シャーとは剪断作用によって金属板金を切断する工具です。ニブラと同じく板金の切断にしか使えませんが、切断速度は全ての工具の中で一番早く、切りくずがほとんど発生しない金属切断工具です
目次
シャーとは?
HiKOKI(ハイコーキ) 旧日立工機 ハンドシャ CE16SA
シャーとはシャーリングカットという切断を行う電動工具の通称です。これもニブラと同じくあまり聞きなれない工具ですが、板金加工などでは素早く金属切断が行えるため板金を専門に扱う業種の方にとってはなくてはならない工具です
シャーリング加工とは原理的にはハサミによる切断と同じです。二つの刃の間に材料(板金)を挟んで挟み込む事によって切断が行えます。電動シャーは挟み込む刃の部分がモーターに繋がっており、刃の往復運動によって切断を行います。
シャーリングは剪断による切断なので切断スピードが速く、切りくずが発生しないのが特徴です。
どんな作業で使える?
シャーリングは高速に板金切断できることから大きな板金の大まかな切り出しや、切り売りする際の切断などに使われます。
また、金ハサミで板金を切った事のある方は経験があるかと思いますが、シャーリングによる切断は材料の反り・捻じれが発生します。また、切断面にはバリやダレが発生します。厚い材料の場合にはバリ・ダレの処理が必要となります。
このように切断速度が早いシャーですが他の切断工具と異なる特徴もあるので注意しましょう。
シャーの種類解説
シャー
金バサミと同じ剪断の原理で金属を切断するシャーです。
刃の形状はとても小さく少し頼りなく見えますが、その分刃が凄まじい速度で振幅しているため、小さい刃でも金バサミとは比べ物にならないほど早く速度で切断を行います。
切断原理は金バサミそのものなので、切断した板金は歪みます。切り出した板金が厚く・小さく切り出すほど大きく歪むので注意しましょう。
ストレートシャー
ストレートシャーは通常のシャーと同じ剪断作用によって切断を行う工具ですが、切断の方法が若干異なります。
通常のシャーと異なり、ストレートシャーは3つの刃で切り抜く工具です。切り抜くことで切断屑は発生してしまいますが、綺麗に高精度切断できる点は魅力的です。
ストレートシャーは窓抜きにも対応しており、丁寧に切断すればニブラよりきれいに仕上げることができます。(動画参照)
刃は3枚で刃そのものの形状も大きいので刃の交換などを考えると通常のシャーよりもランニングコストが高い傾向があります。
ストレートシャーはマキタの表記で、他のメーカーではメタルカッター・メタルシートカッター・スリッティングシャーとも呼ばれます。
シャーまとめ
適切な材料 | 薄物の金属板金材料全般 |
適切な形状 | 板金・Cチャネル(薄物のみ) |
適さない形状 | 板金以外全般 |
利点 | 火花がでない・精度が高い・切断が速い |
欠点 | 切断対応は板金のみ |