切断長さ | 150mm |
チェンスピード | 8m/s |
チェーン形式 | 80TXL-32E |
モータ | ブラシレス |
オイル自動給油 | 〇 |
オイルタンク | 55mL |
電源方式 | 18V |
重量 | 2.0kg |
寸法 | 459×90×249mm |
本体価格 | 36,400円(税別) |
販売年月 | 2023年08月 |
25ccのエンジン式チェンソーよりも切断が早い M18 FHS20
2021年に日本にやってきた米国の電動工具ブランド ミルウォーキーの最強ハンディーチェンソーがM18 FHS20です。200mmのガイドバーを備えており、M18 Fuelの大容量バッテリーを装着することで高い切断能力と稼働時間を実現できるのが特徴です。
ミルウォーキーのハンディチェンソーはガイドカバーが無くカバーによる煩わしさもなく軽快に使用できるのが特徴ですが、プッシュバックや引っ掛かり時に顔に飛んできたときに直接刃が飛んでくる危険性も高いのでゴーグルやフェイスガードは必須です。
製品名 | M18 FHS20-0B0 JP |
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最大切断長さ | 200mm |
チェンスピード | 5m/s |
チェーン形式 | – |
モータ | – |
オイル自動給油 | 〇 |
オイルタンク | 77mL |
電源方式 | 18V |
重量 | 2.74kg |
寸法 | – |
本体価格 | 47,800円(税別) |
販売年月 | 2023年 |
ミルウォーキーのM12バッテリー対応モデル M12 FHS
ミルウォーキのM12バッテリー対応のハンディチェンソー M12 FHSは、製品の取り回しと連続稼働時間のバランスに優れたモデルです。他社の10.8Vバッテリーにはない6.0Ahバッテリーが装着できるので、1充電当たりの作業量としては10.8Vモデルでトップクラスの持続力を持ちます。
10.8Vクラスとしては高い性能を持つ本機ですが、M18 Fuelモデルと同じくカバーの無い機種なので取り扱いには注意が必要です。
製品名 | M12 FHS-0X0 JP |
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最大切断長さ | 152mm |
チェンスピード | 5m/s |
チェーン形式 | – |
モータ | – |
オイル自動給油 | 〇 |
オイルタンク | – |
電源方式 | M12 |
重量 | 2.3kg |
寸法 | – |
本体価格 | 47,800円(税別) |
販売年月 | 2022年 |
ハンディチェンソーを選ぶときのポイント
1. ガイドバー長さ
ハンディチェンソーはコンパクトサイズの取り回しの良さを売りにした電動工具です。そのため、ガイドバーの長さは100~150mmサイズのものが一般的ですが、製品の中には200mm以上の製品もあります。
ガイドバーが長くなれば切断できる最大サイズも大きくなりますが、その分取り回しも悪く危険性も高くなってしまうため、実際の作業でどれだけの切断能力があればいいかは購入前に入念に確認しておきましょう。
ちなみに200mm以上のクラスになると一般的なサイズの充電式チェンソーも選択肢に入り、切断能力や安全性の観点ではそちらの方が優れているので一度店舗で実物を見て確認しておくのがおすすめです。
2. リチウムイオンバッテリーのサイズ
高い切断能力を持つハンディチェンソーですが、切断スピードや作業量は装着するバッテリーに大きく左右されます。
バッテリーは大きくなるほど出力が安定し作業時間も増えますが、その分重くなり取り回しも悪くなります。電源の取りにくい場所で作業を行う場合には、小型の予備バッテリーを何本か用意するか、大型バッテリーを準備しておくのがおすすめです。
後述する中国ブランド品に関しては、その大多数が18V-2.0Ahのスリムバッテリーであり、バッテリー容量的には不足を感じることもあります。また、充電速度の面でもACアダプタによる低速充電なので連続作業には向かない仕様となっています。
3. 自動給油機能の有無
ハンディチェンソーはコンパクトで低価格帯の製品なので、チェーンオイル自動給油機能が無い製品も多く販売しています。
枝払いなどのちょっとした用途であればチェーンオイルを気にする必要はありませんが、ガイドバーいっぱいの太枝や板材の解体作業などでは潤滑不足によってソーチェンの焼き付きが発生してしまう場合があります。
負荷の大きい切断作業を行う場合には、作業の合間合間に細かくチェーンオイルを注油するか、自動給油機能を搭載したハンディチェンソーを選ぶようにしましょう。
4.実態不明の中国ブランド品も多いので注意
暴騰でも述べた通り、ハンディチェンソーは中国ブランド品が先行した電動工具です。そのため、通販サイトを中心に実態が不明の輸入品が大量に販売されています。
製品としての基本的な仕様を考えれば、普通に使う分としては問題のない製品ではあるのですが、輸入事業者の実態が不明であったり事故発生時の連絡先の記述が無かったりと不安もある製品なので、安全性の観点から言うと中国ブランド品に関しては実態不明であれば避けた方が良いと言えます。
また、予備のチェーンやバッテリーを手配できないので、バッテリーまたはチェーンが使えなくなったら本体ごと買い替えなければならなかったり、バッテリーがJBRC非対象であるためリチウムイオンバッテリーの廃棄先が無かったりと実使用以外の懸念点も多い製品なので、購入する時は廃棄する方法についても考えるようにしましょう。
ハンディチェンソー 製品ピックアップまとめ
製品名 | 京セラ BHCS-1810L1 | マキタ MUC150D | ミルウォーキー M18FHS20 | ミルウォーキー M12FHS |
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外観 | BEST OF THE BEST | PROFESSIONAL |
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製品解説リンク | – | |||
特長 | 家庭向けの低価格クラス | マキタブランドのプロモデルー | ミルウォーキーブランドのM18 Fuelシリーズ | M12 Fuelシリーズのコンパクトサイズ |
利点 | 京セラブランドの高い信頼性とホームセンターなどでも手軽に買える | ブラシレスモータ搭載による高い安定性と豊富なアクセサリ | バッテリーの種類が多く出力・連続作業量がトップクラス | 6.0Ahバッテリー対応で10.8Vモデルながら連続作業時間に優れる |
欠点 | オイル自動給油機能が無い | プロ用途なので高価 | ガイドバー200mm仕様で大きく重い | 10.8V品としては高価 |
最大切断長さ | 100mm | 150mm | 200m | 152mm |
チェンスピード | 10m/s | 8m/s | 5m/s | 5m/s |
チェン形式 | 1/4P11-28E | 80TXL-32E | – | – |
モータ | ? | ブラシレス | ? | ? |
オイル自動給油 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
オイルタンク容量 | – | 55mL | ? | 77mm |
動作電源 | 京セラ18V | マキタ18V | M18 Fuel | M12 Fuel |
重量 | 1.5kg | 2.0kg | 2.74kg | 2.3kg |
寸法 | 392×84×248mm | 459×90×249mm | ? | ? |
本体価格 | 14,800円(税別) | 36,400円(税別) | 47,800円(税別) | 38,800円(税別) |
販売年月 | 2024年2月 | 2023年8月 | 2023年 | 2022年 |
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