
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2025年5月にLXTベーシックシリーズを 充電式インパクトドライバを発売する。新構造の18Vバッテリ BLB182とが付属する廉価版の充電式インパクトドライバ。四極ブラシモータ搭載ながらも軽量1.3kgのボディで155N・mの締め付けトルクを搭載する。小売価格は26,300円(税抜)
目次
マキタ 充電式インパクトドライバ TD156D
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2025年5月にLXTベーシックシリーズ 充電式インパクトドライバ TD156Dを発売します。

TD156Dは、マキタ 18V LXTベーシックシリーズの充電式インパクトドライバです。
低価格バッテリーのBLB182バッテリーの付属によろ。マキタブランドの18V充電式インパクトドライバながらも希望小売価格26,300円 (税別)で販売されているのが特徴です。
インパクトドライバの仕様としては、4極ブラシモータ仕様ながらも全長143mm、本体重量1.3kgの軽量ボディを実現しており、最大締め付けトルク155N・mを搭載しています。
販売仕様は、バッテリ充電器が付属するTD156DBで販売します。

- TD156DB バッテリ充電器付属 希望小売価格26,300円(税抜)
TD156D 製品仕様 (18Vモデル TD157D比較)
製品名 | TD156D | TD157D |
---|---|---|
外観 | ![]() |
![]() |
能力(小ねじ) | – | M4~M8 |
能力(普通ボルト) | – | M5~M14 |
能力(高力ボルト) | M5~M14 | M5~M12 |
能力(木ネジ) |
22~125mm | 22~125mm |
モータ方式 | 4極ブラシモータ | ブラシレスモータ |
最大締付トルク | 155N・m | 140N・m |
無負荷回転数 | 0~2,500min-1 | 0~3,000min-1 |
打撃数 | 0~3,900min-1 | 0~4,100min-1 |
防水防じん | × | APT |
LED | 1灯 | 1灯 |
重量 | 1.3kg | 1.4kg |
寸法 | 143×79×223mm | 133×81×232mm |
本体価格 | TD153DB : 26,300円(税抜) | 20,800円(税抜) |
販売年月 | 2025年5月 | 2021年2月 |
製品の特徴
「低価格クラス帯の充電式インパクトドライバ」

ライトバッテリの充電式インパクトドライバだが性能は意外と悪くない
LXTベーシックシリーズは、これまで分かれていたライトバッテリーシリーズと18V LXTシリーズの統合を目的とした位置づけの製品群と考えられます。
今回のTD156Dに関しても、もともとマキタの18Vライトバッテリシリーズとして展開していたMTD002Dを、18V LXTバッテリー対応の仕様として改良したモデルです。基本的な製品仕様に大きな変更はありませんが、希望小売価格は従来より約1万円引き下げられており、コストパフォーマンスの向上が図られています。
これにより、DIYユーザーとプロユーザーの間にあったバッテリープラットフォームの違いを解消し、ユーザー層の垣根をなくす狙いがあると考えられます。こうした戦略は、以前からHiKOKI(旧・日立工機)が採用していた方針であり、マキタもそれに追随した形です。
もともとMTD002Dは、4極ブラシモーターの搭載によってブラシモータ搭載モデルとしては高価な製品であり、DIYモデルとしては価格が高めであったため市場の中でやや中途半端な位置づけとなっていました。そういう意味で、プロ向けの18V LXT仕様になったTD156Dとなったことで位置づけは明確化されたと言えます。しかしながら、日本市場においてはプロ向け電動工具の価格帯クラス分け戦略は対してうまく行っていない印象が強いため、国内市場的には厳しい製品になると想定しています。
この辺り、シリーズの初手にインパクトドライバを加えたい心情的なところは理解でき、これが海外市場が初手の製品であればこの手の製品も受け入れられる余地はあるのかもしれませんが、国内市場においてこの手の価格帯で分ける製品展開戦略がうまく行った試しはほとんどないと認識です。正直なところ、国内市場的にはDIY向けの電動工具を展開するよりも、一般家庭向けOPEに力を入れた方が良かったのではないかと思っています。
このあたり、マキタが開示した最近の資料でも「電動工具の売上低迷が続き、OPEは好調、電動工具の低迷をカバー」と電動工具の販売状況に関して発言しているので、もともと上手く行っているとは言い難い18Vライトバッテリシリーズの焼き直しを図るよりも、うまく行っているケースを他のユーザー層にも適用した方が良かったのではないかと思っています。