目次
サーミスタとは?
電子回路の設計を行う場合は温度の問題を常に考えなければいけません。
室温を測定する機能として必要になるのはもちろんですが、回路を安定化させたり未然に重大な事故を防ぐのための電子回路自身を検出する方法について常に考えなければなりません。電子回路設計において回路を故障させないために温度を測定する考え方が重要になります。
回路自体の温度を検出する温度検出回路は過熱から回路を保護し、重大な事故を防ぐために重要です。身近な例ではLED照明の温度監視やリチウムイオン電池の保護回路・冷却ファンの回転数制御など様々な製品に使われています。
温度検出を行う電子部品はいくつかありますが、サーミスタはほかの温度センサよりもコストが安くて回路設計が容易であり、一般的なリードタイプの他に表面実装(SMD)タイプのものもあるため使いやすいと利点があります。
- 参考資料
サーミスタ(wikipedia)
サーミスタはどのように働く?
Arduinoを使ってサーミスタがどのような特性を持つか確認してみます。簡単な回路を構成してサーミスタがどのように振舞うか確認してみます。
この回路では電圧を読み込んでいるだけですが、実際に電圧レベルを温度に変換する場合は電圧と温度の関係をあらかじめ測定しておき、テーブル参照と補間処理をさせる必要があります。
サーミスタの種類
NTCサーミスタ(Negative Temperature Coefficient)
温度が上昇すると抵抗値が下がるタイプのサーミスタです。サーミスタと呼ばれるもののほとんどがNTCサーミスタです。
様々な形状のサーミスタがあり、価格も安価で温度に対する感度が高い利点があり、使用温度範囲も-50℃から150℃と幅広いことから、最も汎用的な温度検出電子部品です。
PTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient)
温度が上昇すると、ある温度で急激に抵抗値が増加するタイプのサーミスタです。ある温度範囲から急激に抵抗値が上昇する特性を持っています。温度測定のほかにも急激に抵抗値が上がる性質を利用して、過熱を検知して電流を制限する用途などにも使われます。
CTRサーミスタ(Critical Temperature Thermistor)
温度が上昇すると、ある温度で急激に抵抗値が減少するタイプのサーミスタです。
サーミスタの基本的な使い方
サーミスタは温度の変化を抵抗値の変化で検出する電子部品のため、他の抵抗と組み合わせて電圧分圧し、温度の変化に依存した出力電圧を得られるようにします。
最も使われる回路構成は定電源にプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を介してサーミスタを接続する方法です。この方法はサーミスタを使う上で最も簡素な回路構成であり、必要に応じて直並列抵抗を追加したり、リニアライズICを使用したりします。
サーミスタの選び方
温度検出回路の設計において初めに考えなければいけないことは、使用する温度範囲を確認することです。それぞれのサーミスタには最適な温度範囲があり、その範囲内でないと正常な温度検出が出来ません。また、他にも『実装方法』『コスト』『測定媒体(気体・液体・固体)』『精度』なども考慮する必要があります。
サーミスタは膨大な用途があり、それぞれ性能や使われる場所に応じて実装方式や形状など様々な種類があります。
電子部品を探すならオンラインサイトが最適
サーミスタは他の電子部品と異なり、必ず測定する対象物が存在します。それは室温かもしれませんし常に振動するモーターかもしれません、絶対に故障することが許されないLi-ion電池の監視ICに使うサーミスタかもしれません。
さらに、アプリケーションによってはサーミスタ以外のセンサも必要とする場合もあり、サーミスタ以外にも圧力センサなどの各センサも同時に手配できるサイトを使えば、データシートの確認や納期の確認など効率的に電子回路開発を進めることができます。
センサ類はそれらの被対象物に対して適切な計測が出来るようさまざまなパッケージで提供されています、更に特性の違いも加えてしまえばより一層適切なセンサの選定は難しくなってしまいます。その中から適切なサーミスタをを少しでも効率的にするためにオンラインサービスを使ってみるのはいかがでしょうか。