電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年6月に40Vmaxシリーズの充電式ハンマドリル HR010Gを発売する。40Vmaxバッテリー搭載でワンハンドサイズながらも従来機比較で約2.3倍の高速穴あけを実現する。はつり可能な3モードも備え無線連動AWSや集じんシステムに対応する。本体標準小売価格は58,000円(税別)
目次
マキタ 20mm充電式ハンマドリル HR010G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年6月に40Vmax 充電式ハンマドリル HR010Gを発売します。
HR010Gは、最大穴あけ径20mmに対応する40Vmaxシリーズの充電式ハンマドリルです。40Vmaxバッテリーとハイパワーブラシレスモータの搭載により、従来18Vモデル比で約2.3倍の高速穴あけ作業を実現しています。
集じんシステムの装着やマキタの無線連動AWSに対応しており、軽量コンパクトながら集じん作業にも対応する使い勝手の良い充電式ハンマドリルとなっています。
販売仕様は、バッテリーと充電器が付属するGRDXのほか、集じんシステム付属するV仕様を加えた4仕様で販売します。
- HR010GRDX バッテリBL4025×2本・充電器DC40RA・ケース付属 希望小売価格113,900円(税抜)
- HR010GZK 本体のみ・ケース付属 希望小売価格58,000円(税抜)
- HR010GRDXV バッテリBL4025×2本・充電器DC40RA・ケース付属 希望小売価格122,800円(税抜)
- HR010GZKV 本体のみ・ケース付属 希望小売価格66,900円(税抜)
製品仕様 (18Vモデル HR183D比較)
製品名 | HR010G | HR183D |
---|---|---|
外観 | ||
穴あけ能力 | コンクリート:20mm 鉄工:13mm 木工:26mm コアビット:35mm ダイヤコアビット:32mm |
コンクリート:18mm 鉄工:13mm 木工:24mm |
ストローク径 | 0~1,350min-1 | 0~1,100min-1 |
打撃数 | 0~5,000min-1 | 0~5,000min-1 |
バッテリー | 40Vmax | 18V |
振動3軸合成値 | ハンマドリル:8.5m/s2 ハンマドリル:7.3m/s2 |
ハンマドリル:7.4m/s2 |
重量 | 2.6kg | 2.2kg |
寸法 | 289×93×217mm | 288×86×215mm |
本体価格 | 58,000円(税別) | 40,400円(税別) |
販売年月 | 2023年06月 | 2023年02月 |
製品の特徴
「40Vmaxモデルの小型・軽量ボディ充電式ハンマドリル」
HR010Gは、40Vmaxバッテリーの対応とハイパワーブラシレスモータの装着により、従来18Vモデル比較で約2.3倍の穴あけスピードと最大Φ20mmの穴あけに対応したワンハンドサイズの充電式ハンマドリルです。
コンパクトサイズながらも、18Vモデルに匹敵する軽量モデルなので、作業時の身体への負担も軽減できます。
ハツリ対応の3モード作業に対応
小型サイズのハンマドリルながらも、打撃のみのハツリモードも搭載しています。ちょっとしたケレンやタイルはがしなどの作業に活用できます。
集じんシステムDX16装着でクリーンな作業
本体に装着して粉じんを回収する集じんシステム DX16に対応。
400mlの集じん容量とHEPAフィルタを搭載し、90%以上の集じん率によってコンパクトサイズながらもクリーンな現場作業を実現します。
マキタの無線連動集じんAWSに対応
マキタの無線連動集じん機能 AWSにも対応。充電式ながらも集じん機と連動できます。
防じん防水IP56に適合
防じん防水保護等級IP56に適合、屋外作業時の急な雨天や粉じんの舞う環境下での作業にも対応します。
HiKOKI コードレスロータリハンマドリル DH18DPAとの違い
小型サイズの充電式ハンマドリルで競合するのはHiKOKI DH18DPAです。
この2機種を比べてみると、製品仕様の面で大きな違いがあり、マキタ HR010Gは高性能高価格製品、HiKOKI DH18DPAは低価格コストパフォーマンスモデルと言える仕様を備えています。
この辺りはユーザー毎の好みの違いとなり、低振動で集じんシステム対応に対応するマキタ HR010Gか、価格が安く軽量なHiKOKI DH18DPAの比較になるため、どちらに価値を見出せるかが大きなポイントとなります。
性能的な面で言えば、40Vmaxバッテリーで動作し、最大穴あけ径が20mmの仕様であるHR010Gが圧倒的と予想しています。個人的な意見となりますが、ハンマドリルのようなコンクリートに対する穴あけ作業は快適さの方が重要になってくるので、コスパよりかは性能や使い勝手を重視して選んでも良いのではないかなと思っています。
ちなみに、HiKOKIのもう1つ上のクラスには28mmモデルのDH3628DBがあり、そちらも集じんシステムに対応しているのですが、集じんシステム装着時には最大穴あけ径20mmに制限されてしまいます。集じんシステム装着時20mmまでの運用を予定しているのであれば、HR010Gの方が取り回しの面で圧倒的優位になると考えています。
製品名 | HR010G | DH18DPA |
---|---|---|
外観 | ||
穴あけ能力 | コンクリート:20mm 鉄工:13mm 木工:26mm コアビット:35mm ダイヤコアビット:32mm |
コンクリート:18mm 鉄工:13mm 木工:18mm |
動作モード | 回転打撃/回転/打撃 | 回転打撃/回転 |
無負荷回転数 | 0~1,350min-1 | 0~1,080min-1 |
打撃数 | 0~5,000min-1 | 0~5,500min-1 |
バッテリー | 40Vmax | 18V |
振動3軸合成値 | ハンマドリル:8.5m/s2 ハンマドリル:7.3m/s2 |
回転+打撃:9.9m/s2 |
集じんシステム | DX16 | ×(集じんカップ) |
無線連動 | AWS | Bluetoothバッテリー |
重量 | 2.6kg | 2.3kg |
寸法 | 289×93×217mm | 273×81×211mm |
本体価格 | 58,000円(税別) | 33,200円(税別) |
販売年月 | 2023年06月 | 2020年10月 |
製品仕様的にマキタ圧倒の小型ハンマドリル分野
今回のHR010Gに関しては、マキタ2023年春カタログから発売予告が行われていた製品であり、発売告知日と実際の発売日程がズレてしまったらしいマキタとしては少し珍しい経緯での発売となった製品です。
小型サイズのハンマドリルとしては、圧倒的な性能を搭載している製品に仕上がっています。特に、集じんシステム装着で20mmに対応する小型ハンマドリルは市場に少ないので、このカテゴリにおいてマキタが市場を圧倒する製品になっていると考えています。
ワンハンドモデルとしては初の40Vmaxモデルであり、打撃モードも備える本機は隠れた良機種となる製品になるのではないかなと予想しています。小型サイズで打撃を備えているハンマドリルはほとんどないはずなので、ケレンや内装リフォームの解体作業等のちょっとした用途に活用できそうです。
個人的にはDeWALT POWERSTACKのようなサイズ感で36V-2.5Ahの小型バッテリーを展開し、40Vmaxシリーズでワンハンドモデルを各製品で拡充してくれれば、製品戦略の差別化の面で隙が無くなり、業界内の覇権さえも握れるのではないかと思っています。とは言え、現状のマキタの世界シェアで独自バッテリーセルを発注するような機運があるかは今のところ微妙なところとも思っています。しかし、いつかはやってくれるでしょう。
ちなみに、カタログ内では穴あけスピード2.3倍と大きく謳っているのですが、よく見てみると、その比較対象は2017年発売の17mmモデル HR171Dとの比較値らしいです。「従来モデルとの比較」とする表現は確かに間違っていないのですが、ユーザーの大半は現行18Vモデルと40Vmaxモデルの性能差に興味があると思っているので、この辺りに関しては、若干アピール方法がセコいんじゃないかなと感じています。
よく比較される工具
2023年2月発売