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ネット回線ガチャ外れ物件の救世主 ホームルーターを導入
皆さんは自宅のインターネットはどのような回線を引いているでしょうか。筆者は、物件的な事情で固定回線の引き込みができないため、モバイル回線を固定回線として使用しています。
筆者は仕事場と自宅間でバックアップを兼ねた拠点間ネットワークを組んでいたり、MinecraftやFactorioなどのゲームでMODを満載にしてネットワークプレイをしたりなど、インターネットの使い方が少し荒い方です。固定回線が引けないのは仕方ないのですが、かといって遅い回線を引くのも納得できなかったので、よい感じにモバイル回線をやりくりできないか長らく試行錯誤していました。
今回の記事シリーズでは、ホームルーター回線の実際の使用感や最終的に楽天モバイル5Gミリ波に行き着くまでの顛末を綴っていきます。
最初のホームルーター候補はドコモ home 5G
筆者が今住んでいるのは賃貸賃貸で、オーナーの意向のため光回線を通すことができない物件です。いわゆるネット回線ガチャの外れに該当する物件で、ネット環境の構築に相当難儀しています。
一応、集合住宅向けの固定回線は引けるものの、選べる回線はVSDL方式のフレッツ光(100Mbps)とJ:COM 320Mしか選択肢がありません。どちらも固定のインターネット回線ではあるものの、今時1Gbpsも出ないインターネット回線にお金を出すのは気持ちのいいものでは無いので、それならば理論値で1Gbps以上出るモバイル回線を試してみることにしました。
そこで最初に選んだのはドコモが提供するホームルータープラン home 5Gです。home 5Gは通信無制限の通信サービスで、理論値で下り最大4.1Gbps、実効値でも下り300Mbps出ることもあるサービスらしく、現在の住居で契約できる固定インターネットよりも早い下り速度が期待できます。
この手のモバイル回線は、上り速度が出なかったり、レスポンスが固定回線に及ばなかったり、グローバルIPが付与されないなど実用的な色々な諸問題はあるのですが、それでも背に腹は代えられません。
とは言え、筆者はイーモバイル(現ワイモバイル) からモバイルルーターを使用していた経験もあり、モバイル回線を固定回線として使うことには少し抵抗があります。使い物にならない場合で本体端末の2年縛りを受けるのも面倒なので、今回のhome 5Gの契約では、本体分割購入の月々サポートによる負担金0円を受けない状態でプラン契約を行います。
home 5Gホームルーターは中古品を用意して
home 5Gを契約するには専用のホームルーターが必要です。対応バンドとしてはドコモの5G回線に対応するSIMフリーのモバイルルーターもありますが、契約時にはhome 5G対応機種のSHARP HR01/HR02の端末現品が必要になります。
普通にhome 5Gを契約する場合であれば、月々サポートによって実質0円で端末を入手できるのですが、今回は月々サポートの2年縛りを受けたくない意図があるので、home 5Gの中古端末を購入して契約を行います。
今回、筆者はメルカリでhome 5G対応端末のHR01を購入しました。2023年1月頃に購入した頃は端末価格10,000円前後でしたが、現在は6,000円程度から購入できます。ちなみに、UQ WiMAXからはSpeed Wi-Fi HOME 5G L11とHOME 5Gの名前が入っているホームルーターも販売されていますが、こちらはドコモ home 5Gの対応端末ではないため注意が必要です。
予算が許すなら現行モデルのHR02もおすすめ
ドコモ home 5Gの対応端末には、2021年モデル HR01と2023年モデル HR02の2種類があります。
この2機種は通信速度や対応バンドなど基本的な性能は変わらないのですが、LAN側の使用がが大きく改善されており、HR02ではWi-Fiの通信が最大4,804Mbpsまで向上してEasyMeshも搭載しており、有線LANは2.5Gbps仕様になっているのが特徴です。
さらに、アンテナ搭載数もHR01では7本だったものがHR02では12本に増えており、通信性能が向上しているのも大きな特徴です。通信も安定して5G高速通信が容易になるので、ホームルーターとしての安定度はHR02の方が優位となります。
HR01は中古市場で10,000円を切る価格で販売されており、普通に使うだけならHR01のスペックでも十分な性能を持っているので単純にhome 5Gを導入するだけなら手軽でおすすめなのですが、2.5GbpsLANやEasyMeshを必要とする方であれば20,000円程出してHR02にするのもおすすめです。
製品名 | HR02 | HR01 |
---|---|---|
外観 | ||
最大通信速度 | 5G:下り4.2Gbps/上り218Mbps 4G:下り1.7Gbps/上り218Mbps |
5G:下り4.2Gbps/上り218Mbps 4G:下り1.7Gbps/上り131.3Mbps |
対応バンド | 5G NR(sub6):n28 / n78 / n79 4G LTE(FDD-LTE):B1 / B3 / B19 / B21 4G LTE(TD-LTE):B42 |
5G NR(sub6):n28 / n78 / n79 4G LTE(FDD-LTE):B1 / B3 / B19 / B21 4G LTE(TD-LTE):B42 |
内蔵アンテナ数 | 12 | 7 |
Wi-Fi | IEEE802.11a : 54Mbps IEEE802.11b : 11Mbps IEEE802.11g : 54Mbps IEEE802.11n : 600Mbps IEEE802.11ac : 3467Mbps IEEE802.11ax : 4,804Mbps |
IEEE802.11a : 54Mbps IEEE802.11b : 11Mbps IEEE802.11g : 54Mbps IEEE802.11n : 300Mbps IEEE802.11ac : 867Mbps IEEE802.11ax : 1.2Gbps |
Wi-Fi EasyMesh | 〇 | × |
Wi-Fi接続デバイス数 | Wi-Fi:64台 | Wi-Fi:64台 |
有線LAN | 2.5GBASE-T×1 1000BASE-T×1 |
1000BASE-T×1 |
電源 | ACアダプタ | ACアダプタ |
寸法 | 95mm×95mm×170mm | 95mm×95mm×170mm |
本体価格 | 71,280円(税込) | 39,600円(税込) |
販売年月 | 2023年03月 | 2021年08月 |
ドコモ home 5Gは2023年4月からオンラインでも契約可に
筆者がhome 5Gを契約した2023年1月時点ではドコモショップへ現品持ち込みでしかhome 5Gの契約はできなかったのですが、2023年4月からはドコモオンラインショップ上でも契約ができるようになりました。
SIMのみ新規・契約変更(5Gへの変更等)から、STEP1でnanoSIMカードを選ぶと、下の画像のようにSTEP2でhome 5Gのオンライン契約を進められます。
実際のドコモ home 5Gの速度測定
実際にドコモ home 5Gの契約を完了して自宅に設置して速度計測したところ、測定速度は下り約100Mbps、上り約10Mbps程になりました。
一応、この結果は5Gの電波を掴んで通信した時の結果なのですが、筆者のドコモエリアは5Gエリアのギリギリの場所なので、5G通信はあまり安定しません。設置位置を調整すれば継続的に5G接続になるのですが、稀に5G接続が安定せず4G接続になる場合もあります。
SNSを見る限りでは、下り300Mbpsの速度が出る方もいるので、この辺りは5Gエリアの位置や周囲の回線込み状況によりけりなのでしょう。
ドコモ home 5Gは意外と悪くなかったが、5Gエリア端では十分な速度が出ず
ホームルーターによるインターネット回線はレスポンスや通信速度こそ光ファイバーの固定回線には及ばないものの、ドコモhome 5Gは意外と悪いものではなく、一般的なブラウジングやテレビからのストリーミング視聴で困るようなことはほとんどありませんでした。
筆者にとってのモバイルルーターはイーモバイルのPocket WiFi (D25HW)の頃のイメージが強く、固定回線として使うには安定感も含めて難があると思っていたのですが、突然切断されるようなこともほとんど無く、モバイル回線で実効値100Mbpsも出るのは良い時代になったもんだなと思います。
実際のhome 5Gの評価としては、普通の人が普通にインターネットを使う範疇であれば十分なレベルだと思っています。
ドコモ home 5Gは中古の端末を手配すれば数千円で2年縛りの無い使い放題回線が手に入りますし、2年以上使う予定なら、普通に契約しても良さそうです。ちなみに、home 5Gは1年以上使用していましたが、通信のし過ぎによる速度制限のような挙動は全くありませんでした。
筆者はNASによる自宅と仕事場間の拠点間ネットワークや企業HPに掲載しているカタログPDFの自動ダウンロードなどを頻繁に行っており、ネット負荷は高い方のため完全に満足できたわけではありませんが、それも少し我慢すれば何とかなるレベルです。しかしながら、上りはどう頑張っても10Mbpsしか出ないので拠点間ネットワークとして使うにはやはり難があります。
ドコモのサービスエリア計画を見てみると、筆者の近隣地域の5Gエリア化が進んでいるので筆者のエリアも5Gエリアに入ることを期待していたのですが、何時まで経っても筆者のところにドコモ5Gエリアが伸びる気配が無く、むしろドコモ5Gではなく、楽天モバイルの基地局が目視で確認できる位置に立っていることが確認できてしまいました。
そんなわけで、5Gエリアの状況としてはドコモよりも楽天モバイルの方が優位な可能性がでてきてしまったので、次回はHR01のhome 5GのSIMを楽天モバイルのSIMに変えて運用してみます。