BX 3-MEは、リヒテンシュタイン公国に本社を置く電動工具メーカーヒルティ(HILTI)が販売する、コンクリートへの鋲打に対応する22Vバッテリーの充電式コンクリートネイラです。
従来のコンクリートネイラは、エアやガスによる鋲打機が一般的ですが、BX3はバッテリー駆動になったことで、ガス缶やコンプレッサーの管理・銃刀の所持許可も無くなり、導入や運用がしやすくなっています。
目次
ヒルティ 世界初の充電式コンクリートネイラBX 3-ME
BX 3-MEはコンクリートへの鋲打に使用する充電式のコンクリートネイラです。
従来のコンクリートへの鋲打機と異なり、ガスやコンプレッサーを必要としないので、鋲打機本体以外の管理も不要で、導入や運用が行いやすいのが特徴です。
BX 3-MEはバネのモーター巻き上げによるデュアルスプリング機構を採用しており、低接触圧じの打ち込み性と反動の低さを実現しています。
天井施工時など安定性の悪い場所でも、確実に打ち込めるネイラです。
本体は大きく見えるものの、重量はガス鋲打機相当
例えば、マキタの販売するコンクリート用ガスピン打ち機 GN420Cは本体寸法315×108×390 mmで重量がガス・バッテリ含みで3.7kgです。
BX 3-MEの本体寸法は、473×134×280 mmと本体後方に搭載されたデュアルスプリング機構部分の印象でかなり大きく見えます。しかし、重量ではBX 3-MEの本体重量3.33kg+バッテリー0.48kgを合わせて3.81kgとなり、大きな差はありません。
留め付けスピードは、1秒間に1回の速さを実現しています。ガス管交換や残渣のクリーニングも不要なので、クリーニングキットや潤滑材なども必用無いので作業者の負担が非常に低いのが特徴です。
BX 3-MEとガス鋲打機のランニングコストを試算
従来のガス鋲打ち機と比較すると、価格的にはBX 3-MEの方が高くなりますが、ガス不要なのでランニングコストは非常に低くなるのが特徴です。では、実際にコストが逆転するのはどれくらい使用してからになるのでしょうか。
BX 3-ME P2/3.0Ah コンボの市場価格が約150.000円、マキタGN420Cの市場価格を90,000円として、維持費と計算してみます。また、BX 3-MEはランニングコストが0円、マキタGN420Cのガス管は1本2,000円で鋲1,100本で計算します。バッテリー充電の電気代やピンの価格については計算に入れません。
これらの条件から鋲打ち機のランニングコストを計算すると、下の表のようになります。
以上の結果から、ガス鋲打機のガス管30本(鋲33,000本)前後で維持費込みでのコストが逆転となる計算になります。実際には、ピンの価格差によって上下するため、実際のランニングコストとは異なる点に注意してください。
ちなみに、BX 3-MEのバッテリーランニングについても考えてみると、3.0Ahバッテリーで1充電あたり鋲打ち約500本。バッテリーのサイクル寿命を短く見積もっても500回として計算すると、1つのバッテリー寿命までは約25万本打てる計算となります。
ガス鋲打機を使用していて、コンクリートへ大量に鋲打ちの施工を行う場合であれば、BX 3-MEはコスト的に非常に有利になるかもしれません。
現場トラブル発生時の対応方法も公開
ヒルティの製品と言えば、『奇跡の72時間』で例えられる素早い修理体制や、最長2年の無償修理などの手厚いユーザーサポートが特徴的ですが、ヒルティは動画によるトラブル対策方法なども公開しています。
下の動画「TROUBLESHOOTING the Hilti battery-actuated fastening tool BX 3」では、釘詰まりや回路の発熱保護など、工具の様々なトラブルの現象例や対処法などを紹介しています。日本語字幕版が公開されていないのが惜しい所ですが、初めて使う人の研修資料や、修理に出す前の動作確認など非常に頼りになる情報です。