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HiKOKI BSL3640MVT/BSL3640MVBT ティーパワー(T-PWR)バッテリーを発売、タブレスセル搭載の高出力バッテリー)

HiKOKI BSL3640MVT/BSL3640MVBT ティーパワー(T-PWR)バッテリーを発売、タブレスセル搭載の高出力バッテリー)

電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、2024年10月28日(月)に電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)から新バッテリーT-PWR(ティーパワー)バッテリーシリーズを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。タブレスリチウムイオンバッテリーセルの採用により同サイズながら高出力化を実現した。本体希望小売価格は33,000円(税抜)

HiKOKI T-PWRバッテリー BSL3640MVT/BSL3640MVBT

電動工具ブランド HiKOKI (ハイコーキ)を展開する工機ホールディングス株式会社は、T-PWRバッテリー BSL3640MVT/BSL3640MVBTを発売します。

BSL3640MVT/BSL3640MVBTは、同社初のタブレスリチウムイオンバッテリーセルを採用するマルチボルトバッテリーです。

タブレス方式のリチウムイオンバッテリーセルにより、バッテリーセルの内部抵抗が抑えられて従来以上の大電流放電が可能になり、高負荷時のバッテリー内の発熱損失を抑え、従来比約1.5倍の出力と、約2倍の稼働時間を実現します。

製品仕様は、36V-4.0Ah/18V-8.0Ahに両対応するBSL3640MVTとBluetooth通信機能を備えるBSL3640MVBTの2仕様で展開します。

販売仕様は、発売日時点ではバッテリー単体のみの販売となっており、製品と同梱する販売仕様などはありません。

  • BSL3640MVT (0038-1989) 希望小売価格33,000円(税抜)
  • BSL3640MVBT (0038-1992) 希望小売価格33,000円(税抜)

製品仕様

製品名 BSL3640MVT
(0038-1989)
BSL3640MVBT
(0038-1989)
外観
出力電圧 36V/18V 36V/18V
バッテリー容量 144Wh
18V時:8.0Ah
36V時:4.0Ah
144Wh
18V時:8.0Ah
36V時:4.0Ah
重量 980g 980g
寸法 134×83×77 mm  134×83×77 mm 
本体価格 33,000円(税別) 35,900円(税別)
販売年月 2024年10月

製品の特徴
「タブレスリチウムイオンセル採用のマルチボルトバッテリー」

タブレスセルは、リチウムイオンバッテリーセル内にある電気接点を繋ぐタブを不要にして内部抵抗を低減した構造により、電池内部からの発熱を減らした新型のバッテリーです。

これにより、従来バッテリーの1,440Wを超える最大2,160Wの最大出力を実現し、高負荷に強く作業スピードもアップします。

最大2,160Wの出力性能で高負荷時の稼働時間が約2倍

タブレスバッテリーセルの採用により、高負荷な40A放電時の稼働時間は約2倍に向上します。

マキタとHiKOKIのバッテリー使い分けアピールはどちらが良かったのか

タブレスバッテリーは電気自動車メーカーのテスラ社が2020年にリチウムイオンバッテリーに適用した技術であり、タブレスバッテリーそのもの概念はニッカド時代の1970年代に発表されています。電動工具産業としては目新しいバッテリーですが、一部の分野では知れ渡っている技術だったりします。

今回の電動工具へのタブレスバッテリーは、既にボッシュが展開を行っており、恐らくHiKOKIは2社目か3社目ののブランドとなります。マキタのBL4040Fに関してはmurata VX40セルを採用しているようですが、構造がわからないのでタブレスかどうかの判断は保留としています。

T-PWRシリーズが採用しているリチウムイオンセルに関しては、秀久様が動画で開封しているのを見た限りで、EVE energy社製を採用しているようです。品名としてはINR21700 40PLあたりと推測しています。

さて、今回のT-PWRは、ユーザーにとって有効的なバッテリーなのか判断が難しいバッテリーです。一応、HiKOKIのカタログ値としては、40A放電時(1,440W)において稼働時間が2倍になるとアピールしているわけですが「じゃあ40A放電はどれくらいの作業なのか」は普通のユーザーには指標が無いので判断が難しく、不親切なアピール方法だと思っています。

そういう意味だと、40A放電はどんな作業なのかを事細かく説明するよりも、マキタが40Vmaxで行っている用意のように最適なバッテリーを製品で指定してしまうのもそれはそれで答えなのですが、実際どっちのアピール方法の方が良いのかは未だ結論が出てない状態です。

そういう意味だと、HiKOKI的なやり方の一つの答えとして、Bluetooth通信機能に使用時の放電状態や温度推移を記録して、普通のMVバッテリーが過負荷気味で使われているならアプリ上でT-PWRバッテリーを推奨するなど、そんな感じのアドバイス機能を追加して欲しいところでしょうか。1

あと、これは完全に製品とは関係ない話なのですが、”T⚡PWR”のロゴに関して、製品ラベルで隣り合うHiKOKIのブランドロゴとボールドのバランスが悪く見えてしまい、ロゴデザインが少し手を抜いた感じになってしまっているのが気になっているところです。

“R”の跳ね具合からして、何となくNeue Haas Grotesk系のフォントを使っている気もするのですが、今回のラベルデザインのようにボールドの強いブランドロゴと組み合わせるなら、もう少し太字を指定してBoldやBlackにして他のロゴとのボールドを整えたほうがもう少し見栄えが良いのではないかと思っています。

まとめ

HiKOKI T-PWRバッテリー BSL3640MVT/BSL3640MVBT

VOLTECHNO製品評価 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

タブレスセル採用の新型マルチボルトバッテリー

良い点
  • 最大2,160Wの高出力に対応
悪い点

BSL3640MVT

BSL3640MVBT (Bluetooth搭載)

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脚注

  1. 機能実装や特許出願を行う場合、ご連絡ください
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