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幕張メッセで10月20から23日の間にCEATEC 2019が開催された。その中のスタートアップ・ユニバーシティブースはベンチャーや大学の研究室が並ぶブースだが、1つ人目を惹く展示があった。株式会社WORKSが展示していた電気で発光する塗料『LumiLor(ルミロール)』だ。
今回はCEATECで展示されていた新しい塗料『LumiLor(ルミロール)』を紹介しよう。
目次
LEDも発光シートも不要、面発光する塗料『LumiLor(ルミロール)』
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CEATEC 2019で株式会社WORKSが展示していたのは、電気で光る発光塗料『LumiLor(ルミロール)』だ。
これまでの光る塗料と言えば蓄光塗料や蛍光塗料、反射塗料などが主流で、燐光や蛍光、反射などの発光現象を使ったもので実際に単体で発光している訳ではなかった、しかし電気で光る『LumiLor(ルミロール)』は本当の意味での発光する塗料になっている。
LumiLor(ルミロール)はスプレー塗装での多層構造によって発光するEL発光塗料で、極薄、曲面対応、面発光と、従来のLEDや有機ELシートと比較して自由度の高い発光面を構成できるのが特徴だ。
乾電池でも発光できる、要昇圧回路
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LumiLorは100V AC〜200V ACで発光する塗料だ。電圧自体は非常に高くなっているが、必要電力は1インチあたり1mAと低消費電力なので、昇圧回路を使用すれば乾電池での点灯にも対応する。
ちなみに、LumiLorを発光させるためには「100V AC〜200V AC」「400Hz〜1000Hz」「1平方インチあたり約1mA」の条件を満たすインバーターが必要になる。LumiLorが提供するインバーターには「12v入力-100v / 120v出力」「18v入力-100v / 120v出力」などがある。
気になる電気配線だが、塗装前の下地に導電性の塗料で通電を確保しているようだ。塗装方法によっては電極を裏側に仕込むことも可能なので、配線もかなりスマートな構成にできそうだ。
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参考: LumiLor Support | LumiLor
用途は色々、プロダクトデザインから安全誘導・広告などへ無限の可能性
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LumiLorがこれまでの光源と異なる点こそ、発光面を構成できる自由度の高さだ。
単純な理由にすれば「様々な用途で使える」のがLumiLorの大きな魅力だろう。標識やモニュメントに塗装するだけでも視認性を高める効果があるし、ポスターやトラック、パッケージなどの広告としての素材としても目を惹くのは間違いない。LEDと違い設置に制限が無い点も、プロダクトデザインの新しい表現方法としても使用できそうだ。
多色展開も行われており、全部で8色のカラーがラインナップされている。
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塗装例としては車やバイクなどが多いが、飛行機などにも採用実績がある。塗装方法を工夫すれば、絵や柄、発光パターンを作る事も可能だ。
参考:LumiLor
塗装は一般的な設備でもOK、しかしある程度の技術は必要
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展示会の担当者に話を聞いてみたところ、塗装自体に特別な設備等は必要なく、一般的なスプレーガンなどで問題ないそうだ。ハケなどはムラなどが発生してトラブルの原因になってしまうため非推奨となっている。
塗装の技術としては、多層構造である点に加えて十分な絶縁を確保するためのクリアコートが必須なため、ある程度の慣れと技術が必要になってしまうようだ。この点は塗装のプロに依頼した方が良いだろう。
また、塗料の成分に何が使われているのか気になる方は、開発元の米国LumiLor社から開示されているSDS(製品安全データシート)を参照すると良いだろう。
LumiLorサポートサイトで詳細な情報を入手
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新しい塗料のLumiLorには原理や寿命、耐久性など疑問が尽きないだろうが、技術的な情報はLumiLorの開発元が詳細な情報を開示している。国内代理店への問い合わせの前にはある程度下調べしておくとスムーズに話が進むだろう。
LumiLorの塗装については塗装のプロに任せた方が良いだろうが、標準の点灯回路は車の電源供給を基準にしているため、より使いやすい電圧の回路を自作してもよさそうだ。リチウムイオンバッテリーやUSB電源などが使用できればLumiLor活用の幅はさらに広がるだろう。