トーアメック株式会社の販売するIoTモジュール『ProBlock』が、4月17日~19日に幕張メッセで開催される専門技術展「TECHNO-FRONTIER 2019」で展示された。
『ProBlock』は、IoTの検証や開発に関わるハードウェアをモジュール化したPoC(概念実証)キットだ。モジュールとして機能ごとにボードが構成されており、ハードウェア設計を行わなくてもIoT機器の検証・開発が行える製品となっている。
PICマイコンを基本としてセンサや通信モジュールを加えた構成や、センサモジュールにRaspberryPiやArduinoを接続した構成など、構成の自由度も高いのが特徴だ。
目次
小さなブロックの組み合わせで回路を構成するProBLock
『ProBlock』は小さなブロックを組み合わせで構成する、IoTなどのセンサネットワークへ使用できるモジュールのシリーズ群だ。
1つのモジュールのサイズは30mm×30mmほどで、温度センサやGPSユニット、ホールセンサと言った各種センサやPICマイコン、Wi-Fi-やBluetooth LowEnegy(BLE)などの通信モジュールなどを搭載したボードを積み合わせて、IoTに必要な機能の実現ができる。
ブースでのデモでは、ProBlockを使用した熱電対によるRaspberry Piと通信した温度のリアルタイムモニタリングや、加速度センサや人感センサを搭載した操作パネルなど、IoTの開発事例となるデモ機が展示されている。
ブロックの組み合わせで初期投資を抑えたIoT開発が可能
ProBlock最大の特徴は、小さなブロックを組み合わせるだけでセンサーや通信の機能を構成できる点だ。
IoTの検証などでは、ArduinoやRaspberryPiなどの既製品のキットを使用する場合も多いが、センサ類や通信モジュールなどのハードウェア部分は自ら設計しなければならず、検証用に安価なハードウェアを使用したつもりが、トラブルや再設計などで返って高くつく場合も多い。
ProBlockは電源やマイコン、通信などの機能は1ブロックごとにモジュール化されている。そのため、IoT開発などに必要となるハードウェア設計は不要で、モジュールに応じたソフト開発を行うだけでIoT製品へと繋げられるのが大きな魅力だ。
工場や現場の産業用IoT検証にピッタリ。納期と工数の低減に貢献
工場の設備や現場に合わせた専用のハードウェアを設計すると、部品の調達や基板の手配、試作基板の故障など様々な面から、ハードウェアに起因する様々なトラブルの発生も多い。このような対応に追われ、検証が進まないケースも多々あるようだ。
ProBlockはIoTの検証に必要なハードウェア機能をモジュールとしてまとめており、ハードウェア開発がほとんど不要でIoTのPoC(概念実証)へと繋げられる画期的な製品だ。モジュールを積み重ねるイメージは、Arduinoのシールドに近いものがあり、それの産業用の開発キットと考えれば理解もしやすいだろう。
モジュールは全36種で主要な機能は網羅!今後も追加予定
ProBlockを構成するモジュールは2019年4月現在で36種類だ。
ProBlockはハードウェア構成の自由度が高いのも魅力的だ。電源供給方式もUSB給電やボタン電池モジュールなど様々なものが選べ、PICマイコンを搭載したCPUモジュール、通信やSDカードスロットやアンプなど、IoTの検証に必要とされるモジュールは十分に提供されている。
積み重ねる以外にも、母体となる基板のスロットに差し込む方式や、DIP変換基板を使って他のシステムに組み込む方式など、形状に関しても自由度は高くなっている。専用のケースも用意されており、防水防じんについてもある程度の耐久性が確保されている。
今後もProBlockのモジュール追加が検討されており、今後も注目のIoT開発モジュールとなって行きそうだ。
IoTのイメージを伝えやすくする『ProBlock』
ProBlockは組み込みシステム開発やIoT導入支援などで同じような開発が多かったため、ハードウェアを共通化してモジュールとしてまとめたのがコンセプトとされる。
実際、IoTに求められる機能は特定の電源回路や熱センサーなど、同じようなものが多い。モジュール化されたProBlockでハードウェア開発工程を低減でき、検証段階でのIoT開発として大きな助けとなるだろう。
ProBlockはIoTのイメージをわかりやすく説明するツールとしても効果的だ。IoTを説明する場合などには、ProBlockを見せた上で「IoTとは何か」「どのように運用するか」などを伝えれば、組み込み機器開発に詳しくない人にもわかりやすく伝えることができる。ProBlockは開発的にも営業的にも理解しやすいIoT開発ツールと言えるだろう。