
ピンネイラとは、ピン釘を打ち込んで巾木や化粧材の仮止めに使用する工具です。ピン釘は釘が細く、打ち込んでも釘痕が目立たないのが特徴です。釘の頭が無く摩擦による保持力しかないので、接着剤で固定する際の仮止めの用途で使われます。
目次
ピンネイラとはピン釘を打ち込む工具

ピンネイラとは、ピン釘の打ち込みに使用する工具の名称です。釘打ち機の一種ではありますが、一般的な釘は使用できず「ピン釘」と呼ばれるネジ頭の無い針金状の釘の打ち込みにのみ対応しています。
ピンネイラの名称はメーカーによって異なり、MAXが「ピンネイラ」、マキタが「ピンタッカ」、HiKOKIが「ピン釘打機」としてそれぞれ販売を行っています。
ピンネイラは、従来品ではコンプレッサーの圧縮空気を使った「空気工具」の製品が主流でしたが、最近ではバッテリーとモーターで動作する「充電式」のピンネイラも普及しています。

ピン釘は仮止めに使う釘、巾木の固定などに多用

釘にも様々な種類がありますが、その中で最も細い釘が「ピン釘」です。
ピン釘は15mmから50mmまで様々なサイズがあります。15mmから35mmまでが電動ピンネイラ、35mmより長いサイズのピン釘では空気工具のピンネイラを使用します。
釘打ち跡が目立たないので、接着剤が乾くまでの仮止めに

ピン釘の釘止めは跡が非常に目立ちにくく、近づいて観察しないと分からないほど小さなネジ頭跡しか残りません。
しかし、ネジ頭が無いため保持力が小さく、化粧材や巾木の固定には使用できないため、接着剤が硬化するまでの仮止めとして使用します。
電圧の高さと打ち込み力に関係なし
充電式のピンネイラでは「パワーがありそうだから」と考えて電圧の高いピンネイラを選んでしまいそうになりますが、電圧と打ち込み力に関係性はありません。
充電式のピンネイラは「バネの反動」による打ち込みを行っているため、バネを巻き上げられるだけのモーターパワーがあればよく、巻き上げ力こそ早くなっても打ち込み自体には大きな影響を与えません。
ピンネイラのドライバブレードは寿命が短い
釘打ち機の中で、最も細い釘を打ち込むピンネイラですが、釘を打ち込む部分であるドライバブレードの摩耗が最も激しい製品となります。
ピン釘はピン頭が無く非常に細いねじなので、それを打ち込むドライバブレードも摩耗・変形しやすく、ピン釘の箱10箱前後の打ち込み数で、空打ちや釘が詰まる現象が多発するようになります。
動作不良が多発した場合は、ドライバブレードの交換となるので早めの交換修理が必要となります。
電動工具のピンネイラ
電動式のピンネイラは打込みにバネが使われているので、反動が非常に大きい工具です。
特に、ピン釘はネジ頭も小さくシャフトも細いため、反動の影響は大きくネジ頭が浮きやすい工具です。そのため、ピンネイラにはカウンターウェイトなどの反動を打ち消す構造が必須となります。
電動工具のピンネイラは、長い間カウンターウェイト構造を唯一搭載していたMAX製品の土壇場が長らく続いていましたが、近年はマキタやHiKOKIからも反動が低減したピンネイラが展開され、現在のモデルでは各社間の大きな差は無くなりました。
ただし、打込みフィーリングや釘浮き上がりの癖は各社で微妙に異なるため、実際に試射してから選ぶのをオススメします。
MAX TJ-35P4 充電ピンネイラ
優れた釘打ち機を多数開発しているのがMAXの製品です。
MAX独自の反動吸収機構により、TJ-35P4は打ち込みの反動が小さく綺麗に仕上がるので、ピンネイラの中で最も人気の機種です。
大型のお知らせLEDランプにより釘の残量やバッテリー残量・温度上昇も分かりやすいのが特徴の機種です。
マキタ PT353D 充電式ピンタッカ
マキタ従来製品に比べ、約40%の反動吸収を実現する低反動機構を搭載したのがPT353Dです。軽い押し付け荷重でも確実な打ち込みを実現しています。
マキタの充電式ピンタッカは、簡単ドライバ交換機構によってドライバブレードを簡単に交換できるため、メンテナンス性に優れているのが特徴です。
HiKOKI NP18DSAL コードレスピン釘打ち機
前モデルNP18DSLの釘浮きを改善し、反動低減機構やスマートブッシュ機構によって綺麗な仕上がりを実現したのがNP18DSALです。
前モデルのNP18DSLは40mmまでのピン釘に対応していましたが、本モデルのNP18DSALでは最長35mmまでとなっている点に注意が必要です。
空気工具のピンネイラ
充電式のピンネイラが主流になりつつありますが、35mmより長いピン釘を使用する際には、空気工具のピンネイラが使われます。
MAX HA-50P4(D) 高圧ピンネイラ

MAX TA-235A/P35F3 常圧ピンネイラ

マキタAF502HP 50mm高圧ピンタッカ

HiKOKI(日立工機)NP55HM 55mm高圧ピン釘打ち機
