幕張メッセで2018年10月16日〜19日に開催されたCEATEC JAPAN 2018初出展となるダイキン工業株式会社では新たな空気の価値を提供するため、最先端の空調制御技術とAI・IoTの融合をコンセプトに20のアイデアからなるプロダクトが展示された。
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空調の新たな価値を追求するダイキン工業
CEATEC JAPAN 2018で初出展となるダイキンでは、全く新しいプロダクトを展示することで、国内外、業界を超えた様々な「対話」から新たなビジネスパートナーを獲得するのが狙いだ。
今回ダイキンブースで展示されていた20のアイデアのうち、居住環境への新しい形の空調を提案した3つのプロダクトを紹介する。
持ち運べる小型冷暖房エアコン Beside+
エアコンの新しい形として提案されたのが小型エアコンBeside+だ。このBeside+はエアコンとして超小型のサイズになっていながら、ペルチェ素子による方式ではなく圧縮機による熱交換で動作しているのもポイントだ。
電源を繋ぐだけで動作するこのエアコンは、一般的なスポットクーラーと比べても小さく、一般家庭にも溶け込むデザインになっているため、部屋の中への設置や野外への持ち運びも簡単なため様々なシーンで使われることが想定されている。
これまでの移動できるクーラーと言えば、オフィスや工場などに導入するスポットクーラーが一般的だったため、今回のBeside+は家庭向けのスポットクーラーの新しい形として期待できそうだ。
陽圧制御で未来の家は部屋の気圧もコントロール
気圧病という言葉を知っている方はいるだろうか、低気圧によって体調が悪くなり頭痛や関節痛などが引き起こされる症状の事だ。明確なメカニズムは解明されていないが、頭痛の原因となる一つに気圧が関係しているのではないかと研究が進められている。
ダイキンが提案するのは、部屋の気圧を調整する陽圧制御だ。
部屋の気圧を陽圧にすることで、低気圧による体の不調を改善できる可能性がある。部屋の居住環境が良くなるだけではなく、オフィスにおいても作業性向上など様々なメリットが期待できるだろう。
部屋の陽圧化には気圧を上げる機器だけではなく、部屋の密閉性も高めなければいけないため、ハウスメーカーやリフォーム業者との協業も必要になるだろう。
ベビーカー・ペット用のポータブルエアコン
ダイキンは更に小さいエアコンを提案している。持ち運びができるポータブルタイプのエアコンだ。
地面に近いベビーカー内にいる赤子や小さなペットなどは常に猛暑の中に晒されることになる、それを解決するのがポータブルサイズのエアコンだ。ハンドバックサイズに収まるエアコンであれば、これ以外にも様々な使用法も考えられるだろう。
大きさや稼働時間、騒音など様々な課題があるが、それらが解決されれば実用的な製品になるだろう。
既存の発想に捕らわれず、新しいパートナーと新技術を積極的に取り入れるダイキン工業
DAIKINと言えば空調機のイメージが強い企業だが、今回のCEATECでは良い意味でダイキン工業らしくないAI・IoTを融合させた魅力的なアイデアが展示されていた。
この中の製品はあくまでもコンセプト段階のものであり、実用化するかはまだ検討中とのことだが、DAIKINの空調機への新しい取り組み方の本気度を感じることができた展示内容と言えた。
空調機も家電の例に漏れず、専業メーカー1社だけでは、この先の製品開発は難しくなっていくものと考えられる。AIやIoTを取り入れることで新しいアイデアの新製品開発に取り組むダイキン工業は、今後も魅力的な製品を開発してくれることだろう。