AI翻訳・ウェアラブル端末を展開するTimekettleは、2024年8月よりアプリ不要のスタンドアロン翻訳イヤホン Timekettle X1を発売する。UniSmart Al 翻訳クラウドエンジンによる翻訳機能とイヤホンマイクによる双方向同時通訳技術を備え方言を含め、93言語への対応と双方向同時通訳に対応する。
本記事は、Timekettle様よりレビュー用サンプル品の提供を受けて構成しております。
目次
Timekettle X1 翻訳イヤホン
今回紹介するのは、コミュニケーションソリューションツールを手掛けるTimekettleの最新モデルの翻訳機 Timekettle X1 翻訳イヤホンです。
Timekettle X1は、ハンズフリーイヤホンマイクを備えた最新型の翻訳機です。
内臓のイヤホンマイクによって、話した内容をリアルタイムで翻訳して相手に伝える双方向同時通訳技術を搭載しており、翻訳機のディスプレイに表示された文章を確認することなく多言語会話を可能とします。
X1は12nmプロセスで製造されたCPUの搭載によって音声認識を60%高速化しており、同時発話と同期翻訳のコミュニケーションプロセスを損なわないシームレスな音声翻訳会話を実現します。
- Timekettle X1 小売価格103,999円(税込)
Timekettle X1 製品仕様
製品名 | Timekettle X1 |
---|---|
外観 | |
対応言語 | 40言語(方言含め93言語) |
オフライン翻訳 | 8言語 |
RAM | 3GB |
ストレージ容量 | 32GB |
ディスプレイサイズ | 3.4インチ |
1充電動作時間 | 12時間 |
通信仕様 | WiFi 2.4GHz 5GHz |
充電端子 | USB Type-C / 専用ドッグ |
充電仕様 | 5V-2A |
満充電時間 | 2時間 |
バッテリー容量 | 3,200mAh |
重量 | 200g |
寸法 | 45×128×30mm |
販売年月 | 2023年12月 |
製品の特長
「イヤホンを互いに装着した双方向同時通訳に対応」
Timekettle X1は、ハンズフリーイヤホンマイクを備えた最新型の翻訳機です。
X1のイヤホンマイクを取り出して、会話を行いたい相手と互いに装着すれば、イヤホンマイクが音声を認識して自動的に翻訳した内容を読み上げてくれるので、翻訳機を動かすことなくシームレスな多言語通話を可能にします。
X1を使う時は、充電コネクタ搭載側のイヤホン収納部を押し込むことでイヤホンマイクを取り出せます。
イヤホンはこんな感じで収納されています。
一般的なBluetooth TWSイヤホンと同じく、X1のイヤホンマイクは磁石で軽く固定されており、充電接点で自動的に充電してくれます。
互いにイヤホンマイクを装着したら、X1本体上で言語を選択すればあとは会話するだけで発言の内容を自動的に認識してくれて、翻訳した文章を読み上げて相手に伝えてくれます。
ちなみに、イヤホンをそのまま渡すには少し抵抗ある方のために、耳に当たる部分に装着できる薄いシリコンカバーも付属しています。
40言語(方言含め93言語)の翻訳に対応
Timekettleの翻訳機は、約40言語の翻訳に対応しています。
X1の言語選択画面にはプルダウンメニューで選択できる言語があり、プルダウンメニューからは各言語の地域的な訛りも選択できるようになっています。
例えば、英語の翻訳でもアメリカやイギリスなどの地域選択もあり、適切な訛りを選ぶことでより精度の高い翻訳に対応できます。
傍聴通訳機能で周りが話している会話も聞ける
X1はフルストリーミング翻訳機能を搭載し、会議やスピーチなどあらゆる場面で翻訳を聞きとれる性能を備えています。
海外の動画の音声翻訳や、外国語セミナーの膨張翻訳など多人数での会話内容も並列処理によって素早く処理してイヤホンで聞けるので、シームレスに翻訳された音声を聞くことができます。
複数端末を使用した複数言語の翻訳機能を搭載
X1はネットワーク接続を活用した通信機能を搭載しており、2台のX1を接続することで対話している原文訳文表示と翻訳音声を同時に確認できます。
さらに、会議モードで接続することで、最大で5言語と20人までの同時翻訳通話を実現でき、会議に参加しているメンバーが自由に発言してリアルタイムに翻訳してくれます。
同時に5台充電できる専用ドッグも展開(日本販売未定)
これは海外で販売している公式直販サイトの画像ですが、X1には最大5台同時充電を可能にする専用充電ハブもあるそうです。
充電ハブにX1を装着すると自動ペアリングが行われるので、スムーズに音声翻訳会議の環境構築を実現できます。
Timekettle X1の傍聴通訳機能の動作を確認
今回の記事でTimekettle X1を現地で使ったレビューもできればとも思ったのですが、記事執筆中に予定していた海外訪問の用事が無くなってしまったので、今回の検証ではX1の傍聴通訳機能で動作を確認してみます。
X1の性能の検証として、CNNのニュース動画を傍聴翻訳モードで翻訳した時の挙動を確認してみます。
実際に傍聴翻訳モードで動作を確認しているのが下の画像です。
ネイティブな発音も高い精度とスピードで認識してくれるので、これまで触れてきた翻訳機の中でもトップクラスのレスポンスの良さだと思います。
イヤホンから聞こえる翻訳音声に関しては、文章中のある程度の区切りとなったところから始まるので、実際の会話から若干テンポは遅れているものの、実際に傍聴として外国語を聞くシーンでは特に問題ないレベルと考えられます。
ビジネスミーティングを想定した製品だが個人ユースでも心強い
搭載とは過去に何回か翻訳機をレビューしていますが、今回のTimekettle X1 翻訳イヤホンに関しては、過去の翻訳機の性能を大きく超える別格の製品です。
昨今の翻訳機のトレンドとしては、スマホ搭載の翻訳機能も無視できない性能になっていて、翻訳機が無くてもある程度の翻訳は可能なのですが、X1に関しては音声認識精度や双方向通話機能、さらに複数台動作を前提とした同時翻訳機能も搭載しており、業務用途にも耐えうる実用的な翻訳機と言えるクオリティにに仕上がっています。
筆者の翻訳機使用シーンとしては、年に数回か中国深セン市の工場に監査として訪問する機会があるため、現地技術者とのコミュニケーションや入国審査のやり取りなど会話の最終手段として無くてはならないものになっています。とは言え、今まで使っていた翻訳機は音声認識が甘かったり、レスポンスが悪かったりと積極的に現場で使っていくには不満もあったので、今回のX1翻訳機に対する期待値は非常に高いものとなっています。
製品の価格帯としては、ビジネス用途に特化した製品なので価格も10万円越えと導入するには少しためらわれる翻訳機なのですが、スマホ翻訳機能が向上している昨今の翻訳機事情としては、これくらい性能に特化した方が差別化できて良いのかもしれません。例えば、多国籍企業が本格的な翻訳機を導入する場合においてはX1 5セット50万で済むのであればそれはそれで格安かもしれません。
少し気になる点と言えば、イヤホンがインナーイヤー型で耳に入れるタイプなので、相手にイヤホンを差し出すのに少し抵抗がある点でしょうか。
一応、標準付属で薄いシリコンカバーと外付けのイヤーフックもついているのですが、人につけてもらうにはフック型のイヤホンのような耳にかけるタイプのイヤホン仕様なども出してほしいところです。