2019年1月に 建築用ハンドツールメーカーのタジマから、充電式コーキングガン『コンボイエレキテル』が発売された。タジマはハンドツールで有名なメーカーだが、最近では電動工具分野にも進出しており、太軸インパクトやコンパクトでパワフルなレシプロソーなども展開している。今回タジマが発売するのは、同社が展開するコーキングガンの『コンボイ』シリーズ初となる充電式コーキングガンだ。
目次
業界トップクラスの軽量小型「コンボイエレキテル」
タジマが販売する『コンボイエレキテル』は業界トップクラスの小型・軽量の電動コーキングガンだ。
特に特筆すべき点はその軽さであり、コンボイエレキテルの重量は電池込みで1.3kgと、マキタのスライド10.8VシリーズのCG100Dの1.9kgよりも600gも軽い。
全長については414mmと電動コーキングガンの中では小型サイズになっているが、マキタのCG100Dは300mLホルダ仕様で更に短い404mmとなっているため、コンボイエレキテルは発売時点で10mm長く最短形状ではないようだ。
バッテリーはコンボイエレキテル独自の7.2Vバッテリーだが、充電器ではなく、付属のACアダプタをバッテリーに直接差し込む充電方式を採用している。
操作性を重視した「トリガー+ダイヤル」のスピードコントロール
コンボイエレキテルは、トリガー形状を手動式のコーキングガンと同じ、レバー式にしているのが特徴だ。
電動式のコーキングガンはパナソニックやマキタから発売されてしばらく経つが、そこまで普及している製品であるとは言い難い。手動式のコーキングガンが安価で手に入る価格的な理由も大きいが、その他にも、手動式のレバー操作と電動式のトリガー操作との施工時の感覚が違う、と言ったフィーリングの問題もあるようだ。
レバーの引き込み量によって送り量を無段階コントロールできるのはもちろんのこと、側面のダイヤルでもスピードをコントロールできるため、ダブルスピードコントロールによる細かな送り量調節が可能になっている。
他社メーカー スペック比較
他社メーカーの製品と比べると、コンボイエレキテルのコンパクトさが一際目立つ形となる。
全長こそマキタのCG100Dが一番短くなっているが、横幅や高さ、更に重量では他社の追随を許さない圧倒的なコンパクトさを実現している。押出力についても7.2Vながら4,500Nと高い水準を維持しており、実際の使用で困ることはまずないだろう。
製品名 | コンボイエレキテル | CG180D | EZ3610 |
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外観写真 | |||
最大押出力 | 4,500N | 5,000N | 2,450N |
本体寸法mm | 414×225×67 | 404×259×108 | 501×259×142 |
本体重量 | 1.3kg | 1.9kg | 2.15kg |
バッテリー電圧 | 7.2V | 18V | 3.6V |
極限まで手動に近い感覚に近づけた電動コーキングガン
コンボイエレキテルは、軽さと操作感を従来の電動コーキングガンの欠点を大きく改善させた意欲作と言えそうだ。特に、他社の従来品では2kg前後がほとんどなのに対し、1.3kgのコンボイエレキテルはまさに革命とも言える製品だ。
ネックとなるのは、やはり価格だろう。コンボイエレキテルは独自バッテリーを採用しているため、必然的にフルセットでの購入が必須となる。実勢販売価格は4万~5万であり、安価な手動コーキングガンであれば千円もしないものもあるため、シーリングの施工が多くないのであれば手が延ばしにくい製品だ
更に、電動コーキングガンとして考えても、マキタのCG100DSHが2万円ほどでフルセット購入できてしまう。バッテリーの汎用性と言う意味でもマキタを選ぶユーザーは多いだろう。
製品としては非常に高性能で申し分のないコーキングガンであり、様々なコーキングガンを展開する「コンボイ」シリーズを電動化していると考えれば間違いなくトップクラスの性能を持つ電動コーキングガンなのだが、価格や電動工具を取り巻くバッテリー環境などを考えると初期コストが非常に高くなってしまうのが難しい点だろう。