
当記事で紹介する製品はマキタブランド製品ではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。
目次
マキタ18V互換工具 電動コーキングガン
今回紹介する製品は、最近Amazonなどの通販サイトで見かけるようになったマキタ18Vバッテリー互換の電動コーキングガンです。

このコーキングガンはマキタ18Vバッテリーに対応し、一般的な330mLのカートリッジを装着してモータの力で押し出してシーリング作業を行う製品です。
電動コーキングガンの仕様としては、4段階の押し出し速度調整機能を搭載しており、先端部には400ルーメンの白色LEDを搭載しており、実勢価格6,000円程の低価格で販売しているのが特徴です。
この電動コーキングガンは複数の販売ページで異なるブランド名や色、付属品で販売していますが、基本的には全て同じ製品のようです。
製品の特長
「マキタ18Vバッテリで動作する互換電動コーキングガン」
この製品は、マキタ18Vバッテリで動作するマキタ互換の電動コーキングガンです。

マキタやHiKOKIの純正ブランドの電動コーキングガンは2万円程で販売されているため少し割高に感じてしまう電動工具なのですが、この互換コーキングガンは6,000円程で販売されており、純正ブランド品の半分以下の価格で購入できるのが特徴となっています。
バッテリーはマキタ18Vバッテリの装着に対応しており、専用バッテリーや変換アダプタを装着しなくてもそのままマキタバッテリを使用できます。

ちなみに、本製品の販売仕様によっては互換バッテリーが付属している販売品もありますが、現在のマキタ互換バッテリーには安全性や販売面に不安があり、付属している互換バッテリーや充電器はPSEマークが無い不適合品のケースもあるため、今回のような製品のバッテリー付属仕様は避けた方が良いです。
4段階の吐出量変速機能を搭載、スイッチはON/OFFのみ
この電動コーキングガンは、4段階の吐出量変速機能を搭載しています。上下のボタンで吐出量を調節でき、青色LEDの点灯数で吐出量の状態を確認できます。

実際に作業を行う時は、握るところの黒いトリガー部分を引くことでロッドが押し込まれて吐出できます。

実際に一番下の吐出量で2mm程度の先端穴を開けてシリコーン材を吐出したのが下の動画です。

これで一番下の設定なので、カートリッジの先端穴を大きくして4段階目まで強く設定すればかなり素早くシーリング材を吐出できそうです。ちなみに、4段階目で吐出を行うと約2分で330mLのカートリッジを空にできる作業量になるようです。
後ダレを抑制するのオートリターン機能を搭載
この電動コーキングガンは、後ダレを防止するオートリターン機能を搭載しています。

トリガを離すと自動的にロッドが後退するので、吐出を止めた後のカートリッジ内の圧力を弱めることができ、先端の後ダレを抑制できます。
400ルーメンの2W LED搭載で暗所でも明るい
先端部には白色LEDを搭載しているので、暗所でのコーキング作業も快適に行えます。
本体上部のライトON/OFFボタンを押すとカートリッジ装着部の先端が面で発行するので簡易的な照明としても使える400ルーメンの明るさで現場を照らせます。




ちなみに、このカートリッジ装着部は取り外せるのに発光する構造になっているのですが、装着部を取り外して電気接点部の構造を見てみると、アルミ部分の塗装がむき出しになって電極する仕組みになっていました。

コーキングガン本体側にも電極があり、この部分とカートリッジが触れることで先端のLEDに給電を行っているようです。

このLEDの消費電力は実測で大体1.8Wだったので、搭載している白色LEDは計2Wクラスのようです。
バッテリー込み本体重量2kg以下の軽量ボディ

この電動コーキングガンは本体重量が約1.1kg、マキタ BL1860Bバッテリを装着しても1.7kgの軽量ボディなのが特徴です。
マキタ CG180Dが2.3kgでHiKOKI 2.7kgであることを考えれば、満タンの330mLカートリッジを装着しても2kg程度に収まるこの電動コーキングガンの軽さは圧倒的です。ちなみに、本機よりも軽い電動コーキングガンになると、7.2Vバッテリーのタジマ コンボイエレキテル 1.3kgのみとなります。
一部のカートリッジはどんなに頑張っても装着できない
この電動コーキングガンは、一般的な樹脂筒の330mLのカートリッジは装着できるものの、少し太いカートリッジや金属カートリッジなどは装着できません。

例えば、筆者は樹脂同士の接着用途でセメダインスーパーXの333mLカートリッジも使っているのですが、残念ながら今回の電動コーキングガンには装着できませんでした。

カートリッジ寸法はかなり攻めているようで、規定サイズよりも少しでも長かったり太かったりすると装着できないため注意が必要です。
ちなみに、装着口の端の部分が干渉しているのではないかと思い、当たっている部分を削ってみたのですが、それでも写真のセメダインスーパーX 333mLカートリッジは入らなかったので、装着できないカートリッジは装着できないものとして潔くあきらめた方が良さそうです。


低価格電動工具特有の作りの甘さは感じるが、意外と悪くない
今回のマキタ互換電動コーキングガンは、細かい部分で作りが甘い部分も見受けられるものの、コーキングガンとしての基本は抑えているので意外と悪くない製品だと思っています。
これは筆者個人の電動工具に対する考え方なのですが、電動工具は仕事道具である以上、プロユーザーを稼がせなければいけない製品なのだと考えています。例えば、インパクトや丸ノコであれば電動化によって手作業にはない作業量を確保でき、その分稼ぎにも繋げられるので数万円の価格帯も納得できますが、コーキングガンは電動化しても作業量的に手動のものと大差が無く稼ぎにも影響しない為、それで2万円もの価格設定は高すぎるなと思っていました。
そういう意味で、今回の電動コーキングガンは電動化によって稼ぎを増やす製品ではないものの、作業を楽にしたいと考えているユーザーに対しては丁度良い価格帯になっているのではないかなと思っています。
実際の使用感については、吐出量4段階調整のみでトリガ変速はないのが気になっていたのですが、実際使ってみるとトリガ変速は無くても何とかなる感じです。むしろ、下手な変速やソフトスタート、トリガストロークが無い分、逆に安定して作業できる感じすらします。
押し出し力に関しては、一度誤って先端が詰まったまま吐出してしまったのですが、裏側から漏れ出してしまったのである程度の押し出し力はあるのではないかなと思っています。ただ、ロッドの押し込みスピードはそこまで早くない印象なので、接着面に大量に吐出する用途などでは少し物足りなさを感じるかもしれません。
この電動コーキングガンはコスパで優れてはいるものの、カートリッジの寸法があまりにもシビアすぎて樹脂筒330mLカートリッジしか装着できない欠点があるため、実際にはかなり作業を選ぶ製品です。この点だけはどうにもならないので、購入する場合はカートリッジの材質や太さ長さを確認した方が良いです。特にセメダインのカートリッジは金属筒のものも多いので、その場合は使用できないものとして諦めた方が良いかもしれません。