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住居が楽天モバイル5Gエリア範囲内になったので楽天モバイルに移行
前回、自宅に固定回線を入れられない関係からホームルーターにドコモ home5Gを導入しました。
速度計測で100Mbps程度の速度が出て意外と使い勝手も悪くなかったのですが、待てども待てども5Gエリア増強が行われずに通信状態も安定しない日が続く中、ある日ドコモ以外の5Gエリアを調べてみたところ、楽天モバイルが5Gエリア範囲内になっていたので更なる高速化を期待して楽天モバイルに乗り換えることにしました。
2020年頃にモバイル通信事業に参入した楽天は、サービス開始当初こそエリアや通信品質に色々と難のあったブランドだったのですが、昨今は通信品質の改善も進んでいるようで、特に5Gの分野においては国内3台キャリアを凌ぐペースで5Gエリアが拡大しているようです(特にミリ波エリア)。
さらに、料金面においてもドコモ home5Gは4,950円(税込)なのですが、楽天モバイルは楽天最強プランで3,168円(税込)と2,000円近い価格差があります。これを1年分とすれば年間20,000円になるため価格面も無視できません。
そんなわけで、自宅のエリアが楽天5Gエリアに入ったこととインターネット回線維持費のコスト低減を期待して、ドコモ home 5Gから楽天最強プランの移行を試してみます。
HR01はSIMフリー端末なので楽天モバイルにも対応しています(4Gのみ)
楽天モバイルのホームルータープランにはRakuten Turbo 5Gもありますが、今回は通常プランの楽天最強プランを契約します。楽天最強プランでは通話可能な電話番号が付いてしまいますが、モバイルルーターに入れてもそのまま使用できます。
Rakuten Turbo 5Gプランに関しては、Rakuten Turbo 5G端末の契約が必須なので料金的なメリットが無くなってしまう点と、Rakuten Turbo 5G端末がミリ波(n257)に非対応のため見送ることにしました。また話によると、Rakuten Turbo 5G端末はAPN設定を変えることができないので、事実上のSIMロック状態にあるためリセールが極めて難しくなっているようです。
一応、データ通信専用のRakuten最強プラン(データタイプ)もありますが、こちらはメイン契約回線のタブレットやパソコン用のサブ回線に位置付けされているようで金額も楽天最強プランと同じ価格となっています。
使用するモバイルルーターは、前回と同じSHARP HR01を使用します。ドコモの端末ですが、SIMフリー状態なのでドコモ以外のSIMカードを挿入して設定を変えれば他のキャリアでも通信が可能です。
ただし、楽天モバイルの5Gバンドはn77であり、HR01はn78/n79バンドにしか対応していないので楽天モバイルの5Gには接続できません。
4GバンドにおいてHR01は楽天モバイルの3/28バンドに対応しているので、HR01に楽天モバイルで運用する場合では、4G通信でサービスを使用することになります。
Rakuten最強プランのSIMカードを購入&HR01セットアップ
楽天モバイルの契約はオンライン上で行えます。Web上で契約を完了すると3日程度でSIMカードが届くので、それをHR01に挿し直してAPN設定を変更すれば楽天モバイル仕様のモバイルルーターになります。
最初にHR01裏面のSIMカードの蓋を開けて、ドコモのSIMから楽天モバイルのSIMに入れ替えて電源を入れます。そうすると圏外状態を表す赤いランプが点灯するので、HR01にログインしてAPN設定を書き換えます。
HR01は、「http://web.setting」にアクセスすると設定画面が開きます。このアドレスで接続できない場合は「http://192.168.1.1/」で接続してみましょう。
ログインすると左の設定タブにAPNプロファイル設定の項目があるので、それをクリックしてAPNプロファイルの設定画面に入ります。
APNプロファイルにはデフォルトでドコモのAPNしか入っていないので、「新規」ボタンを押して楽天モバイルのAPNプロファイルを追加します。
楽天モバイルのAPNプロファイルは下記の表を元に入力します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
プロファイル名 | 楽天モバイル |
ユーザー名 | rm |
認証方式 | CHAP |
IPタイプ | IPv4/IPv6 |
APN名 | rakuten.jp |
パスワード | 空欄 |
IPタイプ | IPv4/IPv6 |
APNが保存出来たら、チェックボックス追加した楽天のAPN設定に切り替えて適用ボタンを押して設定が切り替わるのを待ちます。
ちなみに、筆者の場合、楽天モバイルのSIMを挿入してAPN設定も変更したのですが、なぜか楽天モバイル回線に接続されずに圏外を示す赤色LEDが点灯する状態になってしまいました。その場合、裏面のREBOOTボタンを押すことで接続できるようになるようです。
SHARP HR01 + 楽天モバイルの計測結果
そんなわけで、HR01に楽天モバイルSIMをセットアップして速度計測を行った結果、下りは約150Mbps、上りは約50Mbpsになりました。
前回、ドコモhome 5Gでは下り約100Mbpsでしたが、楽天モバイルに切り替えることで約1.5倍の回線速度を得ることができました。接続しているのは楽天モバイルの4Gバンドなのですが、ドコモ5Gエリアの端より楽天4Gエリアの方が通信速度は速いようです。
速度は向上したが通信が安定しない現象がネック
最近、色々と良い意味で話題な楽天モバイルですが、実際使ってみると評判通り悪くない回線です。
ホームルーターとして使用していても今のところ特に制限などは受けておらず、どれだけ使用しても通信制限がかかっている挙動も見られないので、普通のネット回線として十分使用できています。これでドコモhome 5Gよりも早くて価格も安く済んでいるので、ネット回線のコスト見直しとしても結構アリなんじゃないかなと思っています。
ただ、通信挙動には難がある点も見られ、30分に1回程度の頻度ではあるものの突然通信が遮断される(パケットが一気に破棄されている?)現象が発生する時があります。ストリーミングなどのサービスであれば自動的に再ダウンロードが始まるので問題はありませんが、ゲームなどでは頻繁に接続がタイムアウトになってしまうため、この点については頭を抱えています。
またレイテンシもドコモhome 5Gよりも悪い傾向にあり、フレーム判定など通信品質がシビアなゲームなどでは結構使い難い印象です。スプラトゥーンのマルチプレイでは突然前触れもなく回線が切断されてしまい、Factorioマルチプレイでは頻繁に同期ズレが発生してプレイが停止してしまう状況でした。この辺りは、HR01との相性なのかLANが悪いのか楽天4Gの設備的な問題なのか切り分けられそうにないので諦めの部分です。
ちなみに、ネット上の情報を見ると「HR01/HR02は楽天モバイルで5G通信ができる」と書いてある記事や動画も見かけるのですが、実際のところHR01を楽天モバイルで運用すると4Gバンドでしか通信できません。
5Gバンドの技術的な話として、n77バンドはn78バンドの周波数を内包しているため、HR01に楽天モバイルSIMを装着すると通信を行っていない待機中のみ5Gエリア内と判定されることがあるようです。ただし、通信を始めるとn77バンドの周波数が欠損するため、5G通信不可としてすぐに4Gに切り替わる挙動となります。
さて、今回の楽天モバイルへの移行は5Gに期待したものだったのですが、HR01の対応バンドの関係から4Gでしか通信できないのは、もったいない感じがします。それでもhome 5Gよりも早くなってはいるのですが、本来の5Gは固定回線並の速度が出る通信規格なので、5Gエリアにいる以上、端末もHR01から別のモバイルルーターに変更して速度向上を目指したいと思います。
まとめ
ドコモ home5G端末+楽天モバイル
SHARP HR01に楽天モバイル最強プランのSIMを挿して運用
- SIMフリー端末なので差し替えてAPN再設定で使える
- home5G運用より安い
- エリアが微妙な5Gより早い
- この組み合わせは4Gしか接続できない
- 通信がたまに遮断する