電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、2024年10月24日(木)に電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレス125mm丸ノコ C1205DAを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。スライド10.8Vバッテリー採用による2.2kg軽量ボディが特徴。本体希望小売価格は37,600円(税抜)
目次
HiKOKI コードレス125mm丸ノコ C1205DA
電動工具ブランド HiKOKI (ハイコーキ)を展開する工機ホールディングス株式会社は、コードレス125mm丸ノコ C1205DAを発売します。
C1205DAは、スライド10.8Vバッテリーを搭載する軽量コンパクトサイズの125mmコードレス丸ノコです。
軽量のスライド10.8Vバッテリーの採用により、従来の18V/マルチボルトのコードレス丸ノコよりも取り回しが向上しており、バッテリー込みで2.2kgの軽量コンパクト化を実現しています。
動作バッテリーは10.8Vながらも、切断速度は18Vモデル C18DBL相当の切断スピードを実現しています。
製品仕様はカラー展開でアグレッシブグリーンとストロングブラックを展開しており、販売仕様はバッテリー充電器が付属する(2LSP)とストロングブラックの(2LSBP)、本体のみの(NN)で販売します。
- C1205DA(2LSP) リチウムイオン電池 (BSL1240M)×2・急速充電器 UC12SL付属 希望小売価格64,600円(税抜)
- C1205DA(2LSBP) リチウムイオン電池 (BSL1240M)×2・急速充電器 UC12SL付属 希望小売価格64,600円(税抜)
- C1205DA(NN) 本体のみ 希望小売価格37,600円(税抜)
製品仕様(18Vモデル C1805DB比較)
製品名 | C1205DA | C1805DB |
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外観 | ||
のこ刃 | 125mm | 125mm |
最大切り込み深さ | 90°時:47mm 45°時:30mm 逆15°時:20mm |
90°時:47mm 45°時:30mm 逆15°時:20mm |
回転数 | 4,500min-1 | パワーモード:6,000min-1 サイレントモード:3,000min-1 |
動作電圧 | スライド10.8V | 14.4V/18V |
重量 | 2.2kg | 2.8kg |
寸法 | 253×238×165mm | 279×240×176mm |
本体価格 | 36,300円(税別) | 39,200円(税別) |
販売年月 | 2024年10月 | 2023年12月 |
製品の特徴
「スライド10.8Vバッテリー仕様の軽量コードレス丸ノコ」
10.8Vリチウムイオン電池とブラシレスモーター搭載により、モータサイズは11mm短縮、バッテリー部は幅38mm 奥行き26mm小さくなり、軽量かつコンパクトで軽快で操作性の良い作業が可能です。
スーパーチップソー 黒鯱(クロシャチ)標準付属
スーパーチップソー黒鯱が照準付属。従来品に比べ刃数を減らし、刃の角度を鋭利にすることで“鋭い切れ味”を実現しています。さらに、組刃のセット数を増やしたことにより長切れも実現します。 これにより、従来品と比較して、切れ味は約40%、長切れは約80%アップしています。
18V同等の切断速度を実現
小形で高効率なブラシレスモーターを採用し、黒鯱を標準付属とすることで18V 製品と同等の切断スピードを実現しました。
別売の大型フック339187 の装着に対応
別売の大型フック 339187の装着に対応。単管(⌀48)や木材などに吊り下げる時に便利です。
※画像はC18DBALのものです
カラーバリエーションでストロングブラック(2LSBP)を展開
製品カラーバリエーションとして、ストロングブラックも販売します。販売仕様はバッテリー充電器が付属する(2LSBP)仕様のみとなります。
HiKOKIが続けてきた高出力電動工具戦略の転換期とも言える製品
昨今のHiKOKIはマルチボルト36Vコードレス電動工具の製品開発ペースが低下しており、ここ最近の製品傾向は18V動作のミドルクラス製品にシフトしている傾向にありました。そういう意味で、今回のスライド10.8Vコードレス丸ノコが売れる状態になれば、今後のHiKOKIの新製品傾向は高出力製品戦略から小型製品戦略にシフトするのではないかなと予想しています。
筆者の想定としては、結構売れるコードレス丸ノコになるのではないかなと思っています。国内市場で空白だった10.8V丸ノコに興味を持つユーザーは少なくないと考えており、14.4Vからの移行や職人の高齢化による軽量電動工具の要望、リフォーム需要が増えてくる日本国内の事情を考慮すると、比較的マッチしていると考えられる製品であると想定しています。
とは言え、カタログでは18Vモデル相当の切断速度があるとしていますが、モーター性能が向上してもバッテリー性能としては18V/マルチボルトとスライド10.8Vではバッテリー性能に隔絶した差があります。例えば、BSL36A18バッテリーの最大出力が1,080Wであり、BSL1240Mの想定上の最大出力が432Wであることを考えると、モーターパワーのピークを350Wあたりに設定していて、それを超えるとバッテリーが過負荷で停止して粘り強さの点で余裕は少ないのではないかと想定しています。そういう意味だと無理をさせるのは辛いコードレス丸ノコかもしれません。
製品とは関係ない広報的な点で気になってしまうのが、カタログ内の18V比較製品を2016年発売のC18DBLにしている点です。国内におけるHiKOKI 18V 125mmコードレス丸ノコの最新モデルは2023年発売のC1805DBです。比較する製品としてC18DBLが適していることだけは理解しますが、18Vの現行製品を無視して1世代前の製品取り上げて「18V製品と同等の切断スピード」と表現するのは、やり方が姑息と思っています。
また、販売仕様として気になるのが、付属充電器を18V共用の2ポート急速充電器 UC18YDMLではなく、スライド10.8V専用のUC12SLにしたところです。現状の国内市場において、10.8Vバッテリー仕様の125mmコードレス丸ノコは優位となる製品であるため、そこで本製品に興味のある他社ユーザーに対してマルチボルトシリーズを買いやすい環境を用意しても良かったと思っています。
UC12SLとUC18YDMLは希望小売価格で3倍近い価格差の充電器のため、販売価格的に及び腰になることも理解はしますが、市場で優位となる製品を活かしてマルチボルトシリーズの購買へ繋げる選択肢を取らなかったことは、この先の商機も逃すことになるのではないかとも考えてしまいます。
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2023年2月発売