工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)から18Vコードレスドライバドリル DS18DE/DV18DEを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。クラス最短の155mm(振動ドリルは159mm)に短縮し、工具本体が振られる前にモータが停止するRFC機能を搭載する。本体希望小売価格はDS18DE 23,400円(税別) / DV18DE 23,400円(税別)
目次
HiKOKI コードレスドライバ/振動ドリル DS18DE/DV18DE
HiKOKIは、2022年11月22日(火)から18V コードレスドライバ/振動ドリル DS18DE/DV18DEを発売します。
DS18DE/DV18DEは、ミドルクラスに位置する中価格帯のコードレスドライバドリルです。
モーターとギヤボックスの最適化によりモータ・ギアボックス部の全長を大幅にコンパクト化し、先端工具に急激な負荷が掛った際に工具本体が振られる前に出力を停止するリアクティブフォースコントロール(RFC)機能の搭載で安全性も向上したモデルです。
製品仕様は、ドライバドリル DS18DEと振動ドリルDV18DEの2製品を展開します。販売仕様はバッテリー・充電器・ケースが付属する(2XPZ)と本体のみの(NN)で展開します。
- DS18DE (2XPZ) バッテリーBSL36A18X×2・充電器UC18YDL2・ケース付属 希望小売価格71,000円(税抜)
- DS18DE (NN) 本体のみ 希望小売価格23,400円(税抜)
- DV18DE (2XPZ) バッテリーBSL36A18X×2・充電器UC18YDL2・ケース付属 希望小売価格72,100円(税抜)
- DV18DE (NN) 本体のみ 希望小売価格24,400円(税抜)
製品仕様 (前機種 DS18DBSL比較)
製品名 | DS18DE | DS18DBSL |
---|---|---|
外観 | ||
能力 (振動ドリル) |
鋼材:13mm アルミ:13mm 木材:52mm (モルタル:13mm) |
鋼材:13mm アルミ:13mm 木材:50mm (コンクリート:13mm) |
最大トルク | 低速:70N・m 高速:60N・m |
低速:70N・m 高速:45N・m |
締め付けトルク | 1: 1.0N・m 4: 1.5N・m 7: 2.0N・m 10: 2.5N・m 13: 3.0N・m 16: 3.5N・m 19: 4.0N・m 22: 4.5N・m |
1: 1.0N・m 5: 1.7N・m 9: 2.4N・m 13: 3.1N・m 17: 3.8N・m 22: 4.5N・m ドリル(低速):40.0N・m ドリル(高速): 9.0N・m |
無負荷回転数 | 低速: 0~550min-1 高速:0~2,000min-1 |
低速: 0~350min-1 高速:0~1,500min-1 |
無負荷打撃数 (振動ドリル) |
低速: 0~8,250min-1 高速:0~30,000min-1 |
低速: 0~6,000min-1 高速:0~27,000min-1 |
チャック把握径 | ~13mm | 1.5~13mm |
動作電圧 | 18V | |
重量 | 1.9kg | 2.0kg |
寸法 | 155×255×78mm | 175×253×78mm |
本体価格 | 23,400円(税抜) | 23,500円(税別) |
販売年月 | 2022年11月 | 2019年11月 |
製品の特徴
「全長がより短くなったドライバドリル」
従来モデル DS18DBSL比で-20mmのコンパクトボディを実現、ヘッド長155mmの取り回しの良さで狭所でも作業がしやすくなりました。
リアクティブフォースコントロール(RFC)機能搭載
先端工具に急激な負荷がかかりモーターの回転速度が急激に低下すると、工具本体が降られる前に出力を停止するリアクティブフォースコントロール(RFC)機能を搭載。
ヒートシンク付きアルミコントローラケースの採用で連続作業性が向上
ヒートシンク付きアルミ製コントローラケースを採用し電子部品(FET)の温度上昇を抑えることで、連続作業にも強くなり、穴あけ速度が約10%向上。
新型バッテリー BSL36A18Xが付属
バッテリー充電器が付属する(2XPZ)販売品では、2022年11月発表の新型マルチボルトバッテリー BSL36A18Xが付属します。
ケース底面に2層成形エラストマ※3を追加し堅牢性を高め、ケース前後に設けている排水口・耐水シートをケース内側に追加することで、耐水性が向上しています。
カラープレートでつくる自分好みのカスタマイズ
チタニウムシルバー・スカイブルー・シグナルレッド・バイオレット・ライトゴールドの5色のカラープレート(別売り)を組み合わせることで、外観デザインを自由にカスタマイズできます。
新型ケースに変更、インパクトドライバのケースが上にはまる
ケースが一新し、堅牢な金属製ラッチを採用で耐久性が向上しました。
またサイズは異なるもののインパクトドライバ WH36DCのケースと凹凸部がかみ合うので、安定した状態で積み重ねが可能です。(動画内18:00~)
マキタ 充電式ドライバドリル DF487Dとの違い
ミドルクラスのドライバドリルで競合するのは、2021年3月発売のマキタ 充電式ドライバドリル DF487Dです。
DF487Dは、今回のHiKOKi DS18DEよりもさらに出力の小さいモデルとなっており、サイズ・重量が僅かに少ない分、性能・価格もそれ相応に小さい仕様になっています。
この辺りは用途やユーザーの好み次第ともいえるのですが、性能面ではDS18DEが優秀である一方で、取り回しの価格の面ではマキタ DF487Dが優れている点もあり、メーカーの違いによる一長一短が露骨に表れているとも言えます。
とはいえ、実用面におけるミドルクラスのドリルドライバはそこまで高い性能を求められているものではないため、HiKOKIユーザー・マキタユーザー共に手持ちのバッテリーを元にそれぞれの製品を選ぶことになりそうです。
製品名 | DS18DE | DF487D |
---|---|---|
外観 | ||
能力 (振動ドリル) |
鋼材:13mm アルミ:13mm 木材:52mm (モルタル:13mm) |
鉄工:13mm 木工:36mm (コンクリート:13mm) |
最大トルク | 低速:70N・m 高速:60N・m |
高速:40N・m |
無負荷回転数 | 低速: 0~550min-1 高速:0~2,000min-1 |
低速: 0~500min-1 高速:0~1,700min-1 |
無負荷打撃数 (振動ドリル) |
低速: 0~8,250min-1 高速:0~30,000min-1 |
低速: 0~7,500min-1 高速:0~25,500min-1 |
チャック把握径 | ~13mm | 1.5~13mm |
動作電圧 | 18V | |
重量 | 1.9kg | 1.6kg |
寸法 | 155×255×78mm | 150×81×248mm |
本体価格 | 23,400円(税抜) | 20,800円(税別) |
販売年月 | 2022年11月 | 2019年11月 |
ぱっと見地味だが、製品本体の評価としては高評価
ブラシレスモータ方式の電動ドライバは、一般的にステータ基板上にFETを搭載する構造を採用しており、モータファンでFETの冷却を行い制御はグリップのコントローラ側で行う構成が多く採用されています。ニュースリリースにある「ヒートシンク付きアルミ製コントローラケースを採用し電子部品 (FET)の温度上昇を抑える」の一文から予想すると、今回の電動ドリルは、握り手のコントローラ側にFETを搭載する新コントローラに設計変更したものと推測されます。
この辺りは、昨今の線材やコネクタ不足、利益改善要求の煽りを受けて、大きな設計変更を必要とされた背景があるのかもしれません。コントローラがどのように変わったのかは少しだけ興味はありますが、実仕様上に大きな違いはなさそうなので、一般ユーザーが気にする変更ではなさそうです。
プレスリリース上では、従来モデル比 穴あけ速度10%向上とは記載されているものの、この辺りはドリルビットや作業者の熟練度にも大きく左右され、何よりも標準付属仕様のバッテリーでDS18DEに付属するBSL36A18Xの方がセルの性能が良いバッテリーであるため、スペック向上の謳い文句については少し眉唾気味です。
色々述べてはいるものの、この辺りは重箱の隅をつつくような些細な問題であり、本機が特徴としている全長の短さ・RFC搭載による安全性の向上など、中価格帯のドライバドリルとしては正当的な進化を歩んでいる製品です。価格面でも十分な差別化が図れており、ミドルクラスの使い勝手重視ドライバドリルとして業界トップクラスに位置する製品なのではないでしょうか。
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2021年11月発売