
- Nintendo Switch Proコントローラー「スティック」の修理方法を解説
- コンタクトスプレーを使うので、エアーダスターだけで直らない場合に有効
- スティックの「入力が不安定」「操作がガクガクする」などが直る
- 「1方向に固まったまま」「操作しても動かない」は直らない
- 分解はメーカー保証対象外、修理は自己責任で
息抜き代わりにSplatoon2の対戦やサーモンランを1,2回プレイする事も多いんですが、最近、愛用しているプロコントローラ(プロコン)の左スティックの動きが悪くなってしまいました。
今回は、動きの悪くなってしまったNintendo Switch Proコントローラー(プロコン)の左スティックの動作不良を修理方法を解説します。
目次
プロコンの左スティックは動作不良が発生しやすい(らしい)

ある日、このプロコンでSplatoon2をプレイしていると、キャラの移動が急に失速したり、不意に止まったりと挙動不審な動きが目立つようになってしまいました。
もしや、と思いSwitchのスティック補正設定で確認してみると、スティックを前に倒しても前に移動しない、移動してもガクガク震えている状態になっていたことがわかりました。
この不良は、Splatoonプレイ中のプロコンで特に発生しやすい様で、様々なユーザーが発生の同様の報告を上げています。
スティック不良は修理依頼できるけど…

さて、この左スティックの不良問題なのですが、webや通販サイトを見てみると「修理に出しても再発した!」等の情報も寄せられているようで、どうやら修理に出しても解決にはならないようです。
ちなみに、任天堂サポートページのNintendo Switch Proコントローラーの修理交換の参考価格を見てみると、2,750~4,290円と新品プロコンの半額程度の費用が掛かります。
修理送付の手間や修理完了まで遊べないことを考えると、自力で直しても良いのでは?と考えたので修理に挑戦してみます。
分解修理に用意するもの

今回、プロコンの動作現象からスティック部品の接触不良が原因と考えられるので、接点状態を回復するための洗浄作業で修理を行います。接点洗浄では4つの道具を用意します。ホームセンターなどで購入できます。
プロコンはプラスドライバー#0だけでも分解できますが、ネジ頭を痛めてしまう可能性が高いので#1サイズも用意しましょう。セットになった精密ドライバーを用意すればOKです。
接点を復活させる潤滑剤にはさまざまな製品がありますが、今回はKUREのコンタクトスプレーを使用します。通常の潤滑剤(CRE556等)などは接点を回復させる効果はないため、必ず「電気系統の接点」や「電気接点の機能の回復」「接点復活材」と記載された潤滑剤を使用します。
精密ドライバーでプロコンを分解!

最初に分解するのはグリップ部分の固定ネジです。この部分は左右で一本ずつのネジで固定されており、ネジを外すとグリップが取り外せるようになります。

次は、プロコン裏側のバッテリーカバーの分解です。バッテリーカバーは写真の丸部分の4箇所でネジ止めされており、このネジを外すと半透明のカバーば外すことができます。

この時、バッテリーも取り外せるようになるので、安全のためにバッテリーを抜いておきます。

最後に、基板を収めているケースの固定ネジ5本を取り外すと、プロコンの基板が露出します。内部に両面テープが張られているため、分解するときには少し力を必要とします。基板は2枚に別れてフラットケーブルで繋がっている構造なので、フラットケーブルを傷つけないよう注意してください。
コンタクトスプレーでレバーを清掃

はじめに、動作不良のレバー内のホコリをエアーダスターで払います。全体的に風を吹きかけてホコリや粉を取り除きましょう。レバーも動かしながら風を送って隙間の部分のゴミも吹き飛ばします。

次に、コンタクトスプレーをレバー全体に吹きかけます。汚れを吹き飛ばすように強い噴射で全体的に洗浄してください。この時、潤滑剤が基板に飛び散らないようにティッシュなどで囲んで保護します。

この時、コンタクトスプレーの噴射液をレバー以外に付着しないように注意します。コンタクトスプレーの成分はフラットケーブルなどのフィルム素材の成分を侵す場合があるので細心の注意を払います。
最後に、コンタクトスプレーの余分な残留成分を除去するためにもう一度レバー全体にエアーダスターを吹きかけます、これでレバーの清掃は完了です。
スプレーが終わったらプロコンを再組み立て

ここまでできたら、分解と逆の工程でコントローラを組み立てるだけです。
ネジの閉め忘れやバッテリー取付を忘れたままバッテリーカバーを閉じない様に注意しましょう。
レバー組み立て後の動作確認
元通り組み立てが完了したら、もう一度コントローラの補正設定を表示して、スティックの動作を確認してみます。
レバー内の洗浄ができていれば、スティックが正しく動くようになります。不良が治らなければ、もう一度洗浄して様子を見ます。
同じ不良が発生しないようにグリスも塗布する

この不良はスティックの軸が削れた時に発生する粉が原因と言われています。ですが、実際はレバー自体の初期不良のような感じもするので、グリスを塗るのは操作性の改善がメインです。
スティック軸にグリスを塗ると滑りも良くなり、操作性も格段に上がります。ちなみに、一部のグリスはプラスチックを侵してひび割れや変色の原因にもなるので、プラスチック専用と書かれたグリスを使用してください。
写真のサンハヤト製プラグリースPGR-57は廃盤なので、KURE(呉工業) シリコングリースメイトを薄く塗布するのがおすすめです。
プロコン修理まとめ

左スティック動作不良問題は発生率が高い不良で一般的には粉の侵入が原因と言われているようです。
はじめはエアーダスターによる清掃だけでなんとかしようとしましたが、効果があるのは一瞬だけで、すぐに元の不良現象が再発してしまう状態でした。
そこで今回、コンタクトスプレーを使ってレバー洗浄まで行うことで、レバー接点の接触不良を解消することができました。レバー洗浄を行ってから3年近く経過していますが、これまで左スティック不良は再発しておらず、快適な操作が続いています
今回の修理を行う場合の注意点ですが「メーカー保証外」になること、「今後致命的な破損に至る可能性がある」ことに留意してください。
メーカー保証外になるのは当然ですが、プラスチックや電子部品に薬剤を塗布すると、数年経過した後でケミカルクラック(溶剤亀裂)や電子部品の破損を引き起こす場合があります。
今は問題がなくても、後々この修理が原因で問題が起きる可能性もあるので、実際に修理する場合は注意してください。