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4Kモニター INNOCN 27C1Uをレビュー
今回レビューする製品は、中国深セン市のモニターブランド INNOCN 4Kモニター 27C1Uです。本製品はsRGBカバー率100%、ブルーライト軽減機能、5Wデュアルスピーカーを搭載する低価格帯の27インチ4Kモニターです。
筆者はPCの作業ウィンドウを一気に展開してから作業を進めることが多いので、高い解像度を持つ4Kディスプレイは作業に欠かせない存在として注目していました。
メインモニターとしてはBenQの4KモニターEW3270Uを既に使用していますが、サブディスプレイはフルHDモニターのままだったので、4Kサブモニターとして27C1Uを活用することにしました。
27C1Uは、4Kモニターとしては普及帯の価格に位置する多目的のモニターです。リフレッシュレート60Hzなのでゲーミング用途に特化したモニターではありませんが、価格と性能面では優れたコストパフォーマンスを誇り、事務用途やカジュアルゲームなどで十分におすすめできるモニターです。
27C1U製品仕様
製品名 | 27C1U |
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外観 | |
メーカー | INNOCN(深セン市世紀創新顕示電子有限公司) |
画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 3840 x 2160p(4K UHD) |
パネルタイプ | IPS |
HDR | HDR400 |
視野角 | 178° |
画面比率 | 16:9 |
輝度 | 400nits |
コントラスト | 1000:1 |
内蔵スピーカー | 5W×2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
映像入力ポート | DisplayPort1.4・USB-C・HDMI 2.0×2 |
USBポート | USB-A 3.0×2 |
Type-Cポート電力供給 | 最大65W |
オーディオ出力ポート | 3.5mmオーディオ |
スタンド高さ調整幅 | 120mm±5mm |
スタンドチルト調整幅 | 前傾:5°±2° 後傾:20°±2° |
スタンド左右回転幅 | ±15° |
VESA | 75×75mm |
重量 | 本体のみ:3.8kg スタンド含:5.7kg |
寸法 | 116×116×241mm |
販売年月 | 2022年3月 |
Innocn27C1Uの機能と仕様について
27C1Uは4Kの解像度を持つ27インチのモニターです。モニターの明るさは400nitsの仕様を持ち、IPSパネルの採用により優れた色精度と広い視野角を持ちます。ただしIPSパネルは応答速度が遅い傾向があるので、本格的なゲーミング用途としては物足りなさを感じるとされています。
モニターそのものの表現力としては100%sRGBおよび98%DCI-P3カバレッジを主張しています。実際に見た感じでは確かに色味や精細さに優れており、表現力そのものを比較するのであればBenQ EW3270Uよりも優れている印象があります。
メニュー上のモード切替では「Adobeモード」と呼ばれる表示モードもあるので、アートワーク作業に適した作業モニタとして活躍できそうです。
27C1Uのスタンドと外観デザイン
27C1Uは高さ・左右・チルト・回転機能を備えた高性能なスタンドが付属しています。しかも組立分解できる方式なので、使わない場合でも保管場所を圧迫しない至れり尽くせりなスタンドです。
スタンドの組立も簡単で、アームをスタンドに差し込んで裏のネジで締結するだけの簡単設計です。
モニターにスタンドを装着した時の状態がこちら。工具レスでしっかり装着できるので安定感にも優れています。
標準付属スタンドは高さを自由に調整できます。画像はモニタを一番下に降ろした場合の位置。
こちらはモニタを一番上に上げた時の位置です。高さ調整は無段階で調節できるので、机や姿勢・体格に合わせて美行政が可能です。
スタンドごと動かさなくても左右に調節できる機能も搭載
90度回転させて縦表示にもできます。モニターには重力センサも搭載しているので、縦に切り替えた場合は自動で解像度を調節してくれるのでOS側での再設定の必要がありません。
背面ポートの構成
27C1Uには、HDMI2.0が2つ、DisplayPort 1.4が1つ、USB-Cが1つの映像入力ポートを備えています。
HDMI・DPは昨今のディスプレイであれば標準入力として搭載されるべきポートですが、さらに65Wの電源供給が可能なUSB Type-Cポートを備えているのはちょっと珍しいポイントかもしれません。
27C1UのUSB Type-Cポートは拡張規格Alternate ModeによるDPポート機能を搭載しており、USB Type-C機器側で映像出力と充電機能に対応していれば、C to Cケーブルで接続するだけで映像出力と充電の両方を同時に行えます。
標準USBポートはモニターに接続することでUSBハブとして動作します。
VESA装着も問題なし、マウント寸法は75×75mm
筆者のPCデスクは、エルゴトロンのLXデスクマウントアームを使用しているので、VESAマウントに装着して使用します。エルゴトロンのマウントに代表されるVESAマウントの外径は100mm×100mmのものが多いですが、干渉することなく27C1Uに装着できます。
意外と便利なRIP機能、2台デバイス同時表示で監視用途にも
27C1Uが搭載する特徴的な機能に、複数の映像入力を同時に表示するRIP機能があります。
この機能を使用すると1台のディスプレイで同時に2つの映像を表示できるので、メイン入力に最も使う機器の映像を表示しながら、サブ表示にスマートフォンやタブレット・メンテナンス中のPC画面を表示するなど、管理や保守作業などへの活用も可能です。
価格相応で発色も良く、作業に最適な4Kディスプレイ
今回紹介したINNOCN 27C1Uは、多用途で使用する4Kモニターとして最適な製品です。基本的な製品仕様ではゲーミングモニターや高精細なモニターに勝る仕様では無いものの、価格相応の4Kモニターとしては十分以上な実仕様を備えており、実際に使い勝手を考えれば困るようなようなことは無いでしょう。
個人的な評価としては色の表現が気に入っており、仕様上はHDR400の標準程度の輝度でありながらも、数値以上の表現力を持っているのが好印象です。筆者はAdobe LightroomやPhotoshopを良く使用するため、画像関係の作業は27C1Uにウィンドウを移動させてから使用することが多くなりました。
付加価値の面では、使い勝手に優れる標準スタンドやType-Cポートに必要とされる機能を満たしたUSB映像入力機能など、その部分はほかの同価格帯の4Kディスプレイには無い魅力です。
ちなみに最も残念なのが「スリムベゼル仕様だが非表示範囲がある」点です。Amazonなどの製品画像ではベゼル幅が数ミリしかない仕様に見えますが、実際はディスプレイ領域に表示されない部分があるので、製品ページにあるような極薄ベゼルのような映像出力はできないので注意が必要です。