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バッテリーで動く建築用コンプレッサーが登場
2017年夏にアメリカの電動工具メーカーDeWALTからリチウムイオンバッテリーで動作するコンプレッサーが発売された。これまでも、12Vで動作するコンプレッサーやバッテリーで動作するコンプレッサーは販売されていたが、釘打機にも使用できるバッテリー式のコンプレッサーは恐らく初めてだろう。
同社は60VバッテリーであるFLEXVOLTシリーズを展開しており、コードレスながら釘打機にも使用できるコンプレッサーが開発できたのも高性能のバッテリーがあってこそ実現できたものだ。
DeWALT DCC2560T1のスペック
上記の表はDCC2560T1のスペックである。米国基準の表記となるため、要点をまとめたものを下に記した。
- 常圧のみ。空気取出口(1個)
- 取り出し可能圧力 0.93MPa
- エアタンク容量 9.5L
- モータ消費電力 約300W
- 本体重量 9.75kg
コードレスコンプレッサーで使える空気工具は?
DCC2560T1は小型のコンプレッサーであり、吐出し空気量も小さいコンプレッサーだ。タンクは9.5Lとそこそこのタンク容量を持つが、常圧コンプレッサーであるためタンク容量ほどエア容量はなく、エア使用量が多い空気工具を使うとエア不足になりやすい。そのため、使用できる空気工具はフィニッシュネイラやピンネイラ・タッカなどのエア使用量が少ない空気工具に限られそうだ。
なお、DCC2560T1は常圧コンプレッサーであり、日本で主流の高圧釘打機には使用できないため注意が必要だ。
コードレスコンプレッサは日本でも正式販売する?
コードレスコンプレッサーDCC2560T1は60VバッテリーFLEXVOLTを持つDeWALTと、常圧の空気工具主流の北米地域だからこそ実現したコンプレッサーだ。
日本でもコードレスコンプレッサーの登場が期待されるが、高圧主流の日本市場では高圧コンプレッサーが必要であり、そのためのモータは非常に高出力なものになる。日本の電動工具メーカーが持つバッテリーではこのような動かすのは難しいと考えられるため、日本の電動工具メーカーから釘打機に使えるコードレスコンプレッサが発売する見込みは薄そうだ。