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14.4Vの電動工具に18Vバッテリーを接続するとどうなるか

電動工具の主流バッテリーは18Vですが、14.4Vの電動工具と併用しているユーザーも多く、現場では18Vと14.4Vのバッテリーが混在している現場も多いと思います。

電動工具の性能は上がるが、リスクは大きくなる

14.4Vと18Vの電動工具はバッテリー端子の形状がほとんど同じなので、ハウジングやバッテリーケースの少しの改造で互いに装着できるようになっています。それぞれの電圧が異なっていても、改造してしまえばバッテリーの装着はできるので装着して電源を入れれば普通に動き出してしまうケースがほとんどです。

対応電圧の低い電動工具に高い電圧のバッテリーを装着すると、モーターの出力が上がって快適に作業できそうに思えますが、実際には仕様の想定以上の出力となってしまい電動工具を故障させるリスクが高くなります。

また、改造によってメーカーの保証対象外にも繋がり、修理などのサポートを受けられる可能性が高くなります。

14.4Vと18V両対応の電動工具もあります

電動工具の中にはPanasonicのDual対応機種や、ラジオやスピーカーなどの製品は14.4Vと18Vの両方に対応しています。

このような製品であれば、接続するバッテリーが変わっても電子回路側で自動判別を行って、適切な出力になるように調整してくれます。

Dual以外の電動工具でも取扱説明書などに14.4Vと18Vに対応と記載されている場合もあるため、対応電圧以外のバッテリーを装着しても使用できるケースがあります。

電圧が上がると電流が減るのは、対応する電動工具のみ

最近の電動工具は、36V化などの高電圧化が進み「電流が減って連蔵稼働量が増える」とアピールしています。最近はこれに影響を受けてか「14.4Vを改造した電動工具でも同じ効果がある」と紹介する動画配信者の方いるようです。これが適用されるのは、あくまでも高い電圧に対応した製品に対してのみとなります。

HiKOKI WH36DAのカタログに記載された高電圧化の優位点。この特性は、電圧が高いだけではなく「高電圧用モーター」と「専用の制御」を搭載して始めて有効となる。

例えば、14.4Vの電動工具に18Vのバッテリーを接続したらどうなるのかを考えてみます。

モーターの回転速度は電圧に比例するので、14.4Vのモーターに18Vのバッテリーを装着すると出力は大きくなります。この時点でディスクグラインダーや丸のこなどは製品仕様の回転数を超えてしまう可能性があるため、作業的に危険な状態となってしまいます。

また、電圧を高くすると電流も増えてモータートルクが増加するため、モーター出力が全体的に向上して電動工具としての性能は向上します。しかし、モーターの発熱や機械的な部品の耐久性などは14.4Vバッテリー装着時の仕様で設計されています。そのため、製品は常に定格を超えた50%増しの状態で動作することとなり、部品の寿命は加速度的に進んでモーター焼損などのリスクも高くなります。

電動工具に異なる電圧のバッテリーを取り付けると性能は大きく変わってしまう。定格外の動作となってしまうため、用途外のバッテリーの接続は非常に危険な行為となる。なお、表の計算は理想的な条件下の計算であり実際とは異なる。

電圧を上げると電流が下がるのは、対応する電圧のモーターを搭載した場合や、電子制御によって出力が抑えられる製品のみに限られます。改造して電圧を上げただけでは連続稼働時間が増えたりモーターの焼損が抑えられることはありません。性能が上がるメリットこそありますが、それによるリスクも大きいので対応していないバッテリーの装着は避けるようにしましょう。

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