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リベッタとは板金を接合する工具
リベッタとは、ブラインドリベットを使って金属版の接合を行うための工具です。リベットによる接合作業をリベッティングと呼びます。
ブラインドリベットを使った金属板の接合作業は、作業効率や利便性の点で最も優れており、ボルト止めや溶接のように接合作業によるばらつきも発生しにくいため、信頼性が高いのも特徴です。
ブラインドリベットはそのままだと使用できないので、専用工具のリベッタを使って接合を行います。リベッタには手動式・エア式・電動式の3種類があります。
釘の様に見える心棒を引っ張り円筒状のリベット内部を変形させ、心棒を引きちぎって接合するリベット。
ブラインドリベット発明以前は、接合両面から圧縮する必要があったが、ブラインドリベットの登場によって片面から接合できるようになり、作業性が大幅に改善した。
リベット接合のメリットとデメリット
簡単に接合出来て信頼性も高いリベット接合ですが、用途や材質によってはリベット接合が適さない場合もあります。
以下にリベット接合のメリットとデメリットを説明します。
リベット接合のメリット
1.熱を使用しない
リベット接合はリベットを塑性変形して締付を行う手法です。特にブラインドリベットは熱を使用しない接合手法なので、熱による歪みや残存応力の影響を限りなく0にできます。
2.緩みが発生しない
リベット接合はボルトやビス止めのような緩みが発生しない接合手法です。
母材の割れや極端な応力によるリベット自体の変形による緩みは流石に発生してしまいますが、振動や衝撃などには強いのが特徴です。
3.接合作業の信頼性が高い
ブラインドリベットによる接合は、ブラインドリベットの塑性変形とシャフトの破断によって接合が完了するため、作業品質の違いがほとんど発生しません。
溶接の場合は溶接作業の熟練者が作業を行い、ボルト止めの場合は緩みにくいボルトや高度なトルク管理手法を用いたうえで厳重な検査を行う必要がありますが、リベット接合は簡単な手順で高い作業品質の接合を行えます。
リベット接合のデメリット
1.接合部分が目立つ
リベット接合による接合箇所は必ず突起が出来てしまいます。
逆にリベット独特のデザイン性を持たせることもできますが、外観重視のシンプルデザインを求める場合には不向きです。
2.重量が増える
リベットは接合箇所に接合用の金属部品を付けるため、リベット箇所が増えるとその分重量が重くなります。
ステンレス製のブラインドリベットなどを使用している場合、特に顕著になります。
3.リベットが適さない場合もある
リベット作業は複数枚の板形状の母材を接合する手法なので、母材の接合部が極端に湾曲していたり、母材自体が薄く柔らかい場合はリベット接合が行えません。
リベッタの選び方
リベッタは動力に応じていくつかの方式があります。
どの方式でもブラインドリベットの塑性変形とシャフトの破断で接合作業が完了するので、リベットの方式の違いによる作業品質の差はほとんどありません。
たまにしか使用しない場合は手動式、設備などで使用する場合は電動式、ラインなどで長時間連続使用する場合は軽量なエア式を使用するのがおすすめです。
手動式
- 本体が安い
- 作業が遅い
電動式
- 取り回しに優れる
- 作業が早い
- 本体が重い
- 高価
エア式
- 本体が軽い
- 作業が早い
- エアホースがある
- やや高価
リベッタの使い方
1.下穴を開ける
2.使用するブラインドリベット径にあったノーズピースを装着する
3.ブラインドリベットを下穴にツバまでしっかり差し込む
4.ブラインドリベットのシャフトをノーズピースの奥まで差し込む
5.ハンドルを引く(電動・エア式の場合はトリガーを引く)
おすすめリベッタ6選
ロブテックス(エビ) R2B1BP
作業工具・ファスニングツールを製造するロブテックスの最新コードレスリベッターがR2B1です。
最速0.8秒のリベッティング、本体重量1.7kgの軽量ボディによって電動式の中では最も優れたリベッターです。
外部コネクターによる無線送信にも対応するため、カウンター機能や作業の見える化など産業ラインにも対応できます。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | 25mm |
引き力 | 10.5kN | 方式 | 電動 |
寸法 | 307×76×261 | 重量 | 1.7kg |
マキタ RV150D
電動工具メーカーのマキタが販売するのがRV150Dです。
マキタバッテリーが使用できる強みがあり、ほかの電動工具を使いながらリベッティングを行う場合におすすめです。
リベット対応径がΦ6.4まで対応するRV250Dも販売しています。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | 25mm |
引き力 | 10kN | 方式 | 電動 |
寸法 | 313×80×287 | 重量 | 2.2kg |
新潟精機 SR-1S
ハンドリベッターでコストパフォーマンスに優れているのが新潟精機のSR-1Sです。
1,000円前半の低価格製品でありながら、Φ4.8までのリベットに対応します。
DIYでリベッティングを行う場合には、工具箱の中に置いておきたい1台です。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | – |
引き力 | – | 方式 | 手動 |
寸法 | 31×14×3.6cm | 重量 | 770g |
スリーアキシス ハンドリベッターキット
株式会社イチネンミツトモの販売するハンドリベッターがスリーアキシス ハンドリベッターキットです。
先程の新潟精機の製品と同じ製品ですが、付属しているブラインドリベットが多いので、すぐに使いたい方などにおすすめです。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | – |
引き力 | – | 方式 | 手動 |
寸法 | 全長26cm | 重量 | 770g |
リリーフ(RELIFE) 電動リベッター アタッチメント
少し変わり種のリベッタが、電動ドリルに装着してリベッティングを行う電動リベッターアタッチメントです。
電動ドリルやインパクトに装着できるので、手軽な電動リベッタとして使うことが出来ます。
下穴ドリルなども一式で付属しているので、リベッティングする本数が多い時やリベットを使ったDIYを行う時などにオススメです。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | – |
引き力 | – | 方式 | アタッチメント |
寸法 | – | 重量 | – |
ロブテックス(エビ) R1A1
エア式の産業用リベッタがロブテックスのR1A1です。
最上級のスタンダードモデルで重量1.1kgの超軽量ボディを実現。エア消費量も削減しておりエコ性能にも優れた製品です。
ロブテックスが販売するオートリベットフィーダーにも対応しており、工場ラインの設備機器としても使える1台です。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | 19mm |
引き力 | 9.0kN | 方式 | 常圧エア |
寸法 | 297×265×106cm | 重量 | 1.1g |
PAOCK AR-2448PA
エア式でコストパフォーマンスに優れているのがPAOCKのAR-2448PAです。
エア式ながら10,000円と高いコストパフォーマンスを備え、Web販売ページ上でノーズピースやジョー・シャフトケースなど消耗品一式購入できるのも大きな強みです。
低価格なコンプレッサーを使用すれば2~3万円前後でエアーリベットが使用できるので、価格的なパフォーマンスで最も優れている1台です。
対応径 | ø2.4・3.2・4.0・4.8 | ストローク量 | 16mm |
引き力 | – | 方式 | 常圧エア |
寸法 | – | 重量 | 1.5g |