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工期ホールディングス株式会社は2018年6月に電動工具用バッテリーが使用できるBluetoothスピーカー US18DAを発売した。工期ホールディングスはこれまでBluetooth接続可能なコードレスラジオやコードレステレビを販売していたが、Bluetooth接続のみに対応するBluetoothスピーカーの販売は同社初となる製品だ。
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日立ユーザー待望のBluetoothスピーカーUS18DA
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今回、工機ホールディングスから発売するBluetoothスピーカーUS18DAは、スマホやタブレットなどのBluetoothから音楽を流すことのできるスピーカーだ。希望小売価格は22,700円(税別)
今までもラジオ(UL18DSDL)やテレビ(UR18DSML)にも付加価値程度のBluetooth機能が搭載されていたが、このUS18DAはBluetoothで音楽を流す機能に特化したこれまでのラジオ・テレビとは異なるコンセプトの製品だ。
- US18DA(NN) 本体のみ 希望小売価格22,700円(税別)
スピーカー配置
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US18DAのスペックを見て驚かされるのは、小さくなったボディに搭載しているスピーカーの数だ。
一見すると、大きなスピーカーが正面に1個あるだけと思い込んでしまう形状だが、実はこの小さなボディにミッドレンジスピーカー×2, ツイーター×2, パッシブラジエータ×1と計5つものスピーカーが搭載されている。
この構成であればカタログ表現の「迫力の重低音 と「伸びのある高温域 という表現にも頷く事ができる。これまでのラジオ・テレビのフルレンジスピーカー×2の構成と比べれば表現できる帯域の違いもはっきりわかるだろう。
コーデックはSBCのみの対応となっていて、apt-XやAAC非対応なのが少し残念な気もするが、SBCコーデックは言われているほど音質が悪いわけでもなく、音声を転送するだけであれば遅延の影響はないので、SBCで十分なのだろう。
コンパクトになったボディ
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US18DAはラジオ・テレビと似た形状のフレームを搭載した製品だが、コンパクトなサイズに小型化し持ち運びしやすい形状となっている。ラジオ・テレビは頑丈さをウリにしていたボディだったが、本体は大きく重いものとなってしまっていたため、この点の要望を受けて改善したものなのだろう。
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また、Bluetoothスピーカー定番のイコライザ機能も搭載しており、低音・高音それぞれ6段階のイコライザで音域を調整することができる。スピーカー構成が素晴らしいだけに、イコライザが2種類しかないのは少し物足りない気もするが、現場で使用するという用途を考えればこの辺りは妥協ポイントだろう。
AUX入力・USB充電・防水などの基本機能も充実
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このUS18DAはBluetoothスピーカーとなっているが、AUXによるケーブル接続も可能だ。
電源面でも、バッテリーだけではなく付属のACアダプタによる動作も可能で、AC電源さえ供給できればバッテリー残量を気にせず使用することができる。ただ、充電機能は搭載されていないため注意が必要だ。
外で使用されることが想定されているUS18DAは防じん・防適仕様を満たしたIP54基準をクリアしている。しかし、IP54は防滴仕様であり、工機ホールディングス製の工具の防水IP56仕様とは下になっている、それらの工具と比べると同じように濡らすこと出来ない点に注意が必要だ。
US18DAのスペック
スピーカ | パッシブラジエータ:93mm×1個 ミッドレンジ:78mm×2個 ツイータ:31mm×2個 |
音量調整 | 30段階 |
EQ設定 | BASS(低音):6段階、TREBLE(高音):6段階 |
接続端子 | USB充電端子(Aタイプ):DC5V(最大2.1A) AUX IN端子:ø3.5mm(音声) |
実用最大出力 | 10W×2 |
Bluetooth® ※1 | 使用周波数帯域:2.4GHz 帯(2.400~2.4835GHz) 変調方式:FHSS 変調方式 Bluetooth®標準規格Ver.4.0 対応Bluetooth®プロファイル: A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) AVRCP(Audio Video Remote Control Profile) Class 2 SCMS-T 対応 |
連続使用時間 ※2 | BSL1860:約40時間(音量15、EQ3、USB充電なしの場合) |
電源 | 14.4V / 18V スライド式リチウムイオン電池 マルチボルト蓄電池(残量表示付) 家庭用電源:AC 100V、50/60Hz(付属のACアダプタ使用) |
外形寸法(縦×横×高さ) | 234×255×222mm |
質量 | 2.8kg(蓄電池・標準付属品除く) |
標準付属品 | ACアダプタ |
マキタMR200との違い
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US18DAの対抗となるのは2015年に販売したマキタのBluetoothスピーカー MR200だ。スペックを見る限りではUS18DAはマキタのMR200を強く意識した製品スペックに仕上がっているようだ。
US18DAとMR200の相違点は『スピーカ構成の違い』と『本体寸法』で、日立工機はスピーカを数多く搭載したステレオ構成の音質重視、マキタは小ささをウリにしたコンパクトタイプ。これらは好みは分かれるところだが、音量自体はスピーカー出力が10Wとなるため、現場で使用する場合に音量重視とする場合では大きな差はないだろう。
US18DAまとめ
工期ホールディングスのUS18DAは同社初のBluetoothスピーカーであり、いままでのラジオ・テレビともスピーカ構成で差別化ができており、音楽に再生することに特化した製品になっているといえる。このこだわりの構成は、音響メーカーが販売するBluetoothスピーカーにも引けを取らないだろう。