京セラインダストリアルツールズ株式会社(本社:広島県福山市)は、2024年2月に充電式刈払機 DK3610/DK3610Lを発売する。排気量30mLのエンジン式に匹敵するパワーで密集した草もスムーズに刈れる製品仕様を備える。本体希望小売価格は17,800円(税別)
目次
京セラ 充電式刈払機 DK3610/DK3610L
京セラインダストリアルツールズ株式会社は、2024年2月に充電式刈払機 DK3610/DK3610Lを発売します。
DK3610/DK3610Lは、京セラ デュアルパワーボルトバッテリーに対応する排気量30mLのエンジン式のパワーに匹敵する性能の充電式刈払機です。
デュアルパワーボルトによる36V動作と高出力化を図ったブラシレスモーターの搭載により、エンジン式同等の使用感ながらも騒音や排気ガスの臭いが気になる草刈りシーンに活用できます。
ハンドルの形状は、平面の草地に適した両手ハンドル仕様 DK3610と、傾斜の多い草地に適したループハンドル DK3610Lの2種類をラインアップします。
販売仕様は、バッテリー充電器が付属するL2仕様と本体のみ仕様で販売します。
- DK3610L2 バッテリー・充電器付属 希望小売価格89,500円(税抜)
- DK3610 本体のみ 希望小売価格64,300円(税抜)
- DK3610LL2 バッテリー・充電器付属 希望小売価格89,500円(税抜)
- DK3610L 本体のみ 希望小売価格64,300円(税抜)
製品仕様
製品名 | DK3610 | DK3610L |
---|---|---|
外観 | ||
刈刃寸法 | 255mm | 255mm |
ハンドル形状 | 非対称Uハンドル | ループハンドル |
無負荷回転数 | 3,500~6,500min-1 | |
バッテリー | デュアルパワーボルト | |
重量 | 5.1kg | 4.8kg |
寸法 | 1,798×583×485mm | 1,798×255×228mm |
本体価格 | 64,300円(税別) | 64,300円(税別) |
販売年月 | 2024年02月 |
製品の特徴
「デュアルパワーボルト搭載のエンジン式30mL相当パワー刈払機」
36Vの高電圧バッテリーと京セラ独自設計の高効率・高出力ブラシレスモーターの組み合わせによって排気量30mLのエンジン式に匹敵するパワーを実現。密集した草もストレスなくスムーズに刈れます。
エンジン式と同等の使用感の回転数調節方法
先端を軽くし重心位置をエンジン式と同じ後方に配置。刃の回転数調節方法もエンジン式と同じ、任意の速度に調節できるレバー式を採用。エンジン式と同じ感覚で扱えます。
ハンドル構造の異なる2仕様を展開
ハンドルタイプは、平地と傾斜地などシーンに合わせて両手ハンドルとループハンドルの2タイプをラインアップ。
両手ハンドルは、体の中心に近い位置でハンドルを握れて腕や腰の負担を軽減できる左右非対称の形をしたハンドルを採用しています。
チップと鋸刃の2種類の刃を備えた切れ味抜群のダブルカットチップソー
チップと鋸刃2種類の刃が備わり、長めの草も楽に刈れ、作業効率が上がるダブルカットチップソーを標準付属しています。
マキタ 充電式刈払機 MUR006Gとの比較
エンジン式30mL相当の充電式刈払機としては、マキタ 40Vmax MUR006Gが競合します。
カタログスペックとしてはほぼ同等の2製品となります。重量では僅かに京セラ DK3610の方が優位ですが、マキタ MUR006Gは標準付属のBL4040バッテリで測定しているため、本体重量としてはほぼ同等と推測されます。
製品以外の部分で評価した場合、最も異なるのは1充電あたりの最大作業面積です、京セラDPバッテリーは2.5Ah仕様しか無く約56坪が1充電の作業量限界ですが、マキタ40Vmaxは最大8.0AhのBL4080Fもあり、さらにポータブル電源のPDC1200によって10倍以上の作業量を確保することも可能です。この点から、電源の無い環境下での刈払い作業ではマキタ MUR006Gの方が使いやすいと言えるでしょう。
あとは、外観の個人的な好みですが、京セラ DK3610の外観はちょっとずんぐりとしていて見た目があんまりよくないので少し印象悪めです。この辺りはマキタMUR006Gのすっきりとした外観の方が好みです。
製品名 | DK3610 | MUR006G |
---|---|---|
外観 | ||
相当排気量 | 30mL | 30mL |
刈刃寸法 | 255mm | 255mm |
ハンドル形状 | 非対称Uハンドル | 非対称Uハンドル |
無負荷回転数 | 3,500~6,500min-1 | 0~7,000min-1 |
バッテリー | デュアルパワーボルト | 40Vmax |
1充電あたり 最大作業面積 |
約56坪 (DB3625) |
約68坪 (BL4040) |
重量 | 5.1kg | 5.3kg |
寸法 | 1,798×583×485mm | 1,870×583×460mm |
本体価格 | 64,300円(税別) | 63,600円(税別) |
販売年月 | 2024年02月 | 2023年03月 |
市場的には優位点を見いだせず、シリーズの弱みが最大の欠点
今回の京セラDPバッテリー刈払機に関しては、要点とする製品仕様は他社相当に抑えているものの、市場環境が良くない中で販売された製品であり、ほとんどのユーザーにとって見かける事すらない製品になるかもしれません。
京セラインダストリアルツールズの家庭用18V園芸ツールの分野では、ホームセンターや家電量販店に一定の販路を確保しており、その黄色いボディと低価格さから一定の売行きはあるようで、家庭向け製品として国内市場の一角となっている印象があります。
その点、今回のDPバッテリー仕様は京セラが販路をほとんど確保できていないであろうプロユース仕様の園芸製品であり、2022年のDPバッテリーシリーズ展開から数えて5製品目という製品開発ペースの遅さが目立ちます。
バッテリー価格の点でも京セラDPバッテリーは不利な立場にあり、DPバッテリー DB3625Lは低価格バッテリーを強みとするHiKOKI マルチボルトよりも高く、マキタの40Vmaxの4.0Ahバッテリー BL4040と同じ価格で販売されています。現状、バッテリー価格的な優位性もほとんどありません。
園芸機器としての観点からも、昨今のシリーズ展開を強めるマキタ 40Vmaxシリーズとは天と地ほどの製品ラインナップ差があり、これを埋めることは現状不可能と言えます。他の京セラ DPバッテリー製品に関しても、ディスクグラインダとチェンソーの2種しか無く、既存18V製品との強みも活かしにくいため、今回の京セラDP刈払機に関しては様子見の製品と言えそうです。
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2021年3月発売
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