電動ドリルといえば穴を開ける定番工具です。現在ではクラッチやトルク切替機能を搭載した充電式ドライバドリルにシェアが押されてしまっていますが、現在でも工場でも根強い需要がある電動工具です。
目次
穴あけ作業に必須の電動ドリル
マキタ 高速ドリル 鉄工6.5mm 木工1.5mm DP2010
電動工具のルーツは電動ドリルに繋がるため、全ての電動工具に繋がる最も基本的な電動工具です。
電動ドリルは基本的に金属や木材の穴あけに使用する電動工具ですが、先端のビットを交換すれば樹脂やタイルなどの穴あけ作業も行うことができます。電気ドリルはコンクリートの穴あけには対応できず、振動ドリルやロータリハンマドリルを使用します。
電動ドリルの選び方
電動ドリルは錐が回転するだけのシンプルな電動工具なので、その分選ぶ基準となる情報が少ない工具です。
電動ドリルの作業能率を選ぶ基本的な目安としては、モータ出力と回転数の2つに注目しましょう。
モータ出力
電動ドリル全体の性能を表すものとしてモータ出力は非常に重要です。モータの出力が大きければ、大きな錐や硬い材料の穴あけでも回転数が落ちにくく、効率のいい穴あけ作業を行うことができます。モータ出力が大きい電動ドリルほど大型・超重量となってしまうので、必要以上の出力が不要であれば適切なモータ出力の電動ドリルを選ぶと良いでしょう。
回転数
材質によって気をつけなければいけないのがドリルの回転数です。回転数が早ければ早いほど作業能率はよくなると考えてしまいますが、実際は適切な回転数での穴あけがもっとも能率が良くなります。
適切な回転数で使用する事で錐の寿命・切り屑の排出などが良くなり、作業性や錐交換のランニングコストも向上します。高すぎたり低すぎる回転数で作業してしまうと、材料が焼けてしまったり、錐の異常な摩耗を招くなど、あまり作業能率は良くなりません。
現在の電動ドリルは無段変速搭載のものが多いので自由に回転数を調整することが出来るため、製品に記載されている最大回転数に注目するようにしましょう。
電動ドリルにはどんな形状がある?
電動ドリルは作業に応じてさまざまな形状が用意されています。大きく分けて3タイプに分けられるので、それぞれ特徴や用途について説明します。
ガンタイプ
電動ドリルで基本的な形状なのがガンタイプです。
もっとも持ちやすく、グリップの位置が錐に加わる回転軸方向の反力を受け止めやすいので、硬い材料の穴あけに適しています。
Dハンドルタイプ
アルファベットのDの形状をしたハンドルになっているのがDハンドルタイプです。
この形状は錐の回転軸とグリップ部分が一直線上になっているため、錐を押し付ける作業に向いており、木材やアルミといった柔らかい材料の穴あけ作業によく使われます。
アングルタイプ
狭い所や角など、通常のドリルが使えない場所の穴あけを行うのがアングルドリルです。
建築現場や構造物など、すでに構造物が設置されていて作業場所が限られている場合などによく使われる電動トリルです。
電動ドリルの付加機能
電動ドリルはシンプルな電動工具で、非常に長い間愛用されてきた工具でもあります。
そのため、現在では現場の様々なアイデアを受けてさまざまな付加機能が搭載されています。
無段変速
トリガーの引き量やダイヤル操作で、錐の回転数を調整できる機能です。
現在ではほとんどの電気ドリルに無段変速が搭載されるようになりましたが、古いの電気ドリルや安価な電気ドリルなどでは搭載されていないモデルもあります
無段変速が搭載されていると、ポンチングしなくても穴あけができる、材料に応じた適切な回転数が選べる、ネジ止めにも使える、など様々な利点があります。
ブレーキ機能
作業安全性のために搭載されているのがブレーキ機能です。
トリガーを離すと錐の回転がすぐに停止します。
惰性で回っている錐がケガの原因になることも多く、最近の作業現場ではブレーキ機能搭載の電動工具でないと持ち込みできない現場も多くなっています、ブレーキ付きの電動ドリルはほぼ必須と言えるでしょう。
電気ドリルのアクセサリ
電気ドリルには様々なアクセサリがあります。
特に、穴あけの作業内容によっては劇的に作業効率を改善させるものも多いので、現場の作業能率や安全性の向上に役立てることができます。
グリップ
電動ドリルの最も基本的なアクセサリがグリップです。
電気ドリルでの穴あけ作業は錐に大きな反力がかかるため、常に本体には回転方向とは逆に回転する力が加わります。硬い材料や食い込みやすい材料の場合、先端がロックすると電動ドリルに振り回されて非常に危険な状態になります。
グリップを取り付けることで電動ドリルを両手で保持できるようになり、作業性や安全性が大きく向上します。
ちなみに、ドリルグリップは本体に直接ネジで取り付けるものや、先端部分を締め付けて取り付けるものなど様々な種類があるので、購入時には対応しているグリップを確認しましょう。
ボーラースタンド(ボーラーアタッチメント)
マキタ(makita) ボーラーアタッチメント 134279-2
穴あけ作業の効率と安全性を簡単に向上させられるのがボーラースタンド(ボーラーアタッチメント)です。
ボーラースタンドは材料を挟み込んでドリルを誘導することで確実に穴を開けることができるアクセサリです。普通にハンドルを握って押し込むよりも楽に穴を開けることができます。
テコの原理を使用するため、金属の穴あけでも少ない力で開けることができ、足場の悪い所などでも安全に作業を行う事ができるようになるアクセサリです。
これは後付けのアクセサリーですが、初めからボーラーを装着した電子ボーラーも販売しています。
ドリルスタンド
高儀 EARTH MAN 電動ドリルスタンド クイックバイス付
電動ドライバをボール盤のように使用できるのがドリルスタンドです。
ボール盤は重くて設置場所を確保しなければならない工具ですが、電動ドリルにドリルスタンドを装着することでボール盤と同じような作業を行うことができます。
非常に手頃な感覚でボール盤のように使うことのできるドリルスタンドですが、脱着が面倒、ON/OFFが手間、精度不足などのデメリットもあるので、簡易的なものとして割り切りましょう。
おすすめの電動ドリル2選
DIY向け マキタ 電気ドリル M609
ライトユーザーにお勧めなのが、マキタのホーム用モデル 電気ドリルM609です。
このドリルの特徴は、電気ドリルとしては珍しいキーレスチャックを採用している点にあります。
通常、ドリルビットの固定はチャック仕様となっており、ビットの交換には専用の工具が必要になりますが、このドリルはキーレスチャックとなっているため、ドリルビットの交換が非常に楽になっています。
モータ出力は350wと若干低めではありますが、一般的なDIYで木材に穴をあける作業であれば使いやすく取り回しに優れたドリルと言えます。初めて電気ドリルを使用する方などに使いやすいオススメなモデルでしょう。
プロ向け HIKOKI 二段変速ドリルD13VK
プロ向け電気ドリルの中で最高スペックの製品がHiKOKIの電動ドリル D13VKです。
820Wの高出力モーターを搭載し、テーパ式チャックの採用によるズレの小さい高精度な穴あけ、そしてアルミボディ採用による堅牢なハウジングなど、他社電気ドリルを大きく凌駕する性能を備えた電気ドリルとなっています。
特に、アルミダイカストによるボディは、他社がプラスチックハウジング主流の中で日立工機のプロ向け最上位機種だけに搭載されている構造であり、見た目だけでも十分な耐久性を備えています